銀行に口座ってもっとる?
大人じゃったらほとんどの方が持っとると思うけど
三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行
の違いとか印象の違いとかってある?
あんまないじゃろ?
これってオーストラリアも変わらんらしいんよ。
そんなオーストラリアで展開されたPRの話。

今回のは長いけど、PRやっとる人とか興味ある人には
ほんま参考になると思うけん読んでみてや。

まずは、概要から説明するけん。

【概要】
オーストラリアには4大銀行があって、
オーストラリア人は4大銀行に対して、
「競争しとるふりはしとるけどどうせ建前じゃろ?」的な不信感をもっとんと。
ほいで、その中の1つにナショナル・オーストラリア銀行(NAB)ってのがあるんじゃけど
日本のキャリアで例えるとイーモバイルみたいなポジションの銀行で、
貸出金利の引き下げとか色々やったけど不信感とれんで悩んどったわけ。
(イーモバが不信感あるわけじゃないけんね!)

で、でよ、
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)がたった1日なんじゃけど
「お別れ(Break Up)」っていう今回のPRをしたんよね。

まず、
①ナショナル・オーストラリア銀行NABのツイッターアカウントから「お別れ」ってメッセージがいきなり流れて
②新聞広告では「It's over between us.」(わしら、もう終わりじゃ)って
タイトルで競合他社にお別れを告げる広告展開して、
③テレビ、WEBのムービー、交通広告、さらにはヘリコプターまで使って、
とにかく色んなメディアや場所を使って競合に対して「お別れ」を告げたんよ。

新聞広告
NAB-BREAK-UP-AD-web

 
お別れの仕方がとにかく逸脱で、

・電車の中でNABの社員が、競合他社の社員に「私たちは終わりじゃけぇ」的なお別れを告げたり
(それをムービーで流したり)
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・競合他社のビルに登ってお別れを告げたり
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・休日を満喫しとる!?競合他社の人間にヨットで別れを告げたり
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・競合他社が外で打ち合わせしとる時に割って入ってお別れの挨拶したり
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 ・競合他社のビルの真下に、ピアノ置いてコンサート風お別れの歌を演奏(歌う)したり、
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・競合他社のビルに向けてヘリコプターでお別れのメッセージを見せたり
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どれもドスコイでイカツイ方法でお別れの挨拶しとるわけよ。



 

これが話題にならんわけないよね!
ってことで、テレビはガンガンこのことをとりあげるわ、
SNSでは話題になりまくるわ、
この銀行のブログにアクセスが殺到するわで 
たった1日のプロモーションが一気に話題になったんよ!

結果・・・
普段より320%アップで好意的な書き込みがSNSでされて、
その週の住宅ローンの申し込みが79%アップして、
その週のクレジットカードの申し込みが50%アップなどなど
成果にもつながったんと!
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これまで、どこも一緒だと思われとった銀行にこれでもかっていうお別れしたことで
唯一無二の銀行になったんよね。
それもほんま短期間に!

これ、なにが逸脱ってかイカツイってかドスコイかって

・このバイラルムービーが何百万回再生されましたけん
・ばーーーり露出しましたけん

とかじゃのうて、

・結果として世の中をどう変えたか
世の中の認識がどう変化したんか?

ってとこが凄いん。
短期間でオーストラリア国民の認識は大きく変わったじゃろうし、
結果として契約数もアップしとって態度に変化をおこさせとるけんね。

結果もほんま凄いPR。 

これは、パっと見わかりにくい話なんじゃけど
通常の広告でいうところの
 
・メッセージを伝えようで
・売上UPで
・他社との差別化したいで
 
みたいなとこじゃなくて、もっと奥深い不信感を拭うために
はなから世の中の認識を変えるって難題に対して取り組んどって
それを成功させるためにPR視点で取り組んどんよね。
 
メディアがどういった露出をするかとかめちゃくちゃ計算されとるじゃろうし、
アプローチもタイミングも懲りすぎるほど凝っとるけど、
見とる側からはいやらしさを感じさせるどころか、
驚きと楽しさと本気度が伝わってから、
結果、態度に変化がおきとるよね。
PRマンとして勉強になりまくる例よ!
ほんま見習いたいし、こういうのやってみたい!

ほいじゃったら☆ 

追記:
この記事よんでくれた方のコメントで“これも凄い!!”
と思ったコメントがあったけん 紹介するわ。

『トップの本気度に尽きるな!』

このPR、リスク上げたらきりがなかったと思うし、
炎上リスクもあったわけで、そんな中、
トップがこの決断をするのは凄いし、
ほんまトップの本気度に尽きる。