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あなたの身近な「困った人たち」の精神分析

あなたの身近な「困った人たち」の精神分析 : パーソナリティそのミクロな狂い
小此木啓吾,2000 , 新潮社(新潮OH!文庫)
ISBN 4102900527

 例えば,ちょっと普通でないワンマンな人,自己中心的な人,しっとと執着心に固まった人,何に対しても反抗してくる人などなど…はっきりと異常であるとは指摘できないものの,なんだかおかしい。こんなあなたの身近にいる困った人たちとどうかかわりあうのがよいのか。人格(パーソナリティ)のミクロな狂いをキー概念にして,その背景にある仕組み,そこから読み取れる対処法などを,豊富なサンプルで解説してくれる。
 パーソナリティ障害は病気である。本書ではそこまでの症状はないものの常に周りの人間と摩擦を起こし,人間関係問題を生じてしまう,予備軍の人たちのパターンを示している。読んでいる内に,実は自分たちにも(自覚できないが)こういったミクロな人格のゆがみはあるのだろうと気づく。前掲の「精神科へ行こう」の解説文にあった「まったくゆがみのない精神など,この世には存在しない」(中島らも)という言葉も思い出される。

[目次や内容]

[参考] 小此木啓吾は,精神科医。「モラトリアム人間の時代」他,著書多数。私にとっては,アイデンティティの喪失や山嵐のジレンマの話などが浮かぶ人。
by tsu2k | 2005-02-26 17:42 | 心理学本
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