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伊集院光「ラブプラスとの恋愛を肯定する日本昔ばなし」
2011.08.10 (Wed)
2011年08月08日放送の「伊集院光 深夜の馬鹿力」にて、まんが日本昔ばなしDVD-BOX 第3集、第4集を観た感想について語っていた。その中で、「正直庄作の婿入り」という話に触れていた。

伊集院光「『正直庄作の婿入り』って話は、良すぎる。変な話、この話だけでムービーにした方が良い。昔話ですから、もう1回ストーリー分かって観ても面白いとは思うんですけど。『正直庄作の婿入り』は、何度観ても、相当良いと思いますよ」
「正直庄作って男が、ある村に住んでるんだけど、その村はね、イケメンだらけなの。美男美女だらけだと。器量の良い者ばかりがいる中で、一人だけ器量の良くない者がおった、と(笑)そのスタートだけでも、既に泣いちゃうでしょ(笑)もう既に、『これ、子供に見せるものなの?』って感じだけどね」
「どういうイタズラで生まれちゃったの?ってことなんですけど、正直庄作は、独りぼっちなんです。正直庄作が、いつも拝んでるお地蔵様がいて、そのお地蔵様に『寂しい』って言ってるんですよ。それで、正直庄作は、明るくて働き者なの、スゴイ。メチャクチャ良いヤツなの」
「それで、自分は何の不満もないし、イケメンにして欲しいとは思わないんだけど、独りぼっちは寂しいと。だから、嫁が欲しいなぁなんて言ってるの。それで、いつもお地蔵様に拝んでるの。その帰りに、狐の嫁入りみたいなのを見て。結構、序盤にね。『綺麗だなぁ。狐もお嫁さんもらってるから、俺ももらえるといいなぁ』なんて言ってるの。それで、一生懸命働くの」
「正直庄作は、ちょっとバカなんだけど、スゴイ良いヤツで。でも、イケメンの奴らが、スゴイ嫌な奴らなの。たとえば、田んぼを耕すのを手伝って、全面耕して。それで、『お給料下さい』って言いにいくと、『お前の先祖に、ウチは米を三合貸している。その米を貸して、かなり経ってる。利子を考えたら、お前がそんな金をくれなんてことを言える立場じゃない』って言われるわけ。そうしたら、『ウチは貧乏だったから、親が借りてたと思う。だから、ごめんなさい。お金をくれなんて言って、ホント、ごめんなさい』って言って(笑)」
「それで、次の日に柴刈りで、スゴイ量の柴を拾ってくるワケ。働き者だから。それで、山を下りてきたときに、柴刈りに来た別の女性とすれ違うワケ。そうしたら、女の人が『それ、アタシのじゃない?前に、それは私が次の時に拾いに来ようと思って、置いてきたヤツだから。全部ね』なんて言って。そしたら、正直庄作は全然困った顔をしないで、『ゴメン!知らなかったから』なんて言うの。もう、ちょっと泣きそうでしょ?」
「その女の人は、綺麗なの。柴を持って来て、その女性とすれ違ったら、前のくだりで庄屋さんにヒドイ目に遭ってるから、その女性と恋に落ちると思うじゃん。そうしたら、『悪いと思う心があるんなら、ウチの前に置いておいて』なんて言うの」
さらに、以下のように語っていた。
「それで次に、鮎を釣ってたら、別のイケメンが『ちょっと待ってって。それ、俺んじゃん』って川で言うわけ。そしたら、またゴメンって言ってあげちゃうの。それで、その帰り道でお地蔵様の前で、『今まで、嫁が欲しいとか、寂しいとか言ってすみませんでした。僕みたいな、駄目な人間が、そんな高望みをして、お地蔵様の前でこんな話をして、お地蔵様は、さぞ辛かったろう。本当にごめんなさい』って言うの(笑)拝んですみませんって。凄くない?(笑)」
