疑問がいっぱい
=== WBSもまだまだ
日経の路線を引いているのに、これはないな、と思ったこと。
あるコーナーのテーマは 「建設業界で人材不足」
公共事業拡大路線も、建設現場では人材不足。
そこで、人材派遣会社や女子の人材に注目が集まっている、などのトピックがあった。
だが、そこでおかしなことが。
そのコーナーでは、
まず、公共土木を受ける建設会社が規模縮小してきているために、人材育成が進まない、というのが紹介された。そこで、人材不足をどうするかが問題と成る。
そこで、現場監督を中心とした人材派遣会社が紹介される。企業の要求に応えきれないほど、すぐに派遣が決まっていくという、紹介。そこで、いかに人を集めるかということになる。
サロンのような場で、人材を集めたり、勧誘したり、紹介している、そんな場面が紹介。それに参加していた人が、
「リーマン・ショックの時に父親に(建設業は)やめとけ、と言われた」
というテロップ。言葉では建設業、とは言っていない。これは、番組がつけたテロップ。
これは明らかにミスリード。
このコーナーの構成はすり替えがある。
一般に、建設業は、民間建築も公共事業(公共建築、公共土木)もすべて含む。
しかし、民間建築と公共土木は、全く状況が違う。
このコーナーでは、
入り口が公共土木で、最後が建築になっているのである。
リーマン・ショックの時、というのは明らかに、民間建築のことを表す。
景気変動などの影響を受けやすい。
これと公共事業の分野とは、そもそも挙動が異なる。
一方、公共土木の規模縮小は、
まずはバブル崩壊、税収悪化、公共事業はムダ、という路線の上に、
さらに小泉政権などで、さらに小さい政府路線が強化、
長期的な絞り込みが進んだ結果によるもので、
これが「企業生き残りのための採用抑制」がしばらく続き、
いま団塊の世代が抜ける状況で、ようやく採用活動を強化しているが、
すでに労働市場からは「見込みのない分野」とみなされ、人が戻るわけがない。
規模縮小のまま、淘汰統合が進まないために、人材育成の体制は依然十分ではない。
リーマン・ショックで、なんていうのは、公共事業で食ってきた小規模土木のタイミングじゃない。
=== 素朴な疑問
その1「給料を増やしたら、成長につながるほどに消費は増えるのか。」
いわゆる、成長戦略の一部とよんでいる話のようなのだが、
理屈では増えることになるが、問題は、消費性向に対する効果が、どの程度なのか、だ。
ここでいう成長とは、外需の伸びではなく、内需の伸びを、ということなのだと思うのだが、
その2.円安先行=>外需依存型はより強化、となるのか。
現実には円安によって外需に依存するような話に向かってしまっているのは、どうなんだ?という疑問。内需につながることになるのか。次と関連。
その3.誰にお金を回すと、消費喚起になるのか。
円安によって増収となる、大企業は、下請けにその恩恵を回しているのか、回るのか。資本や、大企業社員(つまり、お金持ちの社員)が増収となる方がよいのか、下請け企業のお金持ちじゃない社員が増収と成る方がよいのか。(一般には後者の方が消費性向は高いとされると思うが、後者の人々の方が将来への不安が強ければ消費性向は悪くなる、という考えもなくもない。)
そこはどうなのか?、ちゃんと見てる?という疑問。
その4。成長戦略を内需拡大と読み替えるならば、給料を増やすなどの方法は、環境整備であって、本当は需要を作り出す(もっと言えば、モノやサービスに対する欲望を作り出す)直接的なアイデアが問題になる。 しかし、新しいモノやサービスが出る前に「新しいタイプの欲望」だけ先に生み出されることはない。ここに先行・遅行の関係がある。そこをブレークするのは、環境整備だけではダメなんじゃないか(金融や、企業財務に吸収されておわりになりがち)、と思うがそういうイノベーションは、環境さえ作れば勝手に生まれると思っているのかどうなのか。社会や経済が成長すると、そういう伸びしろは小さくなる。ウルトラCのようなモノに頼りがちになるのは、正しい方向なんだろうか、という疑問。
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