妖怪男ウォッチ

恋愛文化人類学が趣味の外資アラサーOLによる、ラブ魔窟サバイバル記録。

「ちゃんとした女が好き」というヤリチンが選ぶ女が、まったくちゃんとしていない件

ひとりの女性と長期的な関係を築くよりとにかく多くの女性とセックスしたい、男同士の間で「おまえあいかわらずだなーwww」って言われたくてスタンプラリーに奔走する、自称・自信があるナルシストヤリチン。

ポケモンコンプリートの時から精神構造があまり変わってない彼らですが、なんだかんだ「付き合いたいと思える子がいるならつきあいたいし、いつかは結婚したい」というドリームを持っています。

ヤリチンに「どんな子と付き合いたいの?」と尋ねると「ちゃんとしている子」という実に曖昧なふわっとしたゆるふわ回答が高確率で返ってきます。

ごめん、私にあいまい検索機能はついてないよ?

ヤリチンが結婚を見据えて付き合いたい女

「ちゃんとしてる子」というテンプレ返答を聞いた瞬間「ハイハイでましたドンドン!」という脳内ツッコミがスパークするわけですが、「ちゃんとしてるってどんな子?」と、定義と具体例を求めた結果、出てくるのがだいたいこんな感じの回答。

嫁候補?遊びじゃなくて?あー性格が優しくて、ちゃんとした仕事してる子。ちゃんと仕事してて、MARCHくらいの大卒レベルとかあれば十分。もう美人かどうかはあんま関係ないね。ちょっとふっくらしてるぐらいでもいんじゃない?地味でもぜんぜん問題ないよ。俺わりとそーいうところオープンだし。

ヤリチン界の住民はチン悪魔と契約しててこう言わないと勃起魂を抜かれるのかな?と思うぐらい、だいたい皆いうことが同じ。そしてこれも共通する特徴なのですが、結局こういうこというヤリチンは「ちゃんとした女」じゃない微妙な女を選んでいるということ。

今回は、「女のことなんてわかってるぜ」というしたり顔のヤリチンがなぜ「ちゃんとした女性」を見極められないのかを考察します。

 

そもそも「ちゃんとした女性」とは何か

ヤリチンのいう「ちゃんとした」の定義がそもそも曖昧だったりするので、言動からみる「ちゃんとした」女性像を推測してみましょう。

  • TPOをわきまえた振る舞いができる
  • 自活できる程度の収入を自分で得ることができる
  • 礼儀作法を身に着けている
  • 口に出して恥ずかしくない程度の学歴(MARCH)で、最低限の脳みそがある
  • 優しい、気配りができる

要するに「妻」として自分の横に置いておいた時に「恥をかかせない」人間であり、自分の「財産」を搾取するようなことがない程度には働いており、かつ自分よりスペックが低くて「下に見れる」という要素を持っているがゆえに扱いやすく、自分に対して攻撃してこないという意味の「優しさ」を持っていて欲しい、というのをひっくるめて「ちゃんとしている」というのではなかろうか、と思う。

それ、「ちゃんとしてる」んじゃなくて、「見下しつつ人前に出せる」程度レベルの閾値の話では?

「ちゃんとしてる」を自意識翻訳しよう!

こうした、ヤリチンの「ちゃんとした女性がいい」ポエムは女性向けです。もっというとあまり恋愛偏差値が高くない女性に向けて「俺はちゃんと考えているし、派手じゃない子にもチャンスはあるよ?」というアッピルをしているプロパガンダなので、自意識を見える化しましょう。

