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11月27日(日曜日)

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覚悟はしていたけれど、
新しく生まれ変わった余部鉄橋を見て
かなりショックを受けました。
そんな余韻にひたる間もなく
余部駅で僕を迎えてくれたのは、
鉄橋の下にお住まいのみなさん。
旅館のおかみさんや
仕事のかたわら親子で余部鉄橋グッズを
販売する売店を営んでいる方々です。
彼らの夢は?

「新しくなった余部鉄橋の魅力を発信したい」

みなさんにとって余部鉄橋はどんな存在でしたか?
と訪ねると
「庭の柿の木みたいだね」
「私にとっては山みたいなもの」
つまり、いつもそばにあってあたりまえの存在だったそうです。
いま旧余部鉄橋は3本の橋脚を残して、すべて解体されていますが、
古い橋に列車が通らなくなり、カッターで切断しはじめたときは、
「その音が鉄橋の呻き声に聞こえて辛かった」
と語ってくれました。

せめて橋を存続しようと活動したものの、
将来起こりうる錆落ちや崩落などを危惧した
鉄橋下の住民の反対意見も多く
結局橋脚3本だけを残すのが精一杯だったようです。
たしかにもうすでに、鉄橋の一部はさび始めていました。

そうそう右から2番目の旅館のおかみさんは
実はけっこう写真が上手かったりするのですが、
なんと僕の師匠であった真島満秀先生と
「友達」だったそうです!
確かに先生は余部鉄橋が好きで、何度も通っていたっけ。

「もう一度ビール飲みたかったな・・・」

先生が宿泊して、一緒に撮影したり、
とっても懐かしそうに思い出を語ってくれました。
そんな彼女も新しい鉄橋になってからは
めっきり撮影しなくなったそうです。

「本当はみんな昔の鉄橋のほうがいいって
わかっているんです」

あまりにも大きな存在であった鉄橋を失い
翻弄される村と人。
でも、それでも前を向いて、
新しい鉄橋の魅力を発信したいと考えている
その姿勢に胸が熱くなりました。

そうしてあらためて見ると
最初に衝撃をうけた新しい鉄橋も
素敵な橋に見えてきます。
いつかおかみさんがもういちど
シャッターを押したくなるような、
魅力的な鉄橋になるといいな。

ぜひみなさん余部駅にいったら、
昔と変わらない急坂を降りて、
川戸屋旅館と一滴亭に立ち寄ってみてくださいね。
そこには鉄橋の思い出と
素敵な笑顔が待っていてくれるはずですよ。

(山陰本線/余部駅)

11_11_27_2

以下ドリームトレイン通過予定時刻です。
あくまでも予定です。
変わる可能性があります。
詳しくはTwitterで。

■14日目 11月28日(月曜日)
鳥取05:18(因美線)→智頭05:58-06:22→美作滝尾07:26-09:13→津山09:31-10:11(姫新線)→新見11:47-13:23(伯備線)→米子15:07-15:50(山陰本線)→宍道16:42-17:08(木次線)→木次17:42//

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コメント

あ~ぁやはり景色は変わってしまいましたね。私も前の餘部鉄橋が大好きでした。鉄橋が架かった当時を忍ばせるどっしりとそそり立つ姿。もう1ヶ所残るだけになってしまいましたね。でもコメントの中にあるように新しい鉄橋も又年月を過ごし橋の下で暮らす人々にも、鉄道ファンの人々にも愛される事を祈ります。又新しい歴史が始まるのですよね。 ずっと気になっていた景色を見せて下さりありがとうございました。今日も1日お疲れ様でした。

投稿: 8620KONI | 2011年11月27日 (日) 23時38分

時代には逆らえないツラサがありますよね(ρ_;)


でもあたしはずっとみんなの心に写真に残ってると思いますo(^-^)o

投稿: 栗橋みなみ | 2011年11月28日 (月) 08時13分

一番恐ろしいところです、悪いけれど乗りたくないです・・・

投稿: tooooru | 2011年11月28日 (月) 08時29分

2008年に取り壊される直前に訪れました。そしてちょうど1年前にキハ181が引退する前にも播但線へ出掛けましたが、その時は以前の想い出を大事にしたかったので餘部へは行きませんでした。こうして今現在の画を見ると悲しくなりますが、でもせめてもの救いは橋が変わったいこと以外は昔のままのような気がします!新しい気持ちで訪れてみるのもいいかもしれませんネ♪旅のご無事お祈りしてます!!

