「萩原修さんの活動拠点、見てきました。」12月午後授業レポート08
しののいまちの教室スタッフの平嶋です。
全12回にわたって、11月午前授業12月午後授業のテーマとなっている「場の継続」について、レポートをしていく第8回目。
今回のレポートは、活動の拠点に行ってみて感じたことなどを中心に、書いていきたいと思います。
先日12月4日、スタッフは、講師である萩原さんの活動の拠点を見て確かめるため、東京の「にしがわ」へと向かいました。
まず私たちが向かったのは、「紙とデザインを通じて人が出会う場 西荻紙店」
お店にはいると、なんと萩原修さんの姿が。はじめましてのスタッフも、お久しぶりですのスタッフも、萩原さんにご挨拶。偶然にも、直接講師の方にお会いすることができたのでした。
店内には、西荻紙店、つくし文具店、ペプ、かみの工作所などから集められた商品がずらり。紙とデザインがテーマなだけあって、どこをみても、紙。あれも紙、これも紙。ぜんぶ、紙からできているもの。そして、紙からできているなんて考えられないもの。
(空気の器)
(フセン)
(かみめがね)
シンプルに、ただの紙を集めたお店といってしまえばそこまでですが、そうは言わせないものばかり。
西荻紙店オリジナルのボーダーシールにしてもコースターにしても、ペナントにしてもデザインにこだわりがあり、使う人がずっと使える、もっと使いたくなる工夫が隅までされています。商品を手にとれば、こんなにすごいものを誰が考えたのだろう、と商品の裏側にある製作者や技術に思いをはせることもしばしば。
萩原さんやスタッフの方から商品一つ一つの話をきいていると、スタッフからある質問が。
「西荻紙店も国立本店も紙に関わることだと思うんですけど、紙とかに強く惹かれてるんですか?」
「いや、とくに紙にこだわってるわけではないよ。」さらっと即答の萩原さん。
なんですと。紙が好きで、紙に興味をもっているから、西荻紙店では「紙」を扱っているんじゃないんですか。ではなぜこのお店を・・・と考えている間に萩原さんは次の用事へ。この疑問は授業までとっておくことに。
次に向かったのは、国立にある「デザインや文具で集まる、ゆるやかな交流の場 つくし文具店」
駅から離れて国立の街を歩き、坂をあがると赤いポストが。
青地に白い文字で、「つ」と書かれたお店の中へ。今日の日直であるうたさんが出迎えてくれました。
中に入ると、西荻紙店で一つ一つ紹介してもらった商品が、西荻紙店とは違ったレイアウトで並んでいました。さっき西荻紙店で説明を受けているだけあって、初めて会った気がしない文具たち。どれも、丁寧にデザインされていて、そこまでこだわるか!と思ってしまう商品ばかりでした。基本的には、店主がほしいものと、作家さんであるドリルデザインさんが作りたいものだけしか作らないそう。その言葉を聞いて、そんなやり方もあるのかと新鮮な気持ちでした。利益は求めない。ただ、作りたいものをつくる。そうしたスタイルが、また人を呼ぶのだろうと思います。
つくし文具店では、ワークショップも開催しているらしく、今日ははんこづくりのワークショップが開かれていました。
「これは作らねば!」ということで、授業とともにつくることになったポップアップストア「ten」のロゴはんこを急遽そこで作ることに。
なかなかいい感じです。
街のひとが支える文具店。街に開かれた文具店。
日直がかわると、同じ商品の紹介も変わってくるし、出会いも種類を増していきます。
狭い空間からうまれるゆるやかなつながり。まちづくりをしたいと思う方や、人と人とのつながりに興味のある方にとっては、理想のお店のカタチなのかもしれないなと思いました。
今日の最終目的地、国立本店「本と人が交差する、街の断片を集める場所」へ行きました。
もうすっかり日が落ちてしまった外からは、店内の光がとてもあたたかく見えました。
なかを外からみると、ちびっこたちがわいわい。お母さんたちもわいわい。
聞いてみると、今日はクリスマスリースをつくるワークショップがあったそう。壁には、国立の地図が貼ってあり、反対側の棚には、本が。
本は街のひとが持ってきた、おすすめの本。よく見ると、それぞれの本棚にはテーマがあって、「何度も読み返したくなる本」「地味な本」「旅と暮らしとまちを考える本」と持ってきた人自身がタイトルを決めるようになっています。国立本店を訪れた人は、その人に共感し、その人がどんな人か想像し、同じ本を読んでる!という嬉しさを感じることができると思います。