嫁候補枠は、容姿は美形にこしたことはないが、それよりも、自分に口答えしないし、好き勝手してもあまり文句を言わなくて、自分を気持ちよくさせてくれて、浮気はどーせするんだけどバレたときにガチ詰めできないタイプで、でもあるていど外に出しても恥ずかしくない程度の社会人経験と常識がある子。いつもどおりセフレやテキトーに釣った子とセックスをしている片手間に、同時並行で口説く。時間をかければ真剣味が出るし。 できれば大卒がいいけど、自分より偏差値が高い女はコンプレックスが刺激されるし、頭の回転が速い女は扱いづらいから面倒くさいのでお断り。どうせ浮気するから、たいして他の男に寄られない程度でいい。見栄えだけの女とはもう腐るほどやってるから、いまさら容姿は気にしないよー外に出しても恥ずかしくない程度はキープしてくれないと浮気しちゃうけどねーまあ別にそうじゃなくても浮気するけど!

言霊~。

言葉って、いろんな意味を持つから難しいですね!

ヤリチンが選ぶ「ちゃんとした女」の正体

そんなヤリチンが選ぶ「ちゃんとした女」は、大まかにいうとこの3パターンです。

  1. 「結婚を最終ゴール」とする普通の皮を被った猛禽女子
  2. 恋愛に慣れていないメンヘラ予備軍
  3. 自己承認が低いモラハラ被害予備軍

1 「結婚を最終ゴール」とする「普通」の皮を被った猛禽女子

ヤリチンはさんざん女を食いまくりますが、ある程度を越えると「派手っぽい、今風っぽい、かわいい、美人」を敬遠しだします。

ヤリチンが遊ぶ場所にくる美女は、だいたい読者モデル・ミスコン・モデル・コンパニオンなどを経験し、女子アナ・CA・広報・マーケなどのキラキラ職業についている女子が多いです。

経営者と遊ぶ「プロ彼女」予備軍の派手さになんとなく辟易している、アーンド、そういった女子を「頭の悪い尻軽ビッチ」と軽蔑していたりもするので、嫁には素朴・純朴な要素を求めた結果、中の上(甘めにつけて)みたいな女だったらそんなことないだろう、と安心感を求めて選んだりします。

が、それが最も性根が腐敗している猛禽系地雷女だったりする。

イージーモード、俺でも攻略できそう!みたいな雰囲気を醸し出す女の擬態力をなめてはいけません。例えて言うなら、彼女たちはユニクロ。見た目は誰でも使える感じだけど、裏で動かしてる経営者やコンサルぶちこみまくってるシステムやロジスティクスの業務効率化ぶりはすごいでしょ?ヤリチンがいってる「ちゃんとした女」はあれと同じ。

2 恋愛に慣れていないメンヘラ予備軍

まあ、本当に恋愛に慣れてない女もいますよ。ただ、色恋沙汰に慣れてなさすぎる女子がヤリチンとつきあうとたいがいが途中でメンタル闇落ちして魔女化するので、ヤリチン側が逃げ出します。めんどくさいのが嫌いでできる限り責任を取りたくない、女とがち向き合いたくないヤリチンにとっては、かっこうの言い訳になりますね。付き合ってる途中でメンヘラ化しなくても、どーせ結婚して浮気再開したらだいたいどっかでメンヘラ爆発するものです。

3 自己承認が低いモラハラ被害予備軍

あとは、自己承認が低いタイプの女性。こちらは「嫌われたくない」「これを逃したら私なんか次がないかもしれない」という恐怖があって、言いたいことを言えない女性。こちらはメンヘラ予備軍と違い、自分をどこまでも殺しにかかって、彼氏がしょっちゅう朝帰しても何も言わないので、男側はどんどん傍若無人になっていきます。

たぶんヤリチンがいちばん欲しいのは「セックスができる(ついでに他の女とセックスしても問題ない)ママ」なんだけど、結局これって累積で恨みや不満がたまっていくものなので、どこかで爆発小町するんですよね。

ここらへん、ヤリチンが求める「MARCH」レベルの知能ってのが絶妙で、「自分で考え、行動できる頭を持つ」女を選ぶと後々の破綻リスクが高まるし、だからといってあまりに頭が悪いと自分と比べてレベルが低すぎてイライラする、というさじ加減の結果が「MARCH」って言ってるんだと思ってます。

