た・だ・し、著作がいくつも映画化・ドラマ化され、一般に名が知られているような有名・大御所クラスの作家は対象外とします。わかりやすい例で言えば司馬遼太郎、池波正太郎、海音寺潮五郎、藤沢周平あたりですね。
一般的には知られていないけれど、歴史小説好きなら一度読めばハマってしまいそうな作家およびそのお薦めの小説を教えてください。
どのへんがお薦めか理由を必ず書いてください。
私が今まで読んだことある中では、飯嶋和一・酒見賢一・宮本昌孝あたりが該当するかなと思うのですけど、そこは歴史小説好きな回答者の判断にお任せします。
回答内容によってポイントを割り振ります。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%93%8C%81@%8FG%8BI/list.html
結構、入手不能になっているのが多いですが東秀紀
鹿鳴館の肖像
はデビュー作で文体がカクカクであり生真面目さが分かる丹念な作品
二つの東京物語
も重厚さがあります
東京駅の建築家辰野金吾伝
も丹念に描かれています
私は西洋史ばかり読んでいるので、西洋史でもいいのでしょうか。
特に、『マリー・アントワネット』に関する書物はほとんどと言ってよいほど読んだのですが・・・この作品は、彼女をフランス革命へと導いた“罪人”としてではなく、ひとりの人間として捉えた書き方で、いままでの彼女に対する印象ががらりと変わりました。遠藤周作自身がフランスに留学していたことも関係しているのかもしれません。
また、クリスチャンとしての観点から、最期に罪を悔い、死んでいった(と思われる)彼女を慮ったと見られる記述もあります。
様々な出来事・背景ばかりがクローズアップされるこの時代ですが、彼女を“王妃”としてではなく、ひとりの“女性”として描いたところが他の作品と大きく異なるところだと思います。
しかしながら、時代のうねりやルイ16世の罰(私はこう見ています・笑)、周囲の強欲から起こる事件などの記述もドラマティックでとても読みごたえがあります。文庫本にもなり、上下巻ありますが・・・私は、一気に読んでしまいました。また、何度読んでも、飽きの来ない作品でもあります。
>西洋史でもいいのでしょうか。
はい。かまいません。むしろ私自身の読む分野が日本史偏重だったので歓迎です。
遠藤周作ってけっこう著名な作家だと思うのですが私はあまり読んだことない作家でした(昔1,2冊くらい?)。意外と歴史小説をいくつも書いていたのですね。
マリー・アントワネットについてはさまざまな俗説が流布されていますが、一度自伝的な本を読んでみたいと思っていました。
「『マリー・アントワネット』に関する書物はほとんどと言ってよいほど読んだ」上でのお薦めなら期待できそうです。
これかなりおもしろいですよ。幕末から日清、日露を描いています。司馬遼太郎のようなくさい小説ではなく、実録の手記をもとに子息の方が小説風にまとめています。
まだ刀をさしていた頃から、戦争、ロシア留学、満洲でのスパイ活動、歴史の裏方として奮闘した一軍人の手記です。文庫5冊分くらい。
http://www.amazon.co.jp/%E5%9F%8E%E4%B8%8B%E3%81%AE%E4%BA%BA%E2%...
まぁ私は後世の小説家による脚色された話でも同時代を生きた人による臨場感溢れるドキュメントもそれぞれ違う良さがあると思いますけどね。要は内容次第ってことで。
一応今回は歴史小説のお薦めを求めた質問なんで、趣旨とは違いますが歴史の表舞台に立った人物だけでなく、こういう裏方に徹した人物の手記もその人でないと知りえない事実とか内容的には興味ある本です。
冲方丁 「天地明察」です.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%9C%B0%E6%98%8E%E5%AF%9...
ちょっと現代風の描写もありますが私は非常に楽しく読めました.
冲方丁(「うぶかた とう」と読むのかわからなかった・・・)
未読作家です。元はSF畑なんですね。今まで名前だけ見たことがある程度。
ちょっとamazonで読んでみたのですが、日本独自の暦導入という視点の斬新さとそれに懸ける人物の情熱を描いたのが特徴で、飽きさせず一気に読めそうな内容に感じました。
ただ、回答としてはちと物足りないです。
隆慶一郎 影武者徳川家康
などいかがでしょうか?
歴史小説ではなく時代小説になるのでしょうか?
http://www.amazon.co.jp/%E5%BD%B1%E6%AD%A6%E8%80%85%E5%BE%B3%E5%...
既読でした。
隆慶一郎は自分としては有名クラスに入る気がするんですけどどうでしょう?
『影武者徳川家康』と『花の慶次』が漫画化されたせいかな。
で、id:manemaneroomさんがこれを読んだ感想はいかがでしたか?
