画力の無いクリエーターがLINEスタンプを作る時にやった事とわかった事 #LINEスタンプ
自作のLINEスタンプ「ダジャレンジャー 第一章」
発売から2週間ちょっと。ご好評いただいてます!
http://line.me/S/sticker/1002148
ランキングでも現時点での最高順位は13位!
(2014年9月3日時点)大健闘です。
LINEの公式ブログでも紹介していただきました!
http://official-blog.line.me/ja/archives/1005084326.html
6/16~22までの1週間に初登場したスタンプのうちダウンロード数が
多かったランキングではなんと7位ということでした!
発売してから、毎日すごく楽しいです。
見た人、使ってくれた人がみんなこぞって「次はこれを作って!」と言って自分のネタを披露してくれます。
このスタンプの紹介文は私の願い事だったんですよね。寒い、キモい、終わってる、などの脅威から全駄洒落フリークを救う『笑わ戦隊 ダジャレンジャー』。駄洒落を体現する5人のヒーローと一緒に、君もかわいく駄洒落を使おう!
ダジャレがすごく好きなので、みんなにももっと使って欲しかったんです。
実際にスタンプがキッカケで、すごくたくさんの人がダジャレを言いたがってる。
こんな素晴らしいことがあって良いのでしょうか!
本当にありがとうございます。
--------------------
そろそろアドレナリンの分泌も落ち着いて来たので、今回スタンプの制作過程でやった事とわかった事をまとめておきます。
●前提
私はグラフィックデザイナーをやっているのですが、画力には自信がありません。
おそらく一般的には平均程度ですが、通っていた大学(美術学科)では、技術も個性も無くて間違いなく周囲からも残念なやつだと思われていたと思います。
一応弁解しておくと、グラフィックデザイナーはイラストレーターとは違うので仕事上で画力を求められる事は意外と少なかったりします。うまい絵は描けなくても特に支障はありません。
むしろ世の中そういうクリエーターが大半なのでは?と思ったりしているのですが、私だけですかね?w
ということで、これまで苦手分野であるイラストからは距離を置いて生きてきましたが、LINE Creators Marketの出現で一転しました。
クリエーターである事に加え、そもそも毎日インターネットの存在に感謝を忘れないレベルでネットを使ったコミュニケーションを愛している私にとっては、自作のLINEスタンプを販売できるようになるなんて夢のような話です。
イラストが苦手過ぎる < オリジナルのスタンプをつくりたい
願望が苦手意識に勝って今回のスタンプ販売まで漕ぎ着け、想定以上の結果も出す事ができました。
画力の無い私になぜこんな事が出来たのか、我ながら良いサンプルだなと思うのでマジメに考えてみました。
●製作過程でやった事
・気が向いた時にブレストメンバー、レビュワーとして協力してくれそうな人に声をかけ、ゆるいワーキンググループのようなものを結成
私1人の頭じゃ限界があると思ったので、まずは4人くらい協力者を集めました。
実際にLINEのグループも作り、基本的に制作に関するやり取りはその中で行いました。
基本的には自分から案を出してスタンプのテーマやネタを決めていきましたが、メンバーからも頻繁にレビューしてもらったり、提案を受けながら最終段階まで制作を進めました。
実際にサンプルの画像をポストしながらリアクションを見たりレビューを受ければ、利用シーンなどのイメージも掴みやすい上によりリアルな意見を取り入れる事が出来ますす。
これは狙い通り、本当にやって良かったです。
・とにかく画力無さが影響しない方法を選んだ
■今更小手先のテクニックで画力をカバーしようとしても限界があるので、
ビジュアル以外で特色を出すように心がけた。
通常、LINEスタンプの構成要素は一番シンプルなものだと「伝えたい事×絵」と表現する事ができると思うのですが、ダジャレをテーマにした場合は「伝えたい事×ダジャレ×絵」という風に、要素を1つプラスする事になります。
ダジャレ自体は別に無くても成立するわけですが、これを入れる事によって「ネタが面白いかどうか」という評価ポイントを1つ増やす事ができ、画力の無さをカバーできると思ったのでテーマにしました。
単にダジャレが好きだからじゃないんですよ!