「ちゃんとしてる」=見下し・搾取が前提の関係

さて、こうした3タイプの女子がいわゆる「ちゃんとした女子」かどうか甚だ疑問です。だって要は「他人を搾取できる自己中タイプ」か、「自己中タイプに搾取されるタイプ」のどちらかだもん。あとは両者が悪魔合体した共依存。

「ちゃんとしてる」っていうより、殴り合いできるほどお互いに自己中か、「都合がよくて気持ちよく搾取できる」ってだけ。

お互いに相手をひとりの人間として尊重し、敬意を払いあえる関係とは無縁です。とりあえずフェア精神と人間への敬意はないよね。

ユニクロ女子、ファストファッション恋愛、貧しい女性像

でもナルシストヤリチンはこれを「ちゃんとしてる」という。彼らの話を聞いていると、その原因として「女性像の貧しさ」をものすっごく感じる。

「俺でもこんなに簡単に落とせるなんて、本当に女なんてたいしたことない」と彼らは自慢しますが、その度に「うんうん、つまり君は知性や自尊心がある女性にちゃんと相手にされたことがないんだな???」としか思いません。

そりゃー数をこなすなら、イージーなユニクロ女子を食いまくり、ファストファッションな関係構築ばかりになりますね。女性のことは記号扱いで、お互いの心をのぞきこむことをしないから、全員が同じに見えるし、似たような会話しかできない。だから、女性像コーデの幅が広がらないんだと思います。

女を見下すけど女に期待してもいる、見下しロマンティカ

とかゆー割に、ナルシスト・ヤリチンはロマンティカです。これこれ。こんな感じ。

「自分にふさわしい、もっといい女がいるのではないか」という願望を抱きつつ、女相手に敗北感を味わうのはプライドが許さないため、自分が確実に刈り取って勝てるイージーゲームに流れます。

たまに「ちょっとこの女子は違うかも」なんて期待する女子にあったとしても、自分のヤリチンテクニックに引っかかると「他の女たちと同じなのか」と失望する、の繰り返し。

感じる…「見下し」の霊圧…撤退だ…

結果、ウディ・アレンの「僕は僕を入れるようなクラブに入りたくない」よろしく、「俺を好きになるような女を俺は好きじゃない」といったTHE★こじらせ病を無意識に重篤化させていき、「もっと女の子にがんばってほしいんだよね、俺なんかに簡単にヤラれちゃってさー」と笑顔で言っちゃうのがナルシスト・ヤリチン。

 ですが、そういう見下し感はすっごい漏れでております。

そして残念ながら、この「見下しオーラ」が、彼らが言うところの「自分に簡単に引っかからない理知的な女たち」を遠ざけています。

特に日本では、優秀な女性ほど「女性なんだから」という理不尽な男性マウンティングにさんざん出くわしているため、「見下し」の霊圧を感じた瞬間に精神シャットアウトが基本。

自分を見下して搾取しようとするブラック企業に、優秀な社員が入ってくるかっていったら来ないよねー。説明会段階でやばみ!退散!爆破!てなるし、他の優良な会社はいっぱいあるし。選ぶ理由が1ミトコンドリアもない。なのにブラック企業経営者は「最近の若者は気概がない!」とか言ってるわけでしょ。ナルシストヤリチンもまったく同じ。スルーされてることにすら気づかない。

結論:女性像が貧しい男性=見下しヤリチンの可能性。全力で回避すべし

大自意識過剰時代に突入しているナルシストヤリチンは、精神の中折れを知りません。

イージーモードで臨んでイージーに狩っただけでも、一定数は食える・落とせる・手に入れられる、という事実はあるので、周りには「すごいなー、モテるよねー、食えるよねー」といった対外評価は強まっていくし、本人自身も「俺できるじゃん」といった自意識を強めていくばかり。

