【謎解き・ドリンクソムリエール・太った中間管理職】


「ソムリエール喫茶」の次の客は、40台のサラリーマンだった。

J郎「何か悩みを言うと、ぴったりの飲み物を出してくれるそうだね」
B美は肯いて、言った。
B美「お疲れのようですね」
J郎「うん。上司からは業績が上がらないと怒られ、下からは仕事がきついと突き上げられる。中間管理職なんてやるもんじゃないよ」
大きな顔から流れる汗をハンカチで拭きながら、J郎は続けた。
J郎「あげくの果てには、健康診断で中性脂肪が高いやら糖尿の気があるやらで、食べたいものも食べられない始末さ。……学生、いや、子供の頃に戻りたいな」
J郎は遠い目をした。
J郎「毎日が発見と驚きの連続だった。スペースシャトルの打ち上げとかね。本気で宇宙飛行士になりたいと思ったもんだ。……ま、会社のコンピューターもろくに使いこなせないようじゃ、しょせん無理な話だけど」

B美は恭しく言った。
B美「お勧めのドリンクがございます。今回は特別にお菓子もお付けしましょう」


伝統に従って、小説風回答を歓迎します。
回答は1月26日(土)の21:00-22:00に。22:00以降に締切&正解発表をします。

回答の条件
  • 1人2回まで
  • 登録:
  • 終了:2013/01/26 22:25:46
※ 有料アンケート・ポイント付き質問機能は2023年2月28日に終了しました。
id:meefla

ならない参考。

lionfan2 さんによる、過去の「ドリンクソムリエール・クイズ」。

1. 【謎解き・ドリンクソムリエール・疲れたOL】

2. 【謎解き・ドリンクソムリエール・スランプの絵本作家】

ベストアンサー

id:lionfan2 No.1

回答回数56ベストアンサー獲得回数13

ポイント200pt

J郎は尋ねた。
J郎「お勧めの飲み物とお菓子とは?」
B美は答えた。
B美「ダイエットペプシとメントスです」
J郎は驚いた。
J郎「なぜ?」
B美は説明した。
B美「中性脂肪や糖尿は、ダイエットペプシで抑えることができます。またペットボトルのダイエットコーラにメントスを数粒、入れることで、泡が一気に吹き上がるメントスガイザーという現象はご存知ですか?」
J郎は頷いた。
J郎「ああ。自分も小学生のころ、メントスコーラでロケットを作って遊んだな」
B美はにっこりした。
B美「スペースシャトルにあこがれて、宇宙飛行士になりたいという夢を持ち、メントスコーラでロケットを作って遊んでいた日々…毎日が発見と驚きの連続だった子供のころの夢を、メントスとコーラで、思い出していただければと思います」
J郎は笑った。
J郎「ははは。それじゃ、ダイエットペプシとメントスにしてくれ」

しばらく待つと、ダイエットペプシとメントスが届いた。J郎は懐かしそうにダイエットペプシを飲み、メントスを齧った。

帰りがけにJ郎は、B美を呼び寄せた。
J郎「いやあ、ありがとう。子供のころを思い出して、とても満足した」
B美は微笑んだ。
B美「それは何よりでございました」

J郎は不思議そうに尋ねた。
J郎「ところで、ひとつ聞きたいんだが」
B美「はい」
J郎「ふつうコーラと言えば、コカ・コーラだ。ことに私たちの世代ではね。なぜコカ・コーラではなく、ペプシを勧めたんだい?」

B美はためらいつつ言った。
B美「アップル・コンピュータの創業者、スティーブ・ジョブズは、当時ペプシ・コーラの事業担当社長をしていたジョン・スカリーを引き抜きました。この時スカリーを口説いた決め文句が『このまま一生、砂糖水を売りつづけるのか、それとも世界を変えるチャンスをつかみたいか』でした。その言葉でジョン・スカリーはペプシ社をやめ、未知のパソコン業界に飛び込んだのです」
J郎「それで?」
B美「子供のころの夢は、甘く美しくても、ダイエットコーラのように中身のない、砂糖水のようなものです。お客様は、子供のころの夢を忘れたのではありません。子供らしい他愛のない夢を卒業し、現実の社会の中で、立派に中間管理職として活躍しているのです。疲れた時は砂糖水をお楽しみになっても良いかと思いますが、その後は、ぜひ、苦手なパソコンにもチャレンジし、新たな驚きと発見を、現実の中に見つけていただきたいと思います」
J郎は深く頷いた。
J郎「そうさせてもらおう・・・この喫茶店に来てよかったよ。ありがとう」

