プロダクトデザインによるファシリテーション
今日も和紙の産地をウロウロ.
色々と提案をしますが、「面白そう」とスグに乗ってくるところと「どうしよう?」とスグに腕組みをするところと大きく分かれます.ただ、構造的に沈んできているので、色々と率先して工夫しているところですら「暗くなる」そうです.
デザイナーなのでデザインで産地のお手伝いをしているのですが、気をつけているのは「あまりデザインをしすぎない」こと.
これはスタイリングを考えないということではなく、伝統工芸の現場では本来は職人が主役なので、彼らが色々と工夫を凝らすしてデザインしていく環境を整えられないかということです.
単に「良いデザイン」を提供していくだけでは、いわばデザインが麻薬の様な作用になってしまい、デザイナーがいなくなった途端に元の木阿弥(か、それ以下)になってしまいます.
職人と一緒に考えてつくることにより、かれらが自分のデザインをつくるという事に積極的になり、デザイナーがいなくなってもどんどんと新しいものを生み出す環境を作れないかともくろんでいます.
そういう、いわば「プロダクトデザインによるファシリテーション」(言葉はかなり曲解して使っているのは自覚してます、、、)が今回の狙いです.
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コメント
はじめて書き込みさせていただきます。
三宅一生は各地の伝統産業のテキスタイルを積極的に取り入れられました。
丹後のおっちゃんが 一生の感覚が分かるわけは無いな ̄ ̄
といいいつつ担当は仕事をしていました。
デザインする側の スタンスによって 関わり方は本当に変りますよね、
投稿: mogu | 2007.07.07 08:28
デザイナーが良きデザインを提供され、職人も良きモノづくりで応える、このような関係のコラボ事例は山のようにあります。
もう一歩踏み込み職人自身が保有する技能や智恵を駆使し新たな領域を創造していくような未開発のポテンシャルを導かれる高い見識と目利きを持たれるデザイナーはほんとに少ないですね。
投稿: 衣笠山のポパイ | 2007.07.07 10:35
>moguさん
三宅一生さんの仕事のやり方は解りませんが、彼もスタッフとの共同作業は上手そうなので、かかわり方によっては面白くなるでしょうね.
> 衣笠山のポパイさん
原因としては奥山清行さんも仰ってましたが、デザイナーが現場へ入り込めていないからでだと思います.私もこの和紙の産地は3年目で、ようやく様子が掴めてきたところです.
結果が出る前に諦めざるを得ない状況になってしまうのが、問題だと思います.
元京都市産業技術研究所の佐藤さんにも同様の事を言われたことがあります.
投稿: ホジヲ | 2007.07.07 20:19