投稿: Toshi | 2011年11月28日 (月) 10時30分

( ̄~ ̄;)ウーン

新しい橋はパッと見て鉄道橋と言うよりも自動車道みたいで興醒め。昔の橋は日本の鉄道を代表する景観だったのに…
(>_<)

ps ツィッターで和田山の機関庫拝見しました。今は建物だけが遺されてますけれども鉄道の華やかりし時代が思い浮かばれます。私も行って見たことがあります。
(^-^)

投稿: とんじ | 2011年11月28日 (月) 10時31分

「 古き、良きもの 」

列車と高速バスを乗り継ぎ
小雨の鳥取砂丘、城崎温泉、
メインの餘部の撮影に行った時は
ちょうど架け替え途中の時期でした。
「もっとはやく来ればよかった」とも
思いましたが、「その時の」姿を、と
自分なりに撮りおさめ夢中になっていた時に
「こっちからのほうが撮れるよ」と
自宅の庭に案内してくれた地元の方を思い出しました。
地元勇士が残してくれた鉄橋3脚分でも、
十分作品になるのだと驚きました。
たしか、いちばん手前の灰色の瓦のお宅では
こいのぼりをあげていました。
右奥の薄いグリーンの建物内で、餘部を愛する勇士が
ポストカードなど無人で販売コーナーをやっていたように
記憶しています。

想い出は過去のものではなくて、
思い出は、育っていくものなんですね、。

こいのぼりの時期に必ず行こうと思います。

当時の自分の写真と今と。
その頃の自分と今の自分と。
DREAM TRAINにはほど遠いけど、
自分なりの旅に出てみようと決意した
今日の1枚。

深い蒼の海と、
ポージングの上手な柴犬も
待っていてくれる気がします

投稿: asuka | 2011年11月28日 (月) 11時58分

日本中、こんなに愛された鉄橋は、
他にないかも知れませんね?
橋守りの話や、
建設中、地域のみなさんが
お手伝いをしたと言う話を聞き、
大好きになり
自分も何度か脚を運びました。
新しくなった余部鉄橋も
同じくらい愛される鉄橋になって
ファンの人達が来てくれる事が
余部のみなさんの「夢」なんでしょうね
ぜひ、ビールを飲みながら
余部鉄橋の思い出話を聞きたいです。

投稿: のむのむ | 2011年11月28日 (月) 12時17分

写真では幾度と見てますが、実際に現地に行ったことはまだありません。
旧鉄橋は素晴らしい景観を見せてくれましたが、大きな事故の舞台になったこともあります。
景観が大きく変わってしまった事は残念ですが、周辺の人々の生活を考えると正と負の二面性があるので心中は複雑です。
あえて、新橋の景観を見るために現地を訪れてみたいです。

投稿: taka | 2011年11月28日 (月) 12時32分

鉄橋は庭の柿の木みたい・・・
うん・・・いろんな思いがあるんでしょうね
時代の変化と人
そこには難しい問題があるんですね・・・

投稿: munixyu | 2011年11月28日 (月) 12時35分

自分は大井川家山の杉田屋旅館さんに泊まった事があります。女将さんは鉄ちゃんではありませんが、鉄の気持ちがよくわかっていらっしゃて、ご無理を快く聞いてくださいました。きっと余部の女将さんも、鉄の気持ちがよくわかった、素敵な方だろうなぁ~。一度泊まってみたいです。

投稿: 田んぼの入口 | 2011年11月28日 (月) 12時59分

餘部鉄橋リポートを、有り難う御座います。貴重なお話を伺う事が出来た事、ご近所の餘部を見守って来られた方々にお集まり頂き、有り難う御座いました。4人中3方はカメラ持参ですね?(笑)私も餘部の自作模型を作られてる女将サンの話を聞いた事ありますが、皆さんの自慢の餘部だったんですね!素晴らしい!

投稿: 瀬戸60D | 2011年11月28日 (月) 14時12分

昨日は餘部駅で写真を撮ってくれて
ありがとうございました♪( ´▽`)

これからも頑張ってください\(^o^)/

投稿: 昨日の赤チェックの男の子 | 2011年11月28日 (月) 15時29分

先日の日曜日、竹野駅から乗車して香住駅までご一緒させていただいた者です。
 お仕事中に押し掛けてしまい申し訳ありませんでした。
 また、快くサインもしていただきありがとうございます。
 一日一鉄毎日楽しみに見ています。
 これからもがんばってください。

投稿: 岩下 元久 | 2011年11月28日 (月) 21時59分

とりあえずちょこっとだけ残したんですね。
石碑とか建てて欲しいです。
これは遺産として大切にして欲しいです。

投稿: 鉄道亭写太郎 | 2011年11月28日 (月) 22時45分

餘部には行ったことがないけれど、実際に見たことはないけれど、憧れの存在です。自分も、餘部鉄橋を撮りに行けたらその魅力を発信できる一人でありたいと強く思います。
それが、なくなったとしても目に見えないだけ。
見えないからこそ、見えるものだってきっとあると思います。

投稿: けんた | 2011年11月28日 (月) 22時46分

さすが余部

投稿: | 2011年11月29日 (火) 01時35分

餘部鉄橋・・・一度は本物を見たかったですね。
嫁さんは、義母の実家が島根でしたので、何度かこの橋を鈍行で渡ったことがあったとのこと。
 かたちあるものいつかは、無くなる。

哀しいですが、そう思う自分です。だから・・・写真は本当に凄い!!と思うのです。

うちの近所である常磐線が渡っている利根川橋梁も、ただ今新しい橋に架け変わるべく工事中です。来年には新しい橋になると思います。
 103系やゆうづるやEF80や81、403系や415系などが渡ってきた橋。
国鉄時代からきた橋もお別れです。
 
  

投稿: かもしかおやじ | 2011年11月29日 (火) 23時48分

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