id:meefla

lionfan2 さん、回答ありがとうございます。
ダイエットコーラとメントスガイザーで完回答です。

私の用意した解答編よりも良い答えを書かれると立場がないのですが(^^;
ベストアンサーを謹呈させていただきます。

2013/01/26 22:11:50
id:lionfan2

meefla様、ベストアンサー、ありがとうございます!! とてもいい問題で、この一週間、楽しかったです。

「メントスとコーラ」はすぐ思い付いたのですが、「宇宙飛行士」の伏線回収を「宇宙に行こう」キャンペーンか、ロケット遊びか、ジョブズの決め文句か、どれで回収すべきか悩んだのを覚えています。また、コカ・コーラかペプシか、それともそれ以外か、などでも悩みました。

2013/01/26 22:33:30

その他の回答2件)

id:lionfan2 No.1

回答回数56ベストアンサー獲得回数13ここでベストアンサー

ポイント200pt

J郎は尋ねた。
J郎「お勧めの飲み物とお菓子とは?」
B美は答えた。
B美「ダイエットペプシとメントスです」
J郎は驚いた。
J郎「なぜ?」
B美は説明した。
B美「中性脂肪や糖尿は、ダイエットペプシで抑えることができます。またペットボトルのダイエットコーラにメントスを数粒、入れることで、泡が一気に吹き上がるメントスガイザーという現象はご存知ですか?」
J郎は頷いた。
J郎「ああ。自分も小学生のころ、メントスコーラでロケットを作って遊んだな」
B美はにっこりした。
B美「スペースシャトルにあこがれて、宇宙飛行士になりたいという夢を持ち、メントスコーラでロケットを作って遊んでいた日々…毎日が発見と驚きの連続だった子供のころの夢を、メントスとコーラで、思い出していただければと思います」
J郎は笑った。
J郎「ははは。それじゃ、ダイエットペプシとメントスにしてくれ」

しばらく待つと、ダイエットペプシとメントスが届いた。J郎は懐かしそうにダイエットペプシを飲み、メントスを齧った。

帰りがけにJ郎は、B美を呼び寄せた。
J郎「いやあ、ありがとう。子供のころを思い出して、とても満足した」
B美は微笑んだ。
B美「それは何よりでございました」

J郎は不思議そうに尋ねた。
J郎「ところで、ひとつ聞きたいんだが」
B美「はい」
J郎「ふつうコーラと言えば、コカ・コーラだ。ことに私たちの世代ではね。なぜコカ・コーラではなく、ペプシを勧めたんだい?」

B美はためらいつつ言った。
B美「アップル・コンピュータの創業者、スティーブ・ジョブズは、当時ペプシ・コーラの事業担当社長をしていたジョン・スカリーを引き抜きました。この時スカリーを口説いた決め文句が『このまま一生、砂糖水を売りつづけるのか、それとも世界を変えるチャンスをつかみたいか』でした。その言葉でジョン・スカリーはペプシ社をやめ、未知のパソコン業界に飛び込んだのです」
J郎「それで?」
B美「子供のころの夢は、甘く美しくても、ダイエットコーラのように中身のない、砂糖水のようなものです。お客様は、子供のころの夢を忘れたのではありません。子供らしい他愛のない夢を卒業し、現実の社会の中で、立派に中間管理職として活躍しているのです。疲れた時は砂糖水をお楽しみになっても良いかと思いますが、その後は、ぜひ、苦手なパソコンにもチャレンジし、新たな驚きと発見を、現実の中に見つけていただきたいと思います」
J郎は深く頷いた。
J郎「そうさせてもらおう・・・この喫茶店に来てよかったよ。ありがとう」

id:meefla

lionfan2 さん、回答ありがとうございます。
ダイエットコーラとメントスガイザーで完回答です。

私の用意した解答編よりも良い答えを書かれると立場がないのですが(^^;
ベストアンサーを謹呈させていただきます。

2013/01/26 22:11:50
id:lionfan2

meefla様、ベストアンサー、ありがとうございます!! とてもいい問題で、この一週間、楽しかったです。

「メントスとコーラ」はすぐ思い付いたのですが、「宇宙飛行士」の伏線回収を「宇宙に行こう」キャンペーンか、ロケット遊びか、ジョブズの決め文句か、どれで回収すべきか悩んだのを覚えています。また、コカ・コーラかペプシか、それともそれ以外か、などでも悩みました。