中にはいますぐにでも買いたくなる本が見つかったりして、ここでは販売していないことをすこし残念に思ったりも。でも、会ったこともない人が読んだ本と、自分が読んだ本が一致するだけで、何かその人とつながったような気分になれるのは不思議な感じがしました。
萩原さんの活動の拠点を見てまわって思うことは、それぞれのお店が「人」と「何か」を出会わせてくれる場所になっているということです。それは、「人」と「人」であるかもしれないし、「人」と「紙」、「人」と「文具」、もしかしたらもっと大きな「人」と「街」であるかもしれません。
そんな工夫やしかけがちりばめられた場所たちが、西荻紙店でありつくし文具店であり、国立本店なのだと思います。
それぞれのお店が街に溶けこんで、地域と人とじっくりじんわり関係を築いている印象をうけました。
写真だけではわからない、ホームページを見ただけではわからないお店の雰囲気を知れたことは大きかったように思います。萩原さんが何をここでしているのか、なぜすることになったのか、なんでここじゃなければいけなかったのか。そんなことを考えるスタートラインにやっと立てたような気がしました。もっともっと萩原修さんの中身を知りたい、と思わずにはいられない感じです。
でも、私たちがいくら、「なんで萩原さんはこんな活動をしてるんだろう」と考えたところで、「べつに、たいしたことじゃないけどね」とあしらわれちゃうのかもなあと想像して、ますます授業が楽しみなってくるのでした。
***
しののい まちの教室 「プロジェクトから場所を考える」
開催日時:2013年12月21日(土)14:00〜
(開場13:30、授業は2時間程度を予定しています)
講師:萩原修(デザインディレクター)
募集人数:35名(要予約)
参加費:1000円
会場:旧マルショウ衣料店(〒388-8007 長野県長野市篠ノ井布施高田706)
※ 授業内容は予告なく変更される場合がございます。
※準備の様子はFacebookイベントページでもお伝えしています!
>>>お申し込みはこちらから
全12回にわたって、11月午前授業12月午後授業のテーマとなっている「場の継続」について、レポートをしていく第8回目。
今回のレポートは、活動の拠点に行ってみて感じたことなどを中心に、書いていきたいと思います。
先日12月4日、スタッフは、講師である萩原さんの活動の拠点を見て確かめるため、東京の「にしがわ」へと向かいました。
まず私たちが向かったのは、「紙とデザインを通じて人が出会う場 西荻紙店」
お店にはいると、なんと萩原修さんの姿が。はじめましてのスタッフも、お久しぶりですのスタッフも、萩原さんにご挨拶。偶然にも、直接講師の方にお会いすることができたのでした。
店内には、西荻紙店、つくし文具店、ペプ、かみの工作所などから集められた商品がずらり。紙とデザインがテーマなだけあって、どこをみても、紙。あれも紙、これも紙。ぜんぶ、紙からできているもの。そして、紙からできているなんて考えられないもの。
(空気の器)
(フセン)
(かみめがね)
シンプルに、ただの紙を集めたお店といってしまえばそこまでですが、そうは言わせないものばかり。
西荻紙店オリジナルのボーダーシールにしてもコースターにしても、ペナントにしてもデザインにこだわりがあり、使う人がずっと使える、もっと使いたくなる工夫が隅までされています。商品を手にとれば、こんなにすごいものを誰が考えたのだろう、と商品の裏側にある製作者や技術に思いをはせることもしばしば。
萩原さんやスタッフの方から商品一つ一つの話をきいていると、スタッフからある質問が。
「西荻紙店も国立本店も紙に関わることだと思うんですけど、紙とかに強く惹かれてるんですか?」
「いや、とくに紙にこだわってるわけではないよ。」さらっと即答の萩原さん。
なんですと。紙が好きで、紙に興味をもっているから、西荻紙店では「紙」を扱っているんじゃないんですか。ではなぜこのお店を・・・と考えている間に萩原さんは次の用事へ。この疑問は授業までとっておくことに。
次に向かったのは、国立にある「デザインや文具で集まる、ゆるやかな交流の場 つくし文具店」
駅から離れて国立の街を歩き、坂をあがると赤いポストが。
青地に白い文字で、「つ」と書かれたお店の中へ。今日の日直であるうたさんが出迎えてくれました。
