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本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

2025年
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます

幸多き一年となりますように!
[ 2025/01/11 12:35 ] 未分類 | TB(0) | CM(-)

よいお年を!

2024年も残すところあとわずかとなりました。
寒い日が続いていますが、どうぞお健やかに新しい年をお迎えください。

今年もありがとうございました。

よいお年となりますように!
[ 2024/12/25 17:06 ] 未分類 | TB(0) | CM(-)

夢~ユング㉖~

現実生活(意識)での態度に偏りがあると、夢(無意識)はその偏りを是正するために現れる(夢の補償作用)と、ユングは言いました。

前回は社会的成功にばかり傾いていた人の夢について書きましたが、ユング自身の夢も紹介されています。

「私は午後の陽の光を浴びながら、谷沿いの高速道路に沿って歩いていた。右手には険しい丘があり、その頂上に城があった。そのいちばん高い塔の上で一人の婦人が手すりに腰かけていた。彼女をきちんと見るためには、私は頭をずっと後ろにそらさねばならなかった。首の後ろがかくんとなって、私は目が覚めた」 (出典『ユング自伝1(C.Gユング、みすず書房))』)

このころユングは、ある女性の夢分析を行っていましたが、行き詰まりを感じ、分析がうまくいっていないことをこの人に話そうと決めていました。
そして、その人に会う前の晩に見た夢が、これです。

この夢から覚めて、ユングは、自分がこの人を見下していたことに気づきます。
現実でこの人を見下しているから、その逆、見上げるという夢になったのだと。

そして、この夢について話し合うことで、分析の行き詰まりは解消し先に進むことができたのでした。

現実生活で自分に足りていない部分にスポットを当ててくれる夢…そんなふうにとらえてみると、昨夜見た夢の意味がみえてくるかもしれませんね。

(次回に続きます)
[ 2024/11/14 07:12 ] | TB(0) | CM(-)

夢~ユング㉕~

フロイトは「何故その夢を見たのか」「その夢の原因は何か」と考えました(因果的・過去志向的)が、ユングは「どんな目的があってその夢を見たのか」「その夢の目的は何か」と考えました(目的的・未来志向的)。

ユングは、ある成功した男の見た2つの夢を紹介しています。
この人は、貧しい農家の出で努力を重ね社会的に成功してお金と地位を得ていますが、不安、危険だという感覚、めまい、吐き気、頭重感、息苦しさという症状を抱えています。

この人が見た1つ目の夢は次のようなものです。

「私は自分が生まれた小さな村に帰ってきている。同じ学校に通っていた農家の子どもたちが何人か並んで通りに立っているが、私は彼らのことを知らないかのようにして通り過ぎる。すると彼らの1人が私を指差して、「あいつもあまりおれらの村に帰ってこないな」と言っているのが聞こえる」(出典『ユング夢分析論(C.Gユング、みすず書房)』)

そしてもう1つの夢は、列車が脱線して大惨事になる夢でした。

ユングはこう言います。
「彼は自分が成し遂げたことで満足するべきなのにそうすることなく、野心が彼にとっては空気が薄すぎるところまで、さらに上へと彼を登らせ続けているのです。そんなところでは、彼は適応できません。だからこそ警告を行う神経症が彼のもとへとやってきているのです」(出典同上)

そして、2つの夢は、この人に、社会的成功を偏重しそのためにエネルギーを使い過ぎている偏った生き方をこのまま続けていては危ないぞ、と伝えるために来ているのだ、と考えたのです。

「心とは自己調整を行うシステムであり、体という生がそうするのと同じようにしてバランスをとっています。行き過ぎた過程に対しては、それが何であれ直ちに、そして確実に補償が始まります。この補償を抜きにしては、正常な新陳代謝も心もありえません」(出典同上)

ユングの言う「補償」というのは、欠けている部分を補うこと、偏ってエネルギーを注いているのとは別の部分にもエネルギーを注ぐよう働きかけること、バランスを取り戻そうとすること、を言います。

そして、夢の大きな目的がこの「補償」である、というのがユングの考え方です。

(次回に続きます)
[ 2024/07/24 14:15 ] | TB(0) | CM(-)

夢~ユング㉔~

フロイトは夢を解釈するために「自由連想法」を用いましたが、ユングはその他に「拡充法」という方法を使いました。

拡充法は、夢に出てきたものから思い浮かぶことを、ブレーンストーミングのようにいくつも挙げていくやり方です。

自由連想法と似ているようですが違うのは、自由連想法が深く狭くイメージを掘っていくのに対して、拡充法ではイメージをどんどん拡げ膨らませていくところです。

例えば、夢に出てきたAというものについて、

自由連想法では、
Aから思い浮かぶのはB→Bから思い浮かぶのはC→Cから思い浮かぶのはD→Dから思い浮かぶのはE→Eから…というふうに連想をしていきますが、

拡充法では、
Aから思い浮かぶのはB→Aから思い浮かぶのはF→Aから思い浮かぶのはG→Aから思い浮かぶのはH→Aから…というように、Aについてのイメージをひたすら挙げていきます。

フロイトは夢を無意識の願望充足として捉え、ありのままでは意識が受け入れられない願望を意識が受け入れやすい形に歪曲して夢が作られているという考えのもと、歪曲される前の無意識の願望は何なのかを探ることを重視したので、自由連想法を重宝しました。自由連想法は、A→B→C→D→E→と直線的にイメージを掘り進める方法なので、もともと根っこにあるもの(無意識の願望)を突き止めるのに適していたのです。

ユングも、夢が個人的無意識から来ているものである場合には、夢の個人的な文脈をはっきりさせるために自由連想法を使いましたが、夢が集合無意識(普遍的無意識)から来ているもののときには拡充法を使いました。
ユングにとって夢は夢そのものであって(夢の歪曲化の否定)、夢の隠された意味よりも、夢という体験の夢を見た人への影響力を重視しました。拡充法によって夢のイメージをいろいろに味わうこと、夢を懐の中で温め夢にしっかり向き合うことで、夢(無意識)と意識の統合を図り、個性化(自己実現)を目指したのです。
ユングは次のようにも言っています。
「自由連想はコンプレックスへと導く。しかし、私が知りたいのは夢がコンプレックスに対して何を言おうとしているのかということであって、何がコンプレックスかを知りたいのではない」

また、フロイトの自由連想法では基本的に夢を見た人が一人で連想していくのに対し、ユングの拡充法では、夢を見た人が連想に詰まった時には、セラピストも神話や物語などの知識をもとに連想したイメージを夢を見た人に伝えます。
フロイトよりも夢を見た人とセラピストの共同作業という面が強くなっています。これも、夢を見た人が夢をしっかりと体験する一助となります。

(次回に続きます)
[ 2024/04/25 13:15 ] | TB(0) | CM(-)
プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(公認心理師・坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(公認心理師・坂田和代)
メンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。



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