2013/01/26 22:33:30
id:grankoyama No.2

回答回数560ベストアンサー獲得回数170スマートフォンから投稿

ポイント100pt

B美じゃなくってB美「こちらをどうぞ!」
J郎じゃなくってJ郎「これは……」

B美「コーラですわ」
J郎「コーラはちょっと……健康上の問題が……」
B美「ペプシ宇宙兄弟キャンペーン!!(2012年4月17日~6月4日)の時も、我慢されてたんでしょうね」
J郎「ああ、宇宙兄弟は大好きで、コンビニでペプシを見るたびに、うらやましく思ってたよ」
(宇宙に興味の伏線回収終了)

B美「これは新しいコーラ、ペプシスペシャルですわ!」
J郎「ペプシスペースシャトル?」
B美「いえ、スペースシャトルではなくてスペシャルです」
(スペースシャトルの回収終了)
J郎「でも、コーラはやっぱり……」
B美「これはトクホのペプシなんです!
 食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにするので、脂肪の多い食事を摂りがちな方、血中中性脂肪が気になる方の食生活の改善に役立ちます!」
(オフィシャルページからの引用完了)
J郎「それじゃあ、ぼくも飲めるのかい?」
B美「どうぞ、お気のすむまで」
(※実際の飲用は、摂取上の諸注意をよく読んでからにしてください)

J郎はごくごくとコーラを飲んだ。

J郎「思い出すなぁ、毎日コーラを飲んでた子供の頃……」
(子供の頃に戻りたいのこじつけ完了)
B美「それに、このペットボトルの感じ……なにか連想しません?」
J郎「そうか……これは! ロケットだ! まさにロケットの形だよ!」
B美「仕事がきついと下から突き上げられても、それにめげずに業績を上昇させ、頑張ってください。ロケットのように」
J郎「ロケットのようにか……。そうだね、突き上げられたら上へ向かって進めばいいんだ!」
B美「そうです。炭酸の泡のように、上へ向かって突き進むのです。あとペットボトルロケットとかで遊べますし、空高くです」
J郎「空高くか……」
(上昇志向のくだり終了)

J郎「ありがとう……。で、お菓子というのは?」
B美「これですわ。アポロチョコ」
J郎「宇宙繋がりだね。思い出すなぁアポロ計画」
(40代というぎりぎりの線回収)
B美「コンピュータが苦手なんて弱音を吐かないでください」
J郎「だって、実際そうなんだから……」
B美「ゲームはなさいますか?」
J郎「昔ファミコンとかはやったけど……」
B美「アポロ計画の際に使用されたコンピュータの性能はファミコン以下だったのです(要出典)」
J郎「そうなんだ……」
B美「そのファミコンで遊んでいたのですから、頑張れば今のコンピュータも使えるはずです」
(根拠のない励まし終わり)
J郎「そうか……ファミコン程度の性能で宇宙へ……なんだか自信が出てきたよ」
(無理やりな展開……)


その後、コーラを常飲するようになったJ郎は、その当然の帰結としてゲップを多発するようになった。
そのせいで、彼の周囲の人間は彼との距離を置くようになり、上司の苦言、部下の突き上げの回数も減った。
日常会話や世間話も減ったのは減ったが、J郎はそれには気づかずに幸せに暮らしているという。
その後何故か出世した。その彼の出世っぷりは、ロケット出世として、後年にも渡って長く語りつがれ、
そのうちにカンブリア宮殿なんかに出演したりしなかったりしていた。

id:meefla

グラ娘。さん、回答ありがとうございます。

トクホ系の「脂肪にドーン」という路線だと、お菓子との整合性が取れない筈だったんですが、アポロチョコとは意外でした。
(40歳代ならアポロよりはスペースシャトルのような気もしますが)
アポロ|キッズおかしランド なんてページも見てしまいました。

