iPhoneのUIに思うところ
ここ数カ月、ちょこちょことiPhone用のアプリ(主にゲーム)を買って調べている。まあそれほど遊びたいわけじゃないんだけど、ユーザーインタフェースの研究を兼ねてね。単価が安い(1000円程度が多い)のでつい気軽に買ってしまい、1~2回しか起動してないのがいっぱいあるんだけど。
しかしiPhoneでなにしろ重要なのは、ちょっとしたダイアログボックスを出すのでもアニメーションしたりフェードイン・アウトしたりの視覚的なエフェクトを工夫するのが当然のプラットフォームになっている、ってことだ。これは家庭用ゲーム機やゲームセンターでは10年以上前から常識だったけど、ビジネス用アプリケーションではなかった。
一般に、プラットフォームではその代表的なアプリケーションがUIの標準を決める。WindowsではエクスプローラやWordやExcelが代表的なアプリケーションであるから、その流儀に従うのが正しい。どんなに格好いいUIを思いついたとしても、「Excelではこうなのに」とユーザに思われてしまえばそれまでだ。ユーザーインタフェースに関しては、初めて使うときでもユーザ自身の過去の経験から機能が類推できる、というのがきわめて重要である。
また、ビジネス用アプリではゲームと違ってユーザは他のアプリと切り替えながら同時に使うものなので、どのアプリもデザインセンスがある程度統一されていることが望ましい。この点でもOfficeをまねるのは正しい。(ちなみにLinuxのデスクトップが流行らないのはUIをリードするアプリケーションがないからだと思う)
今後5~10年かけてマイクロソフトがゆっくり衰退していくのは多くの人が同意することだろうけど、その敗因は視覚効果を軽視してきたWordやExcelや(その他のアプリケーションを作る道具である)VisualStudioにかなりの割合があるように思うようになってきた。携帯デバイスよりPCのほうがプロセッサ・メモリ・画面面積すべて有利なんだから、せめてFlashレベルのアニメーションを使ったUIをネイティブでサポートし、WordやExcelで範を示すということをしてもらいたかった。
(ついでに言うと、何でWindowsのフォントはあんなに汚いんですかね。この点ではAppleは抜群にすばらしい。)
もう携帯電話もタッチパネルが続々と搭載されているし、iPhoneが持ち込んだカルチャーが急速に勢力を拡大しているのは明らかなので、GUIを扱うエンジニアは一通りのゲーム開発に必要な知識も押さえておくべきだろう。
手始めにiPhoneでのOpenGL ESを攻略しようと思っている。
というかですね、もうじき子供が生まれるので(来年2月下旬予定)、MacBook1台あればできる作業を手元にたくさん用意しとかないと時間が相当無駄になってしまうんですよ。今から態勢を整えないとね!
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コメント
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Macはデザイナーに人気あるけど
こういう理由もあったんですね~
投稿: | 2008.12.13 13:18