フランスで山歩き

仏リヨン在住、40歳を過ぎて再び山に目覚めた元ワンゲル部員。週末になるといそいそと山に出かけています。

大学生の次男と雪山散策

久し振りに次男とふたりで雪山をお散歩したときのお話です。
山スキーも出来る次男ですが、自分のスキーを持っていません。今まで何度か一緒にやったときは、人に借りたりレンタルしたりだったのですが、次男「借りるのも面倒くさいからスノーシューでいい」と言います。
それなら、わたしも久しぶりにスノーシューもいいか、と探したら見つかりません😱
そうだ、山友Cさんちに置いたままにしていたのでした_| ̄|○


目的地は、歩きやすくて景色のよいところをチョイス。
ただ、行くまでの道路が隣は崖だわ、すれ違えない場所が多いわで、だいぶ怖いんですよね💦 次男に運転してもらいました。


1車線しかなくて電気もなくて、しかもカーブしてるから先が見えないトンネルがふたつあります🤣 この道路が嫌過ぎて、ここに来られないという人もいると聞きます。


標高約1600mのヴィラ―ル・ノートルダム村に着きました。
冬はここで行き止まりなのですが、標高が大体同じくらいの別の村へと繋がっている除雪はされない未舗装路がこの先も続いています。
登山靴に履き替え中の次男が「あれ~~っ!?」と声を上げました。


荷物を準備したのはわたしなんですけど、長男の登山靴と一緒の袋に入っていて、間違えてひとつづつ持ってきていました🤣
次男も履き終わってからようやく「あれ?片方だけきついな(長男の方が靴のサイズが小さい)?」と気付いたんだそうです。
でもまぁ半日の軽いハイキングくらいなら問題ない、と出発しました。


まずは、目的地とは少し違う方向にあるきれいなスポットまで登ってきました。
この写真、お日様が低くて、影が長いのが気に入っています。


まだ30分も歩いていないけど、おやつ休憩です。
次男はわたしみたいに「獲得標高がどうのこうの」とかガツついてないので😂、楽しくゆっくり歩こうと決めています。
わたし製バナナ、デーツ、胡桃ケーキとバナナ(被った・・・)とオレンジ、コーヒーです。


さて、頂上目指して登り始めました。


最後の積雪から数日経っていたので頂上へのトレースもありました。
ちなみに、左側の山にはここからは登れなくて、右手の稜線上にあるもっと低い山頂を目指しています。


途中の森の一部には、ライチョウの仲間であるテトラ・リールの生息地なので通り抜け禁止との旗が掛けられているところがあります。
これはオスの絵で、黒いニワトリみたいなんですけど、メスは茶色でほっそりとしてい夏のライチョウにそっくりです。たしか冬も羽毛の色は白に変わらなかったように思います。
この鳥さんたちはプチ冬眠をするんですが、時々起きてきて、また数日とか数週間とか寝るそうです。


前を歩くスキーヤーさん達に追いつきました。
左の方は、この山で既に2,3回であったことがある方でした。麓の村に住んでおられて1年じゅう、ほとんど毎日ここに登って来られるんです。隣の方は近くの町に住むお友達で、先を行くもう一人のお友達も併せて3人で登っておられました。ここでしばらく、後に頂上でもお話をしました。この日初めてお歳を聞いたのですが、なんと77歳なんだそうです✨


頂上に着きました。
稜線の少し下に3人組が見えています。
わたし達はピクニックをしていくけど3人はすぐに下りられるとのことでした。


無風でポカポカと暖かく、気持ちの良い日でラッキーでした。
岩とかなかったので、スキーをテーブル代わりにしてザックに座りました。


アマノフーズのフリーズドライお味噌汁、サラミ、塊肉のようなものは実は生ハムでどちらも行きつけのお肉屋さんの手作りです。抜かりなくコルニッション(甘味のないピクルス)も持ってきました🎵


