今年はもう見られないかと思っていたタカオスミレ、どうにか一輪だけ咲いていました。
というのも、林道の舗装工事によってタカオスミレの群落の大部分が砂利の下に埋められてしまったからです。
辛うじて砂利のかからなかったところに細々と生き残っていました。
タカオスミレはヒカゲスミレの変種で、花の時期に葉の表面が茶褐色になるのが特徴です。
名前のとおり、東京都の高尾山で見つかったのだそうです。
【写真】
タカオスミレ(高尾菫) スミレ科
一面に咲き誇っていた昨年の姿は、もう見る影もありません。
狭山丘陵においては、この場所以外で見たことがない花なんですが・・
カメラ機種名 Canon EOS 40D
撮影日時 2009/04/12 15:30:15
Tv 1/50
Av 7.1
ISO感度 400
レンズ EF-S60mm f/2.8 Macro USM
タカオスミレの群落があった場所がどうなっているかというと・・
写真の、道の両側に黄色い線で囲ったあたりに、大きなタカオスミレの群落がありました。
この冬の林道工事で、外部から運び込まれたと思われる砂利が分厚く入れられ、群落の大部分が埋め尽くされています。
写真の左側の、砂利の入れられた縁あたりに、わずかに残ったタカオスミレを撮りました。
山火事防止か知りませんが、かなり道幅のある林道なので、中心部分だけの整備で十分だったのではないかと思います。
狭山丘陵では、少し陽の当たる林道脇に山野草が多く見られるので、これだけ大量に砂利が入ると致命的です。
この場所をもう少し下ったところはアオイスミレが多く見られたのですが、砂利が敷かれたせいか今年はその数が激減したようです。
幸いにして、写真右側のフェンスの外側にはまだタカオスミレがびっしりと生えていました。
とりあえずこの場所のタカオスミレが絶滅してしまうことはなさそうですが、手にとって愛でることのできるところにはほとんどなくなってしましました。
さらに・・
ここはトウキョウサンショウウオの産卵地になっている小さな湿地です。
この場所も林道工事のせいでしょう、黄色い線の部分が大量の土砂で埋められていました。
小さな池は残っているのでサンショウウオは産卵できるとは思いますが、影響が心配です。
トウキョウサンショウウオは東京都が都の天然記念物に指定しています。
ところが、産卵地に林道工事によるものと思われる土砂が入れられていました。
東京都はオリンピック招致をしていますが、その基本コンセプトで「環境を最優先した大会」と謳っています。
こういう工事を見ると本当にそんなことができるのかと疑いたくなってしまいます。
足許の環境にももうちょっと配慮が必要なんじゃないでしょうかね!?