昔の物は面白い?
私のような中年になって評論をいろいろ書いてると「昔の物(自分の好きなもの)ばかり誉めて、最近のものは馬鹿にしてる」なんてことを、したり顔で言われたりします。
もう、過去どれだけ駄作を見ているか というのもちょっと考えていただければ嬉しいものです。今になって、タイトルを引っ張り出すのは山ほどの見てる中のほんの一部にしか過ぎません。
それと、過去の作品の模倣が多いことも事実です。模倣の意識は無くてもそうなってしまうぐらいパターン化されています。
例えば『1日だけの淑女』という1933年の映画(フランク・キャプラ)があります。 リンゴ売りの老婆が、娘に「アメリカで成功している」と嘘の手紙を送っていたら、娘がヨーロッパで貴族と結婚して、こっちにやってくるからさあ大変。というお話。
ピンと来た人も多いかと思いますが、「家族に嘘出世」ネタとして何百回と無く同じコンセプトが使い回されています。
系譜の古さを知ってる自慢は、大変馬鹿げたことです。 こういう人種は私も大嫌いです。(残念ながらオタク業界はかなり多い) しかし論理的に評する上での足がかりの一つにはなります。
ドラマ的な面白さを、自力で考え出しているのか、それとも流して作ってるのかでは、出来に大きな違いがあります。
私の場合は、そういうところを評価基軸にしてるだけで、「面白かった」「感動した!」みたいな感情評価とは違っているだけのことです。
どういう経路で作られたにせよ、自分を感動させた映画なら、それを自分の言葉で、評価すればいいのです。 自分と同じ感動基準を、他人が持ってるとは限らない。それだけのことです。
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