中に入ると、西荻紙店で一つ一つ紹介してもらった商品が、西荻紙店とは違ったレイアウトで並んでいました。さっき西荻紙店で説明を受けているだけあって、初めて会った気がしない文具たち。どれも、丁寧にデザインされていて、そこまでこだわるか!と思ってしまう商品ばかりでした。基本的には、店主がほしいものと、作家さんであるドリルデザインさんが作りたいものだけしか作らないそう。その言葉を聞いて、そんなやり方もあるのかと新鮮な気持ちでした。利益は求めない。ただ、作りたいものをつくる。そうしたスタイルが、また人を呼ぶのだろうと思います。
つくし文具店では、ワークショップも開催しているらしく、今日ははんこづくりのワークショップが開かれていました。
「これは作らねば!」ということで、授業とともにつくることになったポップアップストア「ten」のロゴはんこを急遽そこで作ることに。
なかなかいい感じです。
街のひとが支える文具店。街に開かれた文具店。
日直がかわると、同じ商品の紹介も変わってくるし、出会いも種類を増していきます。
狭い空間からうまれるゆるやかなつながり。まちづくりをしたいと思う方や、人と人とのつながりに興味のある方にとっては、理想のお店のカタチなのかもしれないなと思いました。
今日の最終目的地、国立本店「本と人が交差する、街の断片を集める場所」へ行きました。
もうすっかり日が落ちてしまった外からは、店内の光がとてもあたたかく見えました。
なかを外からみると、ちびっこたちがわいわい。お母さんたちもわいわい。
聞いてみると、今日はクリスマスリースをつくるワークショップがあったそう。壁には、国立の地図が貼ってあり、反対側の棚には、本が。
本は街のひとが持ってきた、おすすめの本。よく見ると、それぞれの本棚にはテーマがあって、「何度も読み返したくなる本」「地味な本」「旅と暮らしとまちを考える本」と持ってきた人自身がタイトルを決めるようになっています。国立本店を訪れた人は、その人に共感し、その人がどんな人か想像し、同じ本を読んでる!という嬉しさを感じることができると思います。
中にはいますぐにでも買いたくなる本が見つかったりして、ここでは販売していないことをすこし残念に思ったりも。でも、会ったこともない人が読んだ本と、自分が読んだ本が一致するだけで、何かその人とつながったような気分になれるのは不思議な感じがしました。
萩原さんの活動の拠点を見てまわって思うことは、それぞれのお店が「人」と「何か」を出会わせてくれる場所になっているということです。それは、「人」と「人」であるかもしれないし、「人」と「紙」、「人」と「文具」、もしかしたらもっと大きな「人」と「街」であるかもしれません。
そんな工夫やしかけがちりばめられた場所たちが、西荻紙店でありつくし文具店であり、国立本店なのだと思います。
それぞれのお店が街に溶けこんで、地域と人とじっくりじんわり関係を築いている印象をうけました。
写真だけではわからない、ホームページを見ただけではわからないお店の雰囲気を知れたことは大きかったように思います。萩原さんが何をここでしているのか、なぜすることになったのか、なんでここじゃなければいけなかったのか。そんなことを考えるスタートラインにやっと立てたような気がしました。もっともっと萩原修さんの中身を知りたい、と思わずにはいられない感じです。
でも、私たちがいくら、「なんで萩原さんはこんな活動をしてるんだろう」と考えたところで、「べつに、たいしたことじゃないけどね」とあしらわれちゃうのかもなあと想像して、ますます授業が楽しみなってくるのでした。
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しののい まちの教室 「プロジェクトから場所を考える」
開催日時:2013年12月21日(土)14:00〜
(開場13:30、授業は2時間程度を予定しています)
講師:萩原修(デザインディレクター)
募集人数:35名(要予約)
参加費:1000円
会場:旧マルショウ衣料店(〒388-8007 長野県長野市篠ノ井布施高田706)
※ 授業内容は予告なく変更される場合がございます。
※準備の様子はFacebookイベントページでもお伝えしています!
>>>お申し込みはこちらから
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