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劇場版「Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-」 感想

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これを、『愛と希望の物語』と云う。

以下、ネタバレありの感想です。


Fate/Grand Order Waltz in the MOONLIGHT/LOSTROOM song material(初回仕様限定盤)





■概要
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『Fate/Grand Order』メインストーリー第1部最終章をアニメ化した作品で
第1部のラスボスである魔術王ソロモンとの戦いを描く内容。
原作ではメインシナリオ第七章をクリアした
プレイヤーのみが参加可能なレイドイベントで
「他のマスターと協力して人理を守る」という
まさに最終決戦に相応しいイベントでした。
2017年以降は1人専用の
通常ストーリークエストとなっていて
一度クリアすると二度と挑戦できなくなります。

…自分は1.5部が始まったころから
FGOを始めたマスターでしたので
リアルタイムでこのイベントには参加していませんでしたが、
色々と逸話や名言を残したイベントだということは
後から調べて知りました。
当時のマスターの話を聞く限り『最終決戦』ではなく
『採集決戦』だったとか。


■所感

元々シナリオは短く「映画向き」な内容だと思っていたので
本作は非常に上手くまとまってた作品でした。
マシュの「結末」、ロマニの「覚悟」
ゲーティアの「理由」、そして主人公の「願い」が
込められた最終決戦を見事に描いていました。

最終決戦を描いた作品という作品性質上
完全に"初見お断りなファン向け映画"になって
しまった感はありますが。
元々1~5部をすっ飛ばして7部から
アニメ化した作品ですからね。
そういうファン以外お断り感は今更言うまでもない
ってことなんでしょう。


■スーパー英霊大戦
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元々FGO自体がそういうゲームなのですが
冠位時間神殿ソロモンはその傾向が特に強いシナリオで、
「これまで共に戦い縁を結んだ英霊たちが駆けつけてくる」
っという少年漫画みたいな展開はやっぱり燃えます。

あと「適切なタイミングで適切な英霊を召喚できる」
という新装備のおかげでいろんな英霊の
活躍が見れたのは良かったです。
特にレフ戦のアレキサンダーは印象深い。

他作品でメインヒロインを務めたジャンヌと
ネロは特に出番が多くて、
ゲーティア戦で集った英霊が
各特異点でメインとなった英霊だったのも良かった点です。
その他、いろいろな英霊に見せ場があるので
第1部に登場したサーヴァント推しのマスターには必見な内容となっています。


■藤丸立香
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本作の主人公。
原作と最大の違いはやっぱり主人公の扱いですね。
原作ですと"プレイヤーの分身"的な意味合いが強くて
選択肢でしか個性を表せなかったぐださんですが、
本作だと自らの意志と行動を胸に戦う一人の
人間(マスター)として描かれました。
実際今までアニメ化されたFGOの作品で
一番主人公らしい活躍が目立ったのが本作だったと思います。
(6章はそもそもベディが主人公でしたし)

特に「自分の身を切り売りしながら戦う」っていう部分は
まさに型月な主人公象をしていて、
原作主題歌である『色彩』のアレンジBGMと共に繰り広げられる
ゲーティアとの最終決戦は圧巻の内容でした。
しれっと最初に助けに来るのが巌窟王なのはちょっと笑った。

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ここまでやって頑張ってくれた藤丸君を
カルデアのスタッフが「用済み」として
排除する未来を心の内で抱えてたみたいですから、
本当に自己評価が低い子だと思ってしまう。
(間接的とはいえここまで多くの人の命を奪ってきた
罪悪感もプラスされてたんだと思うけど…)
それでも立ち上がるんだから、2部の彼はもはや「普通」とは
かけ離れた精神性になっていそうですね。


■マシュ・キリエライト
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本作のヒロイン。
あらかじめ設計された命、
役割を与えられて生まれてきた彼女が
自分の人生にどんな答えと結論を出すのかまでが
描かれたのが本作でした。
"限りある命だからこそ尊い"
という普遍のテーマを貫く彼女は
間違いなく「人間」になったんだと感じます。

ちなみに消滅したマシュが復活した理由に関しては
エンディング中に説明されていた通りフォウくんが理由です。

「刃を交えずとも倒せる悪はあり、
血を流さなかったからこそ、
辿り着ける答えがあった。
おめでとう、カルデアの善き人々。
第四の獣は、君たちによって倒された。」



■ロマニ
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本作のもう一人の主人公。
本作ではこれまで謎に包まれていた
ドクターロマニの正体が明らかになるのですが、
第1部プレイしてる途中で彼の正体に気付いた人は凄いと思います。

Fateシリーズ伝統の「マスターと英霊の別れ」シーンを
担当したのはマシュではなく彼でした。
11年という短い時間の中で彼が得た答えと希望が本作で描かれていて
ただ"最善を尽くすだけの平均的な人間"こそが
彼を変えた最大の要因で、唯一見つけた希望だったんだと分かる内容でした。


■ゲーティア
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本作のラスボス。七つの人類悪のひとつ『憐憫』の獣
「正しい道理を効率的に進めるシステム」であり、
人々を見守るために編纂された「人理補正式」
"限りある命を持つ生命"を欠陥とし
永遠の命を作るために行動していたあたり
彼もまた人類を守るための人類愛を持っていたのだと思います。

最終的に獣の姿を捨て人の王として
ただ人間の一人として藤丸と殴り合う
ゲーティアの姿はこれまでで一番「人生」を噛み締めてたように見えました。
無意味な戦い、だが無価値ではない最終決戦
ここら辺はHFラストの言峰VS士郎にも似てると思いました。



まとめ:
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『FGO』1部はマシュ・キリエライトの成長物語でもあり、
同時にロマニ・アーキマンの人生そのものでした。
死が怖いから生きる人間は何処にもいない。
ただ、"生きたいから生きる"
どんなに明日が解らなくても、今を懸命に走りぬける。
そんな「人間の生き方」を肯定し賛歌した最終決戦でした。

厳密にはこの後、1.5部も2部もあるので
藤丸君たちの戦いはまだこれからなんですけど、
アニメ版FGOとしてはココで終わっても問題ないと思います。
(流石に1.5部以降もアニメ化しようと思ったら何年かかることやら…)

以上、冠位時間神殿ソロモンの感想でした。

fateFC2.jpg

第1部のメインストーリーをクリアしたのがちょうど4年前の同じ時期でした。
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コメント
No Subject
さすがにすべてのサーヴァントを出すのは無理でしたかね…
ノッブとかイスカンダルの出番が…(アレキサンダーさんは目立ちまくりましたが…)

にしても、坂本真綾さん率が高かった…
2021/08/02(月) 23:28 | URL | NoName #-[ コメントの編集]
Re: No Subject
> さすがにすべてのサーヴァントを出すのは無理でしたかね…
> ノッブとかイスカンダルの出番が…(アレキサンダーさんは目立ちまくりましたが…)

あくまでメインストーリーで関わったサーヴァントに
限定されていましたね。
イリヤとかぐだぐだ勢とかのイベント参戦サーヴァントは
流石に出せなかったよ。
この藤丸くんはメインストーリーだけ進めた説ある

> にしても、坂本真綾さん率が高かった…

ダヴィンチちゃんがいる以上ジャンヌは出しやすかったんでしょうね。
そもそも「あのセリフ」言わせるために必要でした。
2021/08/03(火) 22:23 | URL | せーにん #-[ コメントの編集]
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