■描くのが遅く、クオリティも定まっていない中でイラスト40個はハードルが高い。
こだわるポイントを絞ってメリハリのある制作を心がけた。
画力が無いので、絵を描くのが遅くてヘタクソ。
正面から挑んで挫折しては全てが水の泡なので、いくつか基本形のポーズや顔をつくり、同じテイストを保ちながら派生させるような感じで数を増やしていく方法を選びました。
「ダジャレンジャー」の場合はあくまでメインはネタであることと、スカーフやブーツ、グローブ等特定のアイテムの色でレンジャー感自体は表現出来るので、一人一人の身体的特徴は最小限のアレンジにとどめました。
その代わり、前述のようにネタやベースとなるコンセプトには妥協はありません。
よく見ると仕上がりとしてはやっぱりイラストレーターじゃなくてデザイナーのスタンプじゃないでしょうか。
●申請~発売後にやった事
・Web上でタイムリーに告知
審査申請をしてから発売まで1ヶ月ちょっとくらい時間があったので、審査が始まったあたりから画像やネタを盗まれないように注意しながらもSNS等での告知を開始したのと、発売した時にサクッと出せるように、ブログ等でのリリース文(テキトーだったけど)を準備しておきました。
実際に発売したら、スピード感、頻度、タイミングを考慮しながら繰り返しの告知、ランキングの実況、ユーザーの使用例、感想の紹介等を行うことで露出を増やすようにしています。
これは認知度0の状態を1に持っていく意味では結構重要かなと思いました。
●わかった事
・コミュニケーションツールなので実際にコミュニケーションの中で使いながら作るのが一番
LINEのグループで実際にサンプル画像をポストしながら仕上げていったことは、絶対に成功の要因だったと思います。
コミュニケーションツールなので、コミュニケーションの中でテストしながら作るのって実はすごく自然ですよね。
私はイラストを描く事自体が苦手なのでかなり大変でしたし、作ったものに対するリアクションを確かめられなかったら、テンションを保てなくて挫折していた可能性も高いです。
振り返ってみると、ラインナップをちょっと違えていたら全然人気が出なかったりしたかもなと思います。
1人だとそういうことに気づけないと思うんですよ。
色々な理由で、1人でやるしか無い人も居ると思いますが、絵のレベルや作風にこだわる前にグループを作るのはすごくオススメです。
注意点としては「親しき仲にも礼儀有り」というようなことで、グループの目的やお礼をどうするか等のルールを初めにきちんと明文化しておくくらいですかね。
・ユーザーを増やしたいなら宣伝するよりも使いやすいor使いたくなるものを作るべき
どうせ作るなら、たくさんの人に使ってもらってコンセプトを共有したいですよね。
そう思ってWeb上での告知をたくさんしました。でも所詮は個人レベルの話ですし実際に知り合い以外の人にまで効果があったかどうかは正直分かりません。
意外でしたが、ランキング上位をキープ出来ているわりにはエゴサーチしてもSNS上ではそんなにウワサされていません(さびしい)。
現状はその辺の効果測定の術も無いのであくまで持論ですが、ユーザーを増やしたければ、シンプルにユーザーが使いやすいものあるいは使いたくなるものを作る以外の道は無いのではと思います。
スタンプが購入される導線の中に、LINE上でのやりとりの中で相手が使っているのを見たユーザーがその場で同じものを購入するというのがあります。私も人が使っているスタンプを見て欲しくなって買う事はあったのですが、そこがかなり太い導線になっているように肌で感じました。
「結局は人気者が作ったスタンプが人気」という見方をしている人も多いみたいですが、それは少し違いそうだなと。確かに作者のことが好きだから買うという人は居ると思うんですが、使いづらかったり使いたくならないものは初期に売れてもその先へ広がる事が無いからです。
その点、「ダジャレンジャー 第一章」は、グループメンバーの協力のおかげでかなり広がりのあるものがつくれたなと思っています。
●総括
実際にスタンプを構想から販売するところまでやってみて、大変だった制作過程も嬉しい結果も全部含めてすごく楽しめています!!!
もし全然上手くいかなかったとしても、最悪自作のスタンプを自分で使えるってだけでプライスレスなんですよね。
本当にクセになる楽しさだし、みんなにもっともっとダジャレを使って欲しいという欲も出てきました。
そろそろ「ダジャレンジャー 第二章」に向けて動きだそうかなと思っています。
お楽しみにー!