7081591 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

再出発日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

源氏物語〔17帖 絵合… New! USM1さん

視聴中ドラマ New! はんらさん

ローズンゲン(日々の… New! Preacherさん

『韓国の行動原理』3 New! Mドングリさん

週刊 読書案内 笹… New! シマクマ君さん

カレンダー

2006年06月14日
XML
新・ちくま文学の森(6)「いのちのかたち」という本の中にはさまざまな命の形が収められている。

ロバート・フロスト  川本こうじ・訳

『雪の夜、森のそばに足をとめて』
この森の持ち主がだれなのか、おおかた見当はついている。
もっとも彼の家は村のなかだから、
私がこんなところに足をとめ、彼の森が
雪で一杯になるのを眺めているとは気がつくまい。



森はまことに美しく、暗く、そして深い。
だがわたしにはまだ、果たすべき約束があり、
眠る前に、何マイルもの道のりがある。
眠る前に、何マイルもの道のりがある。

わたしが思うにその森は、死期が近い人だけに見える「何か」なのだろう。この作品集には他に、老いを意識し始めた女と男の金と欲がからんだ会話劇を描いた林芙美子の『晩菊』、終末医療の患者の心理をありありと描いた耕治人の『そうかもしれない』、「ウォー、ウォー」と叫びながら凄絶に死にゆくリツ子の臨終を描いた壇一雄の『終わりの火』、『「じゃあおれはもう死んじゃうよ」と何の表情もない、穏やかな目であった。わたしにも特別の感動も涙も無かった。別れだと知った。「はい」と一ト言。別れすらが終わったのであった。』謹厳、静かな父親の死を書いた幸田文の『終焉』。等々がある。

あとがきで編者の鶴見俊輔は意外にもこんなことを書いていた。
「二月ほどまえ、癌の告知を受けたとき、医者との会話がとぎれず、気分として普通の状態が続いた。ところが、そのすぐあとで看護婦が血圧と脈をはかりに来たときの記録によると、血圧は153-91、脈は99で、ふだん(その日の朝には血圧122-95、脈85)よりやや高く、わたしのからだはこどものころよりにぶくなったなりに、告知にこたえていた。」
「なぜ生きるかの理論は、なぜ自殺しないかの理論と背中あわせである。」

この本の発行は1995年。だとすれば、鶴見の癌は何とか転移を免れたのだろう。去年九条の会の事務局長小森陽一氏が講演でこんなうち明け話をした。九条の会の一周年を記念しての講演会の打ち合わせで鶴見俊輔がこういったという。「だれか一人はくたばるかと思ったけど、なんとかもったね」そのブラックジョークにわたし一人が笑ってしまって会場の失笑を買ったのである。だけどこのあとがきを読んで、鶴見俊輔はほとんど本気で言ったのだと思った。そしてわたしたちは本気で彼らの覚悟を知らなくてはいけない。

6月10日、九条の会・全国交流集会があり、全国から1500人の人が集まり活発な交流が図られたという。九条の会は全国でざっと5000以上にまで達しているという。9条守ろう! ブロガーズ・リンクで、集会の内容をしっかりレポートしてくれている。思うに、今のところ、最も詳しいレポートなのではないだろうか。

そこで、鶴見俊輔はこういうことを言っていた。
「戦争を起こす文明に、耄碌人として反対する」

三木睦子さんにいたっては
私たち九人は、もうそろそろ、力つきます(笑い)。いあ、実はそうでもないんですよ(笑い)。
 私たちに、平和をもたらすのは、私たちの心からです。やさしくて、楽しい世界にしようではありませんか。みんなが楽しみを持てる世界にしようではありませんか」

本当に彼らは命がけで戦っている。

彼らの思いを引き継ぐ若者がもっともっと育たないと、この運動はジリ貧になってしまう。全国集会には案外若者が参加していたそうだ。今回は会場制限で人数が限られたし、日程も一日だけだったが、来年は憲法共同センターなどの力を利用してもっと大きい会場で、2日がかりぐらいで交流集会をしたらどうだろう。年寄りはともかく、若者は「刺激」を貰うと大きく化ける。全国の経験の交流を聞くだけ、あるいは自分で発言することで、大きく成長するだろう。そして加藤周一の言うように、「老人と若者の連帯」も、リアル世界で顔をつき合わせて2日ぐらい話をすると、大きく進展するかもしれない。今から来年に向けて準備していってはどうだろうか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年06月14日 22時07分46秒
コメント(8) | コメントを書く
[読書(フィクション)] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな@ 自然数の本性1・2・3・4次元で計算できる) ≪…三角野郎…≫は、自然数を創る・・・  …
永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…

バックナンバー

・2025年01月
・2024年12月
・2024年11月
・2024年10月
・2024年09月
・2024年08月
・2024年07月
・2024年06月

© Rakuten Group, Inc.
X