2009/10/12

「問題」を解決するためのフレームワーク、覚え書き

打ち合わせの中で「トラブル/不具合/問題」(以下まとめて「問題」とする)のフレームワークについて触れた箇所があって、あらためてなるほどと思うところがあったので覚え書き。

「問題」の発生は:

  1. なんらかの「トリガ」により「正常」な状態から「異常」な状態への遷移が起こる
    ex). プリンタドライバのバージョン違い
  2. 「異常」な状態から「事象」が生じる
    ex). 両面印刷ができない, Nアップが無効になる …… etc.
  3. 「事象」が観察されることで、トラブル/不具合/問題として認識される
    ex). 「あれ? 両面印刷が出ないな? こりゃおかしいぞ、ちょっと直してくれよ」

上記のような経過を経る。ここで「事象」と呼ばれているものが、一般に「問題」と呼ばれているものだと思う。

従って:

  • 一つの「異常」から、複数の「事象」が生じることもある
    → ひとつの「異常」を潰すコトで複数の「問題」を解決できるコトがある (「事象」に捕らわれていると、これができない)
  • 「正常」な状態を知らない(=定義できない)と「異常」を捉えるコトができない
  • 「異常」を特定できない限り「問題」は解決しない
  • 恒久対策(再発防止措置)は:
    • 「正常」から「異常」への遷移を引き起こす「トリガ」を失くす
      (王道)
    • 「事象」が観察される前に「異常」を検知し「正常」な状態に戻す仕組みを作る
      (「トリガ」を特定できない, あるいは潰せない場合)
    この二つのいずれかになる。(単に「異常」な状態を「正常」に戻しても再発防止にはならない)

問題解決のカギは「異常」を特定「正常」から「異常」への遷移をなくすコトである、とまとめられる。

「異常」な状態を特定することができるのは、その分野の「専門家」だけである。(ネットワークに生じた「異常」を正しく定義できるのは、ネットワー クの「専門家」だけである)

従って、自力で「異常」を特定できない場合には、早々にそれができる「専門家」へ依頼するべき。時間を費やせば費やすほど正解から遠ざかり、時間 を浪費するだけになる。

「異常」を正しく特定できれば、「正常」な状態から「異常」な状態へ遷移した原因(トリガ)を調べることや、それを踏まえての再発防止を行うことは 「専門家」でなくても可能な場合がある。逆に「専門家」の領域から離れた方が再発防止がたやすい場合も少なくない。

なぜならば「トリガ」はしばしば「専門家」の領域から離れたところに生じるからである。(上の事例でいえば「プリンタドライバのバージョン違い」 は、勝手にバージョンを上げた, 逆にバージョンを上げなければならないのに周知されていなかった, オペレーションが分からない……等々、明確に「素人」の領域にある)

言い換えれば「異常」な状態を特定するスキルと、再発防止措置を検討/実行するスキルは明確に異なる。

blog comments powered by Disqus