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先週「毎日新聞」をYahooで検索すると「検索のヒント」がこうなっていた。

毎日新聞 侮辱記事/毎日新聞 廃業/毎日新聞 英語版/毎日新聞 まとめ/毎日新聞 反日/毎日新聞 英語版 侮辱/毎日新聞 低俗/毎日新聞 悪行/毎日新聞 侮辱/信濃毎日新聞

最後の1件以外すべて「変態コラム」関連のキーワードで思わず笑ってしまった。毎日jpサイトを見ると現在(7/25)も自社広告だけ。有料広告はまったく目につかない。

事件の経過は「まとめサイト」に詳しいが、要は、英文毎日でライアン・コネルというオーストラリア人の社員記者が「六本木のクラブでは日本人の弁護士が豚を獣姦してから食っている」などという下劣卑猥な記事を7年も掲載してきたことが原因である。

これが5月下旬からインターネットで批判され始めたようだ。6月に入って2chにスレッドが立ってもしばらくは毎日新聞はほおかむりを続けたが、火の手が収まらないためコラムを閉鎖、記者と上司を処分する。しかし処分された上司の一人、デジタルメディアの責任者が社長に就任、さらに「誹謗する相手は訴える」という意味の声明を発表―と、考えられるかぎり最悪の対応をする。以後、火の手はインターネットからじわじわとメインストリーム・メディアにまで広がってゆく。

毎日の変態コラムに弁解の余地はない。素性不明の雑誌のエロ・グロ記事を「毎日」の名前を冠してメディアで興味本位にまるごと引用すること自体「記事ローンダリング」であり、不見識きわまりない。しかし引用と称してねつ造を常習していたのだから、問題はジャーナリズム倫理上、最悪の犯罪だ。ニューヨークタイムズではねつ造記事を乱発した記者が懲戒解雇されただけでなく、ハウエル・レインズ 編集主幹とジェラルド・ボイド編集局長が辞任している。ところが毎日は責任者が社長に昇格しているのだから…

J-CASTが大手メディア系サイトとしては初めてとりあげる。(6/20)

日経BPが、スポンサー離れの動きを報じる(7/8)

西村博之のコメント

ただ、社会がネットに足を突っ込んでしまった以上、ネット上の出来事が、社会に影響を与える出来事になってしまっているのですね。

現在、2chをはじめとするインターネットを「暴徒だ、右翼だ、無知な大衆が生意気だ」と罵倒する評論家が何人か現れている。本人は援軍のつもりかもしれないが、こういう燃料の投下は炎上を長引かせるだけだから毎日としては迷惑なことだろうアップデート:毎日自身の意見と判明。

アメリカでブログがメディアとして認知され始めたのはトレント・ロット事件がきっかけだった。2002年に共和党のトレント・ロット上院議員が共和党保守派の長老、ストローム・サーモンド上院議員の誕生パーティーで「あなたが大統領になっていたらアメリカはもっとよくなっていただろう」と挨拶した。ところが、サーモンド上院議員は1948年の大統領戦に出たときに人種差別の維持を公約のひとつに掲げていた。

政治ブログが発言を報じたことでロット議員に対して「差別を擁護した」として非難の声が上がり、上院院内総務の辞任に追い込まれる。ところが、誕生パーティーにはたくさんの報道関係者が出席していたのに、誰もこの発言を報道しなかったことが明らかになった。これ以後、メインストリーム・メデイアの「内輪意識」が大きな問題として認識されるようになる。

このままずるずると泥沼を引きずれば毎日新聞は先進国のメインストリーム・メディアがインターネットによって経営に壊滅的な(かつ恥さらしな)打撃を受けた最初で(もしかすると最大の)例になりかねない。

毎日新聞はそれでなくても経営が薄氷を踏むような状態にある。しかし事態の収拾の方法―やる気になりさえすれば即座に実行可能な―はまだひとつだけある。社長の辞任だ。

毎日新聞には、ゴッドハンドこと藤村新一の旧石器偽造を暴くという日本の考古学全体を救う偉大な功績がある。ここで一から出直してデジタルメディアへの取り組むモデルとなることを期待したい。

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