ヤリチンの中でも「見下し系ナルシストヤリチン」は、視野の狭さを補正できる機会が少ないので、そのままテキトーに「ちゃんとした女」と結婚して、飽きて浮気を繰り返すのだと思います。たぶん慰謝料地獄にはまるか、物理で刺されるかしないと中折れしないので、好きに生きろ!こっちにくんな!としか言いようがないですね。

彼らはお互いに敬意を払うパートナーシップとは無縁の人種です。見たら避ける!見下しの霊圧を感じたら即撤退!モテオーラとスペックは無視しろ!サーチアンドデストロイ!この初動を徹底しましょう。ぱぷりこでした。

 

 オマケ

そういえば、大好き恋愛工学の藤沢氏もこんなこといってましたーね(・ω・)

しかし、偏差値50~60ぐらいの女とホイホイとセクースできるのはなかなか心地よい日常です。 この居心地のよさにすっかりハマってしまい、仕事や趣味に精を出すモテ男は意外と多いのです。 本来なら、偏差値70以上の派手なモデルとかをターゲットにがんばってみればいいのですが、この寄ってくる、勝手に落ちてくる女を拾うと言う安易な生活をしていると、すっかりスポイルされてしまうのです。 実際、金持ち・イケメンで頭もいいハイスペックな男は、中の上ぐらいのどことなく家庭的(しかし、同性の友達からは影でビッチと呼ばれている)な女と結婚することが多いようです。

金融日記 セフレ(不倫)トラップに気をつけろ!

「合コンで、颯爽と“お持ち帰り”する男、“性交者”の最大の武器は、類いまれなる眼力、ヤレる女か否かを見抜く力だ」――しゃらくせえとわかってても、つい熟読しちゃうんだ。な?

 

主人公の1000人切りヤリチンが、「女=記号」と見てスタンプラリーしまくる心理描写をのぞきこめます。本作ではたった1人の超好きな女の子を見つけてはじめて「女=ちゃんとした人間」として向き合う(でもひどい童貞先祖返りする)んだけど、まあこれマンガだからな!!!!!!! 理想の女を求めてさまようヤリチン紳士は諦めてください。

恋愛格闘家

恋愛格闘家

 

泣き笑い傷つきながら、ヤリチン地獄から抜け、パートナーとしての「いい男」と結婚したアルテイシアさんのむき出しの体験談。読みながら「まじすか!」となる。てゆーかよくこの地獄から生還されましたね…と敬礼します。本に向かってだけど。アルテイシアさんさいこー!すてきー!!お姉さまー!!!ヤリチンをこれからもずっばずっばぶった切って捨ててください!!!

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

 

ごめんね、あなたの存在は軽いの。傷つかず、自分の楽で優位なポジションを放棄せず、自分だけのオンリーワンなど見つけられないということを、痛いほど見せつけてくる恋愛哲学小説。ここに出てくるヤリチンおじさんはあらゆる女の違いを知りたいという好奇心のまま、美人のアーティストから窓ふきのおばさんまで、毎日毎日、女を口説いてはやりまくる。でも、ひとりの女に心を持ってかれてしまってからは、苦悩と(なぜか)哲学する。さっすがフランス語圏。でも、ヴァギナを「デルタ」って呼ぶのはやめろホント???

主人公アルビーは、自分のしたいようにし、身勝手にふるまい、多くの女性がいるのに、自分が惚れたアニーに対して独占欲をむき出しにしてみたり、ともう「滅せよ!」って感じのダメ男。だけど傑作。

 

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「ちゃんとした女」には有効じゃないヤリチンの手口。それでいうと「ちゃんとした女」だと思うと戦略変えたりするんだけどね★

「付き合わないとヤらない」はヤリチンを萎えさせる素敵ワードですが、「俺のこと、嫌い?」などの曖昧ワードで回避された後に消費されないようにね!