credit:wikipedia.org
日本には被写体の前後の領域をあえてぼかす”ボケ”という表現手法があります。
海外のカメラシーンに日本の”ボケ”が伝わったのは1990年代後半でその後一気に広まり、今では”ボケ(bokeh)”は国際語として定着しています。
”ボケ”に対する海外の写真家の反応です。
引用元:photo.net
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『何がボケの要なのか』
●ケンタッキー州、アメリカ
”ボケ”とは日本語で焦点が合っていない事を差し、ポートレイトの世界では非常に喜ばれるものとなっている。
みんなどんなレンズが良いボケを生むのかと語り合っている。
私は幾つかのレンズで何枚かの写真を撮り、何が良いボケを作り出すのか幾つかの点を発見した。
レンズは確かに多くの事をしてはいるが、キーになるのは写真の背景だ。
背景の色数が多く、コントラストがたくさんある程良いボケになる可能性が高い。
次がDOF(被写界深度)。
被写体に接近して被写界深度を短くすると素晴らしいボケになる。
太陽を背後、あるいは左右どちらかの45°以内に入れおくと良いボケが生み出せるだろう。
高いレンズでも安いレンズでも素晴らしいボケを撮れたから最高のものを得るために最高のものを用意しなくてはいけないと考える事はない。
●不明
レンズに関してだと開口絞りの形(丸なのか六角なのか)が役割を果たしてるな。
特にピントが外れてる部分のハイライトエリアで。
ボケについての考えを言うなら、ボケとは焦点のあってない場所の質の事であって背景の焦点が合っていない事ではないと思う。
高いレンズが嫌みの無い角の立ってないブラーになる事が多いのは偶然じゃないと思うね。
●不明
球面収差(wikipedia)だろ。
●不明
上で言ってるように絞った時に丸い形になる開口絞りだったら簡単にそういう効果が得られるけど、開口絞りの形が適してなくても素晴らしい結果を生み出すのもたくさん見てきたよ。
ハイライトが控えめな時は特にね。
もちろん絞りを開放すれば円になるしね。
●不明
ボケのデモに凄く良い写真を何枚か撮ったな。
ハチドリを絞りを開いて撮っ取ろうとした時のだ。
ハチドリは飛んでいってしまったけど(更に自分のトラブルで小枝の写真になってしまった)、ボケた部分はまるで絵の様に素晴らしかった。
今まで撮った中で最高のボケではないけどそれでも実に嬉しかったね。
●不明
ボケは普通写真の中の一部が”どの位ボケている”かを説明するのに使うんじゃなくてボケの見た目がどの位”良い感じ(pleasing)”なのかを説明するのに使われるものだね。
(まだ”ボケ”という言葉が出回る前、自分の師匠は”絵の中の焦点が合ってない部分の質”という言葉を頻繁に、且つ早口で言ってたからまるで1つの単語の様だった)
●不明
議論のためにあえて言うなら、我々は(カラフルな)花束を表現する時に”ブーケ”とフランス語を使ってる訳だけど、ボケはその日本語版みたいなものだな。
●不明
”bookie(賭け屋・呑み屋)”に対応する日本語はあるんだろうか?
●シカゴ、イリノイ州、アメリカ
”ボケ”と”selective focus”の具体的な違いって何なんだ?
●不明
ボケの良し悪しは見る人次第かな。
それから、レンズによってボケも変わってきて、それぞれ適した撮影スタイルがある事も発見した。
”荒っぽい”ボケはまるで絵画のような感じになるから自分にとっては植物の撮影に凄く良いんだけど、他の人はあまり気に入ってない。
35mmSUMMICRON(ライカ)は滑らかで焦点にある物体を魅力的に見せる柔らかな距離感を与えてくれる。
『Photo Techniques』の1999年や2000年の記事に素晴らしいサンプルがあったな。
●不明
ボケてる部分をハートや兎、木の形にするフィルターが個人的に好き。
●不明
自分は外周に突然(ボケの)明るい円が現われるんじゃなくて焦点外の光点が滑らかに泡のように広がっていく事に重点を置いているのが良いボケの特徴だと理解してる。
キーは、自分の理解してる範囲の話だけどその光の泡は六角形じゃなくて円形で滑らかである事、理想は中心部から縁に向かって輝度がゆっくり下がっていくもの。
これは焦点外のソースは光である必要があるという意味じゃなくてレンズが対象をそういう風に見せていくのが良い”ボケ”であるという事だね。
これだと焦点以外の場所に複数のイメージがあるんじゃなくて”クリーミー”な焦点外を作るようになる。
自分の理解しているところでは焦点部分の前後どちらかに良いボケを作れるのが良い(ボケを作る)レンズだという事。
前後両方にじゃなくて。
で、良いレンズというのは焦点の背後に良いボケを作れるもの。
前にボケを作るのは後ろにボケを作る程には気にされてないから。
自分の持ってる85mmf1.8は良いボケを作れてると思う。
●不明
ボケの全てを知りたいと思っている人達へ、ここに興味深くも無用な情報を提供しよう。
このbokehという言葉はみんなも知ってる通り日本語から来ている。
実際の言葉は”boke”で末尾についてるhは日本語だと音が違うから英語圏の為に付けられている事になる。
この言葉の意味はみんなの想像している通り”unclear”や”blurry”という意味がある。
しかし、面白い事に写真撮影的な意味で使われるよりも寝ぼけてる時や二日酔い、馬鹿げた物事やアルツハイマーによる痴呆等を差す時に使われる方が多い。
●サンフェルナンド・バレー、カリフォルニア州、アメリカ
ライカのFAQはシンプルであっさりしてるな。
”ボケとは写真中の焦点が合ってない部分、特に(写真に)欠けている心地よい視覚的な自然さを持っているもの”
●不明
OK、ボケの意味、歴史、派生等の定義は今までのコメントが良い仕事をしていたと思う。
で、投稿主は何がボケの要となるのかを聞いてるんだと思うんだ。
何が良いボケと悪いボケの違いとなるのか、レンズのデザインの何が良いボケと悪いボケを作り上げるのか?
