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繰り延べ税金資産の注記を読もう!(その2)

ご好評により第2弾です(すぐ調子に乗るw
税効果会計の注記の読み方、その2であります。

オリンパスの有価証券報告書132頁をみますと、税効果会計の注記が記載されています。
23年3月期繰延税金資産 91,892百万円の内訳が開示されております。
いちばん目に付くのは「関係会社株式評価損否認55,005百万円」ですね。
これは、子会社関連会社(連結範囲に入っているもの)株式を財務会計上は減損処理したものの、課税所得計算上(税務上)は自己否認して、加算留保している金額を表わしています。
減損金額を知るためには、この数字を法定実効税率40%で割り戻さなければならなりません。その金額、実に55,005÷40%=137,512百万円です!
純資産半減などにより毀損した子会社等株式がこんなにあるということですね。。

あれ?注記のいちばん下を見ると繰延税金資産はわずか9,183百万円です。この差額はといいますと、評価性引当金△76,234百万円とあります。
評価性引当金?、貸借対照表を見てもどこにも出てきません。

これは、会計と税務の差異(有税留保額)があるにもかかわらず、将来課税所得の見積りが足りないか、減損などの有税留保額が無税化(損金に算入される)する時期が見込めないため、繰延税金資産を計上していない額を表わしています。

関係会社株式評価損に関する有税留保額については、解散か外部売却の組織決定がなされていないと、無税化時期が見込めないので、繰延税金資産を計上することができません。
これをスケジューリング不能、といいます。

オリンパス社の関係会社はボロボロだなあ、というのがこの注記を見ただけでもこのくらい読みとれます。

また、損益計算書(単体)の関係会社株式からの受取配当金の額が半減しているののも気になりましたが、これはまた次回。

オリンパス社の有価証券報告書はこちらをご覧ください。
有価証券報告書一覧
(PDF注意)23年3月期有価証券報告書

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