ǑＫＫＡＮＡＢＩＫＫＵＲＩＮＧ

占いを信じない私（→じんくす話。）は、化粧品も信じない。

そもそも皮膚は（話が大きい）体表から外部刺激の侵入を防ぐ、いわば天然の防護壁であって、何か塗りつけたところで、何が起こるとも思えない。

塗ったり剥がしたり、日々美を追求する皆様の努力には頭が下がるけれど、無精者にはとても無理である。

そんな私が昨日、洗面所の抽斗から、丸いシールのようなものを見つけたが、覚えがない。



なんだコリャ？

気になるシミやそばかすに貼って寝るだけ！

シミやそばかすに貼れというだけで、貼るとどうなると書かないあたり、老獪である。

自分で買うわけないから、誰かくれたのだろう。ありがとうと受け取り、ここに入れたきり忘れてしまったのだ。

使わないで捨てるのも気が引けるので、歯を磨いたあと、目立つシミにペタペタと貼り

それにしても誰がくれたんだろう…

寝床の中であれこれ考えたけれど、分からないままにいつの間にか眠ってしまった。

翌朝、起きてネマキのままボンヤリしていたら、遠くでゴーッと音がする。

…ハッ！

新年最初のもえるゴミの日だ。あわててズボンをはき、ダウンを着て、いつもより重たいゴミ袋をひっつかみ、飛び出した。

ゴミステーションに着いたら、２ブロック向こうに、収集車の鼻先が見えていて

あー　危なかった…

ギリギリ間に合って、ホッとして玄関を入った時

…ハッ！！！

顔面にペタペタ貼った丸いパッチに気がついて、全身がカッと熱くなった。

よく考えると、こんなものをくれるということは

アンタ　シミだらけよ　なんとかしなさいよ

面と向かって言われたと同じではないか。

パッチを剥がしながら、誰だか思い出せない誰かに、あらためてふつふつと怒りが湧いた。




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