2013/01/26 22:16:29
id:MEI-ZA-YU No.3

回答回数4756ベストアンサー獲得回数767

ポイント100pt

f:id:MEI-ZA-YU:20130126210252p:image:h300
B美「発見は英語でDiscoveryって言いますよね。
ポカリスエットは日本で初めて宇宙ステーションでCM撮影したんです」
J朗「それは驚いた。サプライズ!イオンサプライ」(オヤジギャグ)

J朗「ところでお菓子なんだけど大塚製薬だからカロリーメイトだろ」
B美はあるお菓子をさしだした。
B美「いいえ、これです。ポカリスエットの開発の元にになったものです」
J朗「なんだこの饅頭は?」
B美「赤穂の塩饅頭です。甘さと塩辛さの“中間”の味が絶妙なんです」
J朗「あー、そうだったのか!」(頭をポカリ)

他1件のコメントを見る
id:meefla

MEI-ZA-YU さん、回答ありがとうございます。
時間のない所、ご参加いただき恐縮です。

ポカリスエットときましたか。
「赤穂の塩饅頭」って、そこいらへんで売ってるんだろうかという素朴な疑問が(^^;

2013/01/26 22:23:45
id:MEI-ZA-YU

ありゃ、不正解でしたか。
今回は色々キーワードと説明が合致するので自信があったのですが・・・
もしかして引っ掛け問題だった?
ともあれ不正解にもかかわらず、高ポイントありがとうございました。
それから赤穂の塩饅頭ですが、あわてて書いたので間違ってました。
正しくは塩味饅頭です。“しほみ”饅頭も含めて数社が出しています。
そこいらへんというか、デパートあたりに行けば売っています。

2013/01/27 00:15:23
id:meefla

【謎解き・ドリンクソムリエール・太った中間管理職】解答編

いったん厨房に入ったB美は、すぐにJ郎の前に現れた。B美は手にしたトレイから大き目のペットボトルをテーブルに置いた。

J郎「これは?コーラ?」

B美「ただのコーラではありません。ダイエットコーク、2リットルです」

B美はトレイから小さ目のコップをテーブルの上に置くと、コーラを注いだ。

J郎「私が太ってるからダイエットコークってわけか。でも、こんなには飲めないよ」

B美は首を横に振った。

B美「いいえ。お飲みいただくのはこの一杯だけです」

J郎「じゃあ残りはどうするんだ?」

B美はトレイから棒状のものを手に取り、J郎に見せた。

J郎「のど飴?いや、キャンディーかな?これが特別のお菓子?」

B美「メントスのマンダリンオレンジです。去年の11月に新発売されたばかり。……いや、味は何でもいいんですけどね」

B美は微笑んで言葉を続けた。

B美「メントスガイザーというのをご存知ですか?」

J郎「何だね、それは。新手の合体ロボか?」

B美「ダイエットコークにメントスを数粒入れます。すると、コーラが噴水のように噴き出るのです。ダイエットコークの場合、普通のコーラとは比べ物にならないくらいの高さになって、特製のノズルを使ったものですが何と7メートルという記録があります」

B美はスマホを取り出すと、Wikipedia の メントス にある写真をJ郎に見せた。J郎の目が丸くなった。

B美「実際にやってみたいと思いませんか?」

J郎「うん、何だかわくわくしてきたぞ」

B美「校庭裏の雑木林なら他の人に迷惑はかからないでしょう。コーラを飲み終わったら移動します」

J郎は、コップのコーラを一気に飲み干した。

J郎「さあ、行こう。どんな事になるか、すごく楽しみだ。まるで子供に戻ったようだよ。……でも君は店番しなくていいのかい?」

B美は片目をつぶってウインクした。

B美「前から一度、実験してみたいと思ってたんですよ」

解答編おわり

  • id:lionfan2
    meefla様、出題、ありがとうございます。今夜、回答させていただきます。
    また、たいへん良問だと思いますので、この問題(と、lionfan2の回答)を、「B美と愉快な仲間たち 4」に収録させていただきたいのですが、いかがでしょうか?
  • id:grankoyama
    グラ娘。 2013/01/26 18:02:48
    そういえば、lionfan様、次回の文学フリマ(in大阪)はさすがに参加されないですよねぇ。。。
    B美と愉快な仲間たち1~3が欲しいのです。通信販売とかやってますか?
  • id:meefla
    lionfan2 さん、コメントありがとうございます。
    回答も楽しみにしております。

