映画評論家・町山智浩「アカデミー賞受賞式でジム・キャリーがレオナルド・ディカプリオに向けたメッセージ」
2014.03.05 (Wed)
2014年03月04日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『たまむすび』(毎週月-金 13:00 - 15:30)にて、今回のアカデミー賞受賞式で、ジム・キャリーが語ったコメントについて、その裏にあるメッセージがレオナルド・ディカプリオに対するものではないか、と語っていた。
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赤江珠緒(以下、赤江):ディカプリオさんも、今後、アカデミー賞獲れないって言われてて、今回も獲らなかったじゃないですけ。
山里亮太(以下、山里):ハマらないですね。
町山:ディカプリオはね、本当に一生懸命、アカデミー賞を獲れるような映画を自分でプロデュースして作ってるんですよ。
赤江:はい。
町山:どの映画も、俳優としては凄いんですけど、ノミネートもされなかったりするんですね。
山里:なんでですかね?
町山:分からない。嫌われてるのかもしれないですね。見た目では分からないから、裏で怒られるようなことをディカプリオしてんじゃないかって。
山里:ふふ(笑)
町山:会員の彼女とっちゃったりとか。
山里:それくらいで?(笑)
町山:だって変なんだもん。ディカプリオが嫌われる理由が、表面に出てこないんだもん。
山里:町山さんから観ても、出ている映画や演技も凄い良いんですよね。
町山:凄いですよ。
赤江:『華麗なるギャツビー』もね。衣装デザイン賞は獲ってるんですけどね。
町山:彼の周りで、どんどん持って行かれて、彼だけ獲れないっていうのが続いてますよ。
山里:へぇ。
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町山:今回は、獲れるんじゃないか、と。『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』で。だけど、マシュー・マコノヒーが『ダラスバイヤーズクラブ』で、鬼気迫るほど体重を減らして、骨と皮になってエイズ患者を演じたんで、それに比べるとディカプリオは逆で。
赤江:はい。
町山:高級な食べ物を朝から晩まで食べて、女の子はべらかして、楽しさの限りを尽くしてますから。それと、餓死限界まで頑張った人と比べてると、それは楽しいことをしている人は、獲れないでしょ(笑)
山里:楽しいっていう役をやってただけで、めちゃめちゃ楽しんでいたってことではないですからね(笑)
町山:分からないけどね。見た目、楽しそうに見えるじゃない。3時間、ずっと悪いことしてるだけですよ、ディカプリオは。ありとあらゆる悪いこと。凄いことになってますよ。それを観て、「この人に賞をあげよう」って思うかっていうと、一生懸命、頑張ってる人にあげようって思いますよね。
赤江:マシュー・マコノヒーは、だいぶ戻ってらして。
町山:まだ大分、痩せてますよ。昔はもっと、筋肉モリモリだったんで。
赤江:へぇ。
町山:自分でインタビューでも言ってましたけど、「昔はバカ俳優だと思われていた」と。
山里:マッチョの(笑)
町山:ラブコメに出ては、腹筋を見せびらかして、やたらとシーツの下から裸で出てきて、「昨日はどうだった?」みたいな役ばっかりだったんですよ(笑)
赤江:あぁ(笑)
町山:女の子のファンを集めるハンサム役者ってことで。まともな俳優と思われてなかった、と。特に、裸でボンゴを叩いて警察に捕まった事件とか、マヌケな事件が多くて。
山里:それは実際の生活?(笑)
町山:実際の生活で。ほとんど、裸族なんですよ。マシュー・マコノヒーさんは。しょっちゅう全裸事件を起こしたり、ジョギングでは必ず上、裸なんで。
山里:珍しくないんですね。
町山:ハリウッドスターって、存在自体が珍しいですけど、この人は、パンツ一枚でよくジョギングしてるんで、あまりありがたみのない人なんですけど(笑)そういう意味で、笑われてた。でも、最近は良い芝居ばっかりして。ガッツリ賞を獲ってったっていうね。
赤江:そうですね。
町山:40過ぎて、ハンサム役者にはそこで壁があって。いい俳優になるための、真面目な良い役をキッチリやってみせないとダメなんですよ。年をとると、ハンサム役って、そんなに来なくなるんです。
山里:はい。
町山:それは30代の人に持って行かれてしまう。そうなると、仕事が無くなっちゃうんです。そういう俳優、結構いて、ジュード・ロウとか、コリン・ファレルとか、30代は二枚目俳優として人気あったんですけど、40代に入って失速してたのは、そういう映画に出損なったからなんです。
山里:あぁ。
町山:演技派に転向しなきゃならなかったのに。ディカプリオは、それを必死にやろうとして、演技派転向のための努力をしてきたんですけど、全然ダメだったんです。あまりにもダメだったんで、何度も引退宣言して。
赤江:そうですよね。
町山:一生懸命しても、全然ノミネートされないから。「ふざけんじゃない、辞める」みたいなことを言ってるんですけど。
山里:はい。
町山:今回、面白かったのは、アカデミー賞のプレゼンターの最初の方で、ジム・キャリーが出てきたんです。
山里:はい。
町山:そこで、ジム・キャリーが「みんな一生懸命やってるね。俺はアカデミー賞にノミネートされようとする努力なんて、もう辞めたよ」って言うんです。
赤江:あぁ、ジム・キャリーが。
町山:ジム・キャリーは、1990年代から2000年代にかけて、物凄いシリアスで渋い映画にいっぱいでて。『トゥルーマン・ショー』とかね。
山里:あぁ。
町山:そういうのにいっぱい出て。『マン・オン・ザ・ムーン』とかですね。演技派としての地位を確立しようとしたんですけど、アカデミー賞に全く相手されなかったので、「もうそういう真面目な映画には出ない」って出なくなっちゃったんです。
山里:あぁ、そうなんですか。
町山:あれは多分、ディカプリオに対するメッセージですね。「お前も、俺と同じで嫌われてるから」って。
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赤江珠緒(以下、赤江):ディカプリオさんも、今後、アカデミー賞獲れないって言われてて、今回も獲らなかったじゃないですけ。
山里亮太(以下、山里):ハマらないですね。
町山:ディカプリオはね、本当に一生懸命、アカデミー賞を獲れるような映画を自分でプロデュースして作ってるんですよ。
赤江:はい。
町山:どの映画も、俳優としては凄いんですけど、ノミネートもされなかったりするんですね。
山里:なんでですかね?