絞りの羽根の枚数や形状だけじゃないはずだ。
それじゃ簡単すぎる。
自分はレンズ設計者じゃないからどうなのかは知らないけど、個人的にレンズのデザインが関係してるんだと思う。
自分は段違いな解像度を持った凄く良いレンズは良いボケを作らない事がある事に気付いた。
そういうレンズもあるんだろうけど。
●ケンタッキー州、アメリカ
ボケはポートレイトの中にスナップショットを入れるもの、と言えるんじゃないだろうか?
どう思う?
スナップショットを撮る時に望みの写真を得るために背景や光源も選択するのなら、同じようにセレクティブ・フォーカス・メソッドを使わない手はないはずだ。
背景の焦点をぼかす事に気付いていないカメラマンも多い。
写真は見た時に気付くものが全て被写体だ。
妻がそれに気付かせてくれた。
彼女は”素晴らしい写真ね”と言ってくれるが、私は何が素晴らしい写真にしているのかと聞いたら実際はよく知らないと答えてた。
ボケは被写体を強化してくれるんだ。
ボケがあると写真の中の他の部分に目移りしなくなる。
写真を見た人も撮った人の眼に何が美しく映ったのか知れるというわけだ。
●不明
素晴らしいボケを作れるレンズを2つ持ってる。
ヘクターの125mmf2.5とSummaritの50mmf1.5。
左右対称で5枚羽根よりも6枚羽根の方が良いボケを作れるね。
●不明
>しかし、面白い事に写真撮影的な意味で使われるよりも寝ぼけてる時や二日酔い、間抜けな物事やアルツハイマーによる痴呆等を差す時に使われる方が多い。
馬鹿という意味もあるな。
”良いボケが作れるからってライカのNOCTILUXに5000ドルも出すなんて俺はとんだ大馬鹿だ”
●不明
この言葉は映画屋が1930年代には使い理解してた言葉、アウトオブフォーカスメソッドを写真家が発見しただけなんだよな。
スチール写真家は60年かかった訳だ。
満足のいく焦点の外し方は焦点にいない他の俳優も見えるしこの手法は俳優と競合する事も無い。
これは1930年代には一般的だったと思う。
2人の会話してる俳優の間で焦点を前後させるんだ。
Aが話してる時にはAに焦点を、Bが話してる時にはBに焦点を当てる。
1時間辺りにかかる金額はフィルムの方が写真よりも圧倒的に多い。
焦点をぼかす手法はラブシーンやホラー映画でもよく使われてたね。
このボケという言葉はアナログフィルムが戻ってきたような感じだ。
●不明
レンズで作るボケの他にソフトウェアでも素晴らしいボケが作られるね。
高価なレンズを使ったような素晴らしい結果が得られる。
良いボケを作る能力があるのはレンズだけじゃなくてソフトウェアにもあると思う。
コンパクトカメラで撮ったフラットな写真でもソフトウェアの助けがあれば素晴らしいボケを作り出せる。
●不明
自分はボケという言葉が嫌いだしこれ見よがしに使った事も無い。
ほとんどの人間がボケという言葉の意味を知らずに単に”焦点の外のハイライト”として使ってるんじゃないのか。
●不明
まずは絞りの形、それからカメラの使い方で決まるな。
被写界深度を理解してちゃんと使えていればボケは何時でも上手くいくし、絞りを開放した方が良いボケになる。
自分のキヤノンFD50mmf1.4は素晴らしいボケを作れるよ。
色んなレンズでボケを作れるけど、後は良さの程度だな。
●アメリカ
なんでみんな(50年前に)”circles of confusion”と呼ばれていたものについて議論しているんだ。
どうやら我々は未だに混乱(confused)しているようだな。
※circles of confusionとは像を結ぶ時にレンズからくる光が焦点と合わずに光点となるもの
●不明
みんなcircles of confusionを走りまくりだな。
ボケに関する決定的な英文の記事は『Photo Techniques magazine』1997年の5/6月号に載ったものだ。
記事はこれ。
『What is 'Bokeh'』 John Kennerdell
『Notes on the Terminology of Bokeh』Oren Grad
『A Technical View of Bokeh』Harold M. Merklinger
Photo Techniquesの編集者はMike Johnston。
彼は魅力的な写真のサンプルが載ったコラムを書いている。
雑誌の中で色んなレンズを使ったテストもしてたね。
彼の好みは強烈だったから客観的な説明が出来るテストでは無かったけど。
●不明
ボケの良し悪しはピントが合ってない部分が良い感じに見えるようになるビールの数で測るようにしてる。
絞りを開いたライカやカールツァイスのレンズで撮った写真のピントが合ってない部分はビール5~6杯位で絞りを絞ったf5.6の写真と同じように見えてくるかな。
昔から使われてきた表現手段ではありますが日本からこの言葉が持ち込まれたのは割と新しめなものの海外にはぴったり表現する言葉が無かったせいか一気に広まった模様。
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