よく自転車やスキーの補給食に食べている台湾製の餅をデザートに。


下りていき中。


とってもよい雪でした。
上の方に次男が写っています。
スノーシューは下りるのに時間がかかるので、時々待ちました。


帰りの道路で、迷子の羊さんが一匹・・・
この辺りは夏には放牧をしているけれど、最寄りの農家は結構離れています。
まさか、放牧が終わった秋からずっと迷子なの?放牧の羊や牛は耳に持ち主などの情報の番号が入ったプレートを付けているので、写真に撮ろうとしたけど逃げられました・・・


気温が上がって氷柱が地面にいっぱい落ちています。


氷だらけ(;^_^A


道路から見た真下の景色。お山の影に入っています。
最後の積雪から数日経っているというのに、降りたてのような光景・・・冬は1日中日陰なんでしょうね🥶🥶🥶


お天気が良くて暖かい中、久し振りに次男との雪山散策を楽しむことができて幸せな一日でした。
お読みいただきありがとうございました。

行きたかった素敵なお店

美味しいものをよく知っている友人夫妻からお勧めされていたレストランにようやく行くことが出来ました。リヨンからボージョレ地方へと向かうときに通る辺りで、小高い丘が多いので、自転車にも適している地方だと思います。


レタップ・ドレというのがお店の名前です。
シェフは日本人の方で、以前はリヨンにある2軒の星付き日本人シェフのお店「ル・キャトーズ・フェヴリエ」(2月14日の意味)と「タカオ・タカノ」におられたということなので、お味は間違いないことだと思います。


お見せはラルブレルという小さな町の中心地にありました。
古い石造りの建物が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。


ソムリエはひろきさんという日本の方で、素晴らしい知識の持ち主。お話が上手で会話が心地よいのです。ちなみに、フランス語もとってもお上手でした。
最初にお勧めのコート・デュ・ローヌの白ワイン、クローズ・エルミタージュを頂きました。赤の方が圧倒的に飲まれているワインですが、華やかな香りの白も好きです。通常はマルサンヌとルーサンヌという2種類の品種を使いますが、この生産者はマルサンヌだけだそうです。このワインに関わらず、ワインリストにはこだわりの生産者さんのものだけを入れているという情熱が感じられました。生産者さんの面白いエピソードなどを聞かせてもらうのも、一流レストランでの楽しみの一つだと思っています。
アミューズのシューフラワーと生ハムを使った一品、フォアグラとブーダン(血のソーセージ)の小さなタルトをこのワインで頂きました。


前菜には豚の頭の煮凝り的なものでした。ポワロ―が下に敷いてあり、上にかかっているのはゴボウを素揚げしたものでした。大地の香りがふわっときます。
ロワールのソービニヨンブランを開けていただきました。プイィ・フュメであるべきワインなのですが、いわゆる昔からの「こうあるべきだ」という味わいを無視して、自分で良いと思うように作ってしまう生産者なので、呼称をもらえていない、との説明でした(;^_^A


この日は、最終的に白ワインばかりでした。
最後に撮った一枚です。左から出してもらった順番に並べられています。ちなみに7人でしたので。この量です(^▽^;)


二皿目はサバとキノア、大根というさわやかな一品。
みかんソースをかけてもらいました。
ところで、近くの村のパン屋さんのものという天然酵母のパンも味わい深かったです。


メインはヒメジでした。とても立派なサイズです。バターナッツなどお野菜たっふり。
ラングドックのこれまた珍しい白ワインでいただきました。


そしてお楽しみのチーズです🎵


サン・ネクテール、アリエージュ(ピレネー方面)の山羊チーズ、ブルー・ド・ラキュイユ(オーヴェルニュ地方)をチョイスしました。もっと食べたかったけど、デザートもあるからね(^▽^;)  久しぶりに食べるサン・ネクテールは胡桃っぽさを感じとてもおいしかったです。胡桃をキャラメリゼしたものと、カルヴァドス風味のリンゴジャム的なものが付いてきました。