町山:分からない。嫌われてるのかもしれないですね。見た目では分からないから、裏で怒られるようなことをディカプリオしてんじゃないかって。
山里:ふふ(笑)
町山:会員の彼女とっちゃったりとか。
山里:それくらいで?(笑)
町山:だって変なんだもん。ディカプリオが嫌われる理由が、表面に出てこないんだもん。
山里:町山さんから観ても、出ている映画や演技も凄い良いんですよね。
町山:凄いですよ。
赤江:『華麗なるギャツビー』もね。衣装デザイン賞は獲ってるんですけどね。
町山:彼の周りで、どんどん持って行かれて、彼だけ獲れないっていうのが続いてますよ。
山里:へぇ。
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町山:今回は、獲れるんじゃないか、と。『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』で。だけど、マシュー・マコノヒーが『ダラスバイヤーズクラブ』で、鬼気迫るほど体重を減らして、骨と皮になってエイズ患者を演じたんで、それに比べるとディカプリオは逆で。
赤江:はい。
町山:高級な食べ物を朝から晩まで食べて、女の子はべらかして、楽しさの限りを尽くしてますから。それと、餓死限界まで頑張った人と比べてると、それは楽しいことをしている人は、獲れないでしょ(笑)
山里:楽しいっていう役をやってただけで、めちゃめちゃ楽しんでいたってことではないですからね(笑)
町山:分からないけどね。見た目、楽しそうに見えるじゃない。3時間、ずっと悪いことしてるだけですよ、ディカプリオは。ありとあらゆる悪いこと。凄いことになってますよ。それを観て、「この人に賞をあげよう」って思うかっていうと、一生懸命、頑張ってる人にあげようって思いますよね。
赤江:マシュー・マコノヒーは、だいぶ戻ってらして。
町山:まだ大分、痩せてますよ。昔はもっと、筋肉モリモリだったんで。
赤江:へぇ。
町山:自分でインタビューでも言ってましたけど、「昔はバカ俳優だと思われていた」と。
山里:マッチョの(笑)
町山:ラブコメに出ては、腹筋を見せびらかして、やたらとシーツの下から裸で出てきて、「昨日はどうだった?」みたいな役ばっかりだったんですよ(笑)
赤江:あぁ(笑)
町山:女の子のファンを集めるハンサム役者ってことで。まともな俳優と思われてなかった、と。特に、裸でボンゴを叩いて警察に捕まった事件とか、マヌケな事件が多くて。
山里:それは実際の生活?(笑)
町山:実際の生活で。ほとんど、裸族なんですよ。マシュー・マコノヒーさんは。しょっちゅう全裸事件を起こしたり、ジョギングでは必ず上、裸なんで。
山里:珍しくないんですね。
町山:ハリウッドスターって、存在自体が珍しいですけど、この人は、パンツ一枚でよくジョギングしてるんで、あまりありがたみのない人なんですけど(笑)そういう意味で、笑われてた。でも、最近は良い芝居ばっかりして。ガッツリ賞を獲ってったっていうね。
赤江:そうですね。
町山:40過ぎて、ハンサム役者にはそこで壁があって。いい俳優になるための、真面目な良い役をキッチリやってみせないとダメなんですよ。年をとると、ハンサム役って、そんなに来なくなるんです。
山里:はい。
町山:それは30代の人に持って行かれてしまう。そうなると、仕事が無くなっちゃうんです。そういう俳優、結構いて、ジュード・ロウとか、コリン・ファレルとか、30代は二枚目俳優として人気あったんですけど、40代に入って失速してたのは、そういう映画に出損なったからなんです。
山里:あぁ。
町山:演技派に転向しなきゃならなかったのに。ディカプリオは、それを必死にやろうとして、演技派転向のための努力をしてきたんですけど、全然ダメだったんです。あまりにもダメだったんで、何度も引退宣言して。
赤江:そうですよね。
町山:一生懸命しても、全然ノミネートされないから。「ふざけんじゃない、辞める」みたいなことを言ってるんですけど。
山里:はい。
町山:今回、面白かったのは、アカデミー賞のプレゼンターの最初の方で、ジム・キャリーが出てきたんです。
山里:はい。
町山:そこで、ジム・キャリーが「みんな一生懸命やってるね。俺はアカデミー賞にノミネートされようとする努力なんて、もう辞めたよ」って言うんです。
赤江:あぁ、ジム・キャリーが。
町山:ジム・キャリーは、1990年代から2000年代にかけて、物凄いシリアスで渋い映画にいっぱいでて。『トゥルーマン・ショー』とかね。
山里:あぁ。
町山:そういうのにいっぱい出て。『マン・オン・ザ・ムーン』とかですね。演技派としての地位を確立しようとしたんですけど、アカデミー賞に全く相手されなかったので、「もうそういう真面目な映画には出ない」って出なくなっちゃったんです。
山里:あぁ、そうなんですか。
町山:あれは多分、ディカプリオに対するメッセージですね。「お前も、俺と同じで嫌われてるから」って。
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