    正解発表の前に良問認定していただいたのはちょっと複雑な気持ちですが
    (たぶん完璧に解かれてる)
    B美本に収録していただけるのなら光栄です。
    よろしくお願いします。
  • id:lionfan2
    meefla様、ありがとうございます。こちらの回答もアップしました。それでは正解発表、楽しみです!!
  • id:lionfan2
    grankoyama様、ありがとうございます。
    次回ですが、大阪の文学フリマは、参加しようかどうか悩み中です。
    ただ、4巻をつくれるほどの原稿は、まだできてないと思います。
    通販の方は、よろこんでいたしますよ。
  • id:grankoyama
    グラ娘。 2013/01/26 21:45:23
    お返事ありがとうございます。
    では、参加されなかったら、とりあえず1~3巻をお買い上げさせていただこうと思います。
    てきとうな頃合をみて、ツイッターでDM打つか、メールしますのでよろしくお願いします。

    質問主さん、個人的な会話に使ってすみません。
  • id:meefla
    質問を終了しました。
    解答編は「質問者からの補足」に投稿しました。
    べっ、別に「機能おさらいキャンペーン」に応募したいわけじゃないんだからね。

    お楽しみいただければ幸いです。
  • id:takejin
    やあ今晩は。不正解をあえて投げてみます。


    パタッパタパタと軽い足音が近づいてくる。
    パタ。ボクの後ろで二人分の足音が止まる。
    「おばちゃーん、ライスチョコレートね」
    キイイイとガラスの戸を開ける音がする。パタパタと近づいてきた足音は、泥のついたズックに化ける。ボクの両脇から出てきた小さな2本の手から、十円玉が一個ずつ落ちる。
    「ベーゴマやる?」
    振り向いたボクが言うより早く、二人の男の子は店の裏へ消えていく。ボクは畳の縁に置いてある十円玉を拾い、電話のとなりのザルに入れる。
    「おばちゃん、お金入れといたよ」
    三和土から奥の方へ声をかけていると、裏からさっきの二人が戻ってきた。
    「ラムネ、ラムネ、おばちゃんラムネ」
    帽子をかぶった方のはなたれ小僧があわただしく言っている。
    「飲む方かい?食べる方かい?」
    ボクが聞くと、五分刈りの方が、10円ハゲを見せながら笑う。
    「やだなあ、飲む方に決まってるじゃん。クッピーラムネは、そこに入ってるんだからさ」
    ボクは横の冷蔵庫から、冷えたラムネを2本取り出した。
    店の奥へ声をかける。
    「ラムネ出してあげるよ」
    冷蔵庫に紐でくくりつけてある栓抜きとビー玉押しを取り、瓶の口にあてがう。
    「あ、オレ開けてみる」
    五分狩りクンが手を出してくる。
    「できるかなぁ。コツがいるんだよ」
    「大丈夫だよ」
    瓶を両足で挟み、瓶の口のビー玉に出っ張りを押し当てる。
    「うんしょ」
    盛大に吹き上がる泡とラムネを顔面に浴びて、五分狩り君は笑う。
    ちょうど入ってきた女の子3人組も、その様子をみて笑う。
    駄菓子屋の店先は、いつも笑いが絶えなかった。


    あのころは、なんでもかんでも、目を見張るようなオドロキでいっぱいだったなぁ。
     

    目の前に置かれた特徴的な瓶と、カラフルだが小さな袋。瓶には淡い緑色のガラス玉がはまっていて、袋には淡いパステルカラーの小さな厚みのある円盤が入っている。

    「ラムネか、懐かしいな」

    私は、あの頃の夢を思い出していた。世界は驚異に満ちていたあの頃を。なんでもできる気がしていた、あの頃のことを。

    「やってみますか」

    飲み干したラムネの瓶の中で、ビー玉が「カチン」と鳴った。
    新しいスタートの鐘の音の様に。
  • id:takejin
    メントスカイザー、実験しましたよ。うちの工場って、空き地が広いので。
    でも、日本のダイエットコーラって、炭酸濃度が低いんだよね。
    ロケットの様に飛ばすのは難しかった。

    炭酸水に二酸化炭素ガスを混入して、ラムネ投げ込むってのもやった。(砂糖のないラムネに、ラムネを投げ込んだ感じ)泡出たけど、吹き上がらなかった・・・

    思いつかなかったなぁ。

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