01月02日(日)
四葉のクローバーをみつけた話
去年の初秋でした。
県内のある牧場に妻と娘を連れて遊びに行き、
そこで四葉のクローバーを見つけたのでした。
何気なく下を歩いていると、
ふっと目に飛び込んできたのです。
私は、今まで一度も四葉のクローバーを
見つけたことはありません。
積極的にさがしたこともありません。
でも、そのときは、
本当に、向こうから、
声をかけてきたかのように
私の目の焦点に
チョンと入ってきたのです。
私は、思わず小さく声をあげて摘み取りました。
それを見て妻も、目を輝かせました。
「ちょっとお、いいことあるんじゃないの?」
私たちは、無邪気に笑い合い、
無造作に妻のバッグのポケットにしまいこみました。
それから、私も妻も、
そのことは忘れてしまいました。
いつものように妻と娘を送り出し、
私は、一人、図書館で勉強、執筆、応募…時々、仕事…
いつか、誰かに理解されることを期待しつつ、
孤独と焦燥に耐える日々が過ぎました。
二月ほどたったころ、
とある賞のグランプリに
選ばれた旨の連絡を受けました。
初めてのグランプリです。
私の一年間の勉強の成果でした。
連絡の電話を切った後、
しばし、私は正座したままうなだれていました。
それから、妻に電話しました。
妻も声が詰まっていました。
そのとき、妻と娘は、近所の遊園地に散歩に出かけていました。
私は、すぐさま、家を飛び出し
彼女達を迎えに走りました。
夕暮れの歩道を、娘をだっこした妻が歩いていました。
私が駆けつけると、
妻が「おめでとう!!」と満面の笑顔で迎えてくれました。
何があったのかわからない筈の娘も笑顔で
「オメデトウ!」とはしゃいでいます。
私は、二人もろとも抱きしめました。
どんなときでも、私を信じようと努め、味方でいてくれた妻と
二年前から私の人生に笑いと慰安を与えてくれている娘です。
受賞よりも、なお、彼女達がいてくれることが
何よりも幸せでした。
もう、日はすっかり暮れて、互いの顔の表情も定かではありませんでしたが、
妻の目が濡れていることはわかりました。
きっと、私の目も同じであることを、妻も認めていたでしょう。
四葉のクローバーが幸運を運ぶというのが、
うそか本当かはわかりません。
でも、人は、ちょっとした偶然に繋がりを思い、
希望や感謝を託したくなるものでしょう。
県内のある牧場に妻と娘を連れて遊びに行き、
そこで四葉のクローバーを見つけたのでした。
何気なく下を歩いていると、
ふっと目に飛び込んできたのです。
私は、今まで一度も四葉のクローバーを
見つけたことはありません。
積極的にさがしたこともありません。
でも、そのときは、
本当に、向こうから、
声をかけてきたかのように
私の目の焦点に
チョンと入ってきたのです。
私は、思わず小さく声をあげて摘み取りました。
それを見て妻も、目を輝かせました。
「ちょっとお、いいことあるんじゃないの?」
私たちは、無邪気に笑い合い、
無造作に妻のバッグのポケットにしまいこみました。
それから、私も妻も、
そのことは忘れてしまいました。
いつものように妻と娘を送り出し、
私は、一人、図書館で勉強、執筆、応募…時々、仕事…
いつか、誰かに理解されることを期待しつつ、
孤独と焦燥に耐える日々が過ぎました。
二月ほどたったころ、
とある賞のグランプリに
選ばれた旨の連絡を受けました。
初めてのグランプリです。
私の一年間の勉強の成果でした。
連絡の電話を切った後、
しばし、私は正座したままうなだれていました。
それから、妻に電話しました。
妻も声が詰まっていました。
そのとき、妻と娘は、近所の遊園地に散歩に出かけていました。
私は、すぐさま、家を飛び出し
彼女達を迎えに走りました。
夕暮れの歩道を、娘をだっこした妻が歩いていました。
私が駆けつけると、
妻が「おめでとう!!」と満面の笑顔で迎えてくれました。
何があったのかわからない筈の娘も笑顔で
「オメデトウ!」とはしゃいでいます。
私は、二人もろとも抱きしめました。
どんなときでも、私を信じようと努め、味方でいてくれた妻と
二年前から私の人生に笑いと慰安を与えてくれている娘です。
受賞よりも、なお、彼女達がいてくれることが
何よりも幸せでした。
もう、日はすっかり暮れて、互いの顔の表情も定かではありませんでしたが、
妻の目が濡れていることはわかりました。
きっと、私の目も同じであることを、妻も認めていたでしょう。
四葉のクローバーが幸運を運ぶというのが、
うそか本当かはわかりません。
でも、人は、ちょっとした偶然に繋がりを思い、
希望や感謝を託したくなるものでしょう。