私は読んだことないので、あえて歴史小説の質問に挙げた意図と合わせて詳しく教えてもらいたいですね。
クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)
クアトロ・ラガッツィ 下―天正少年使節と世界帝国 (2) (集英社文庫 わ 13-2)
西洋美術史がご専門の若桑みどりさんの渾身の一作ということで。
この時代の日本人がどうヨーロッパ社会に評価されていたか、日本人がどう異質な文明に向き合ったかを問うているようです。
これは、若桑さんの生涯の問いでもあった、かのようです。
この時代の日本人がどうヨーロッパ社会に評価されていたか、日本人がどう異質な文明に向き合ったかを問うているようです。
歴史って日本史・世界史といったそれぞれの流れで教えられてきましたけど、時代ごとに日本と世界の繋がりって実に変化に富んでいるのですよね。
そういったことに気づかせてくれる本に出会うのも楽しみの一つ。
著者の想いがこもった内容に加え、「天正の遣欧少年使節」という有名な史実でありながらその詳細についてはあまり知る機会無いだけにぜひ読んでみたいと思います。
ジャンルは世界史ですが、多少創作が入ります。
ラルフ・イーザウ著「暁の円卓」
児童書になっていますが、ちょっとアレな描写がありますし、子供向け! と言う感じの本ではありません。
1900年1月1日生まれの主人公が、死ぬまでの百年間を新聞記者として、世界中(アメリカ・ドイツ・日本など)を飛び回る話です。主人公の幼馴染として、昭和天皇が登場します。その為、人間宣言などに対する天皇の心境など詳しく書かれています。また、アインシュタインなどの実在の人物が本編とは関係のないところで登場したりもします。
作者はサリン事件を見て、この作品を書いたそうです。文庫本もあります。
http://books.rakuten.co.jp/rb/%E6%9A%81%E3%81%AE%E5%86%86%E5%8D%...
人力検索で質問をしてみると面白いのが、こういった普通ならば知る機会が無かったような本を教えてもらえることですね。
ドイツ人新聞記者によって日本を始め20世紀を一通りなぞってみるといった内容のようですね。創作も入っているそうですが、戦争の世紀であった20世紀をどう描くかが気になるところ。
まずは1冊目を読んでみたいと思います。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%93%8C%81@%8FG%8BI/list.html
結構、入手不能になっているのが多いですが東秀紀
鹿鳴館の肖像
はデビュー作で文体がカクカクであり生真面目さが分かる丹念な作品
二つの東京物語
も重厚さがあります
東京駅の建築家辰野金吾伝
も丹念に描かれています
こちらまた知らなかった作家さんです。東秀紀という人は建築史家、都市計画家という肩書きが示す通り、建築の歴史から都市と人の歴史を描く人なのかと思いました。そういうのも非常に面白いと思います。
リンク先のリストの中では個人的に『異形の城』が気になりました。実は城好きなもんで、同じ安土城を題材に取った作品では佐々木譲の『天下城』がとても良かったです。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20070415/1176644583
入手不可となっている作品については図書館とかamazonの中古を当たってみますね。
永井路子さんや吉屋信子さんはいかがでしょう?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E4%BA%95%E8%B7%AF%E5%AD%9...
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E5%B1%8B%E4%BF%A1%E5%AD%9...
(徳川の夫人たちは大奥の原作?かと思うほど。)
どちらも女性が生き生きと書かれている作品がGOODです。
永井路子はけっこう読んでましたね。Wikipediaにある通り、歴史上で男性に隠れがちな女性に焦点を当て、それまでのイメージを覆すような作品が印象に残っています。大河ドラマ原作にもなっているし、この人は歴史作家としてはかなり有名な方じゃないかなぁ。
吉屋信子は未読でした。
歴史長編は晩年の『徳川の夫人たち』と『女人平家』あたりでしょうか。
>(徳川の夫人たちは大奥の原作?かと思うほど。)
大奥ブームを巻き起こしたことについて著者は嫌悪感を持っていたのですねぇ。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/chubun/essay/essay_7.html
確かにドラマでは女性たちの泥仕合的な印象がありますな(ちゃんと見てたわけじゃないけど)。
一方、小説の方は大奥を閉鎖された女性の集団にイメージされがちな負の面(嫉妬、憎悪、陰湿なイジメ)ではなく、当時最高の教養と知性を備えた女性たちという視点で描いたというあたりは期待持てます。
こちらまた知らなかった作家さんです。東秀紀という人は建築史家、都市計画家という肩書きが示す通り、建築の歴史から都市と人の歴史を描く人なのかと思いました。そういうのも非常に面白いと思います。
リンク先のリストの中では個人的に『異形の城』が気になりました。実は城好きなもんで、同じ安土城を題材に取った作品では佐々木譲の『天下城』がとても良かったです。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20070415/1176644583
入手不可となっている作品については図書館とかamazonの中古を当たってみますね。