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2006-08-14

〔いんさいど世界〕 レバノン「停戦」 「ほんとうの戦争はいま始まった」 ゲリラ戦争 イスラエル軍敗北の公算 ロバート・フィスク記者が予測

 国連の「レバノン停戦」で戦闘は終結しない。「停戦」とともに実は「ほんとうの戦争が始まったのだ」――中東問題の権威ともいえるベイルート駐在のジャーナリスト、ロバート・フィスク記者が英紙インディペンデント(電子版、8月14日付け)が言明した。

 戦争は終わるのでなく、これから始まる、いや始まっている。イスラエル軍はいまや、「その歴史において、もっとも苛烈なゲリラ戦争に直面している」――これが、世界が最も信頼するフィスク記者の見立てである。

  そして、その「ほんとうの戦争」はおそらく、イスラエルの敗北で終わる、と。

 「前日」の1日だけで――と、フィスク記者は記している――少なくとも39人、恐らくは43人ものイスラエル兵がヒズボラの反撃で殺された。
 そしてヒズボラはイスラエル領内に「ミサイル」をなお撃ち続けている。 
 それが現実である。

 イスラエル軍当局は「クリーニング」とか「モップがけ」といった言葉でレバノン南部を掃討するといっているが、実際に「モップがけ」しているのはヒズボラの方。
 たとえばヒズボラは12日夜、イスラエルの軍用ヘリを撃墜し、イスラエル軍は救助に向かったが、昨夜(13日夜)現在、現場にたどり着けないでいるではないか。

 
 フィスク記者によれば、ヒズボラの最高指導者、ナスララ師は12日に、こう言ったそうだ。
 
 ヒズボラの戦士はリタニ河の河岸で待ち構えている(さぁ、かかって来い!)
 仕掛けた罠で、過去3時間以内に20人ものイスラエル兵を殺したぞ!

 
 今後の戦況の行方については、フィスク記者に聞くまでもない。

 イスラエルは面子にかけてもレバノンを撤退できないから、地上部隊は南部に踏みとどまる。
 それはヒズボラにとって、願ってもないチャンスの到来。
 「ゲリラ戦争」の幕開けである。

 イスラエルはそれでもなんとかヒズボラの息の根をとめようと、空からの攻撃を激化させるだろう。
 米軍がかつてベトナムで、いまイラクでしているように。

 しかし、地上ではゲリラ戦の勝ち戦(ヒズボラ)と負け戦(イスラエル)が「同時進行」していくだろう。
 その「終末」には、「破局」しか待ち受けていないのか?……

 フィスク記者は記事の最後を、こんな一文で締めくくっている。

 「悲劇的なことに、そしてあらゆる当事者にとって致命的なことに、ほんとうのレバノン戦争は、きょうこの日、まさに始まった」


http://news.independent.co.uk/world/fisk/article1219037.ece

Posted by 大沼安史 at 10:05 午前 1.いんさいど世界 |

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