綺麗けど地味な見た目なデザート。
これが絶品でした。プラリネクリームと洋梨の何か(コンポート的な)、そしてカルダモン風味のアイスクリーム。何とも言えない一体感で幸せな気分に・・・
アルザスのピノグリとギュベルツトラミネールを使ったオレンジっぽい味のする白ワインを一緒に頂きました。


コーヒーと一緒に頂いたのは小さなチョコレートタルトと、オレンジ入りのブリュレタルト。最後まで楽しませていただきました。


この日は友達夫妻の経営するお店の1周年記念を祝うディナーだったので、メッセージ入りのお皿を出してもらっていました。もう一人の友達がお誕生日が近かったので、それも一緒に祝いました。


最高にカッコいいソムリエのひろきさん。
知識がすごくて、でも全然嫌みでない話し方で色々教えてくださいます。
最後にシェフも出てきて下さいました。
美味しい&楽しい時間をありがとうございました。
この日、実は次男も一緒だったのですが、わたしの分も次男が払ってくれました。
ありがとう、次男💕
とても気に入ったので、バレンタインデーに彼女を招待すると言っていました。


お読みいただきありがとうございました。

漆ナイフお披露目

こないだの近場のお山で新雪散策したときのお話、後編です。


振り返って。
峠から頂上までは、雪がカチコチだった稜線部分を避けて、少し下の木の間を通って登ってきました。しばらく木のないところを歩きます。


稜線を歩いたほうが、景色が良いのでついついフラ~ッと寄っていきそうになるんですが、やはりガッチガチで、スキーが滑って歩きにくいので諦めてまた少し戻ります(;^_^A
手前のスキー跡にわたしの行動が表れています(即。引き返してる😅)。


遠くから見て、人が踊りまくったのかとでも思えるような雪の荒らされ具合だったのは、近付いてみると、シャモアが食べ物(植物)を探して雪を掘り起こしていたみたいです。雪深い下の方よりも、風で吹き飛ばされて雪が薄くなっているこの辺りの方が、植物を掘り起こしやすいのを知っているみたいです😊


奥の出っ張りが頂上です。
この辺も雪ガチガチのツルツルだけど、クトー(スキー板用のアイゼン)いまさら出すの面倒なので、滑らないようエッジをきかせつつゆっくりと登っていきました。


頂上手前の稜線。
山のこっち側は晴れているけれど、反対側は雲の中で(この稜線が境界線)、景色は全く見えません😭


着きました、ピック・サン・ミッシェル(1966m)。
夏山、冬山問わず何度も来ている山頂です。
あれ、十字架の手前に・・・


もう一本十字架が倒れていたので、立てておきました。


まだ11時過ぎでしたが、先日プレゼントで頂いた漆塗りナイフを雪山デビューさせたくて、早い目のピクニックにしました。
チーズとハムとパン、よもぎ餅です。
ナイフは使い心地がよく、見た目もかっくよくてとても気に入りました。


風があって寒いので、長くいる気はしません💦


滑り止めを剥がして下りる準備をします。


登ってきた斜面の違う方向に向けて下りていきます。


そんなに量はないものの、とっても気持ちの良い雪でした。


なので、もちろん登り返します(^▽^;)
といっても、頂上ではなくて、稜線のもっと低い位置を目指そうと思います。


ちょうど誰かが登ったトレースがあったので、利用させてもらうことにしました😅


そんなに高いところを目指さなかったので、すぐに稜線に着きました。


反対側。


それでは、今度こそ下りてきます😅


朝はほぼ誰もいなかった駐車場にはいっぱいの車が停まっていました。
手前のおじさまに「雪はどうだった?頂上付近は石ころ出てた?」と聞かれました。
「あんまり出てなかったですよ。とても良い雪でしたし」と答えると、とても嬉しそうでした。


漆塗りナイフを雪山デビューさせたハイキング記録。
お読みいただきありがとうございました。