ヴァーノン・ハンドリー(指揮者) 逝去
リンクしたHMVの追悼記事にもあるように、ハンドリーは生涯を通じ、イギリス音楽の伝道師として活躍しました。そして若い頃にサー・エイドリアン・ボールト(1889-1983)に師事したハンドリーは、ボールトから多くを学び、それを確実に音楽に反映させていたという点でも、特筆すべき存在でした。
●ホルスト「惑星」(Royal Philharmonic, FX-826)
ハンドリーがボールトから受けた影響がうかがえる一枚。特に「木星」の中間部での、ボールトばりの一定の節度を持ったカンタービレに痺れる。
●エルガー「チェロ協奏曲」他(EMI, 50999 5 01409 2 3)
チェリスト、ナタリー・クラインの名前が前面に出ているが、(私の記憶が正しければ)指揮者ハンドリーにとって最後の商業録音。ハンドリーはロイヤル・リヴァプール・フィルから「こく」のある、実に味わい深い響きを引き出している。
(追記)ハンドリーの遺した録音の幾つかは、「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」(有料・要会員登録)で聞くことができます。「Vernon Handley」で検索すると、バックスやスタンフォードはもちろん、モーツァルト「交響曲第40番」や、ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」(共演:アーヴェ・テレフセン)なども出てきます。
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