「ただ、ちょっと待って下さい。お地蔵様にそのことを言ったら、お地蔵様の裏から、狐が出てくるんです。それで、女の人が出てくるんなら分かるじゃん。女の人が出て来て、最終的に狐だったっていうストーリーは分かるじゃん。でも、狐が出てくる。それで、狐が女性に化けて、最終的に、狐のお嫁さんをもらうことになるの」
「いろんな狐が、狐の嫁入りをやって、庄作がお婿さんになるの。なんか分かんないんだけど、これはどういうことなんだろうか、と俺は考えて」
「たとえば、『俺は全然世の中でモテないから、もうアニメでいいや。ゲームでいいや』っていうのは、スゴイ分かるじゃん。そんな世の中の、自分の憧れてた人や、幸せそうな人も、嫌な人だった。それで、自分はモテるわけもないから、そっち側に目覚めて、それはそれで生きていくんだ…そういう話?って思って」
「そんな話ねぇだろって思うじゃん。そうしたらね、狐の嫁入りが終わったところで、実は庄作、道端でグーグー寝てるんです。それで、道を通りかかったイケメンたちのカップルに、『バカじゃないの?』って言われるの。それで、寝言で『狐の嫁さんもらった…』って言ってて、それで『うわっ、気持ちワルい』みたいな」
「それで、俺の中で『おいおい、時間が無いぞ』って(笑)大逆転がねぇぞって思ったら、『そうやってよりバカにされるようになりましたが、前ほどはイヤじゃなくなりました、とさ』だって。こんな悲しい話ありなん?(笑)」
「これをさ、ちびっ子は観て、どうすれば良いの?…俺はこれを観て、ラブプラスに繋がると思った。最終的に、そういうことだと。現実の恋愛とか、人間関係とかが、スッゴイ嫌になったときに、自分の空想の中で、満足な結果が得られたら良いやって話だと思うんだけどね。こんなの、こんな前から肯定されてんだって思って。ちゃんと。なんか、凄いなって」
「実際、熱海に行ったとき、熱海にフィギアと旅行に来てる人がいて。それで、『一緒に写真撮ってください』って言ってくる人がいて。『ニュースでやってたけど、実際にやってるんだ』って言うと、『えぇ、恥ずかしいんですけどね』って言われて。それが土曜日で、今日、この話を観て。なんか分かんないけど、凄いぞ、この話って」
「その感じの人たちが、この話を観たら、『こういう感じも、アリはアリなんだな』って思うんじゃないかなって思ったのが一つ。それにしても、スゲェ話だなって思って。『正直庄作の婿入り』って話に震えましたよ」と語っていた。
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伊集院光「『正直庄作の婿入り』って話は、良すぎる。変な話、この話だけでムービーにした方が良い。昔話ですから、もう1回ストーリー分かって観ても面白いとは思うんですけど。『正直庄作の婿入り』は、何度観ても、相当良いと思いますよ」
「正直庄作って男が、ある村に住んでるんだけど、その村はね、イケメンだらけなの。美男美女だらけだと。器量の良い者ばかりがいる中で、一人だけ器量の良くない者がおった、と(笑)そのスタートだけでも、既に泣いちゃうでしょ(笑)もう既に、『これ、子供に見せるものなの?』って感じだけどね」
「どういうイタズラで生まれちゃったの?ってことなんですけど、正直庄作は、独りぼっちなんです。正直庄作が、いつも拝んでるお地蔵様がいて、そのお地蔵様に『寂しい』って言ってるんですよ。それで、正直庄作は、明るくて働き者なの、スゴイ。メチャクチャ良いヤツなの」
「それで、自分は何の不満もないし、イケメンにして欲しいとは思わないんだけど、独りぼっちは寂しいと。だから、嫁が欲しいなぁなんて言ってるの。それで、いつもお地蔵様に拝んでるの。その帰りに、狐の嫁入りみたいなのを見て。結構、序盤にね。『綺麗だなぁ。狐もお嫁さんもらってるから、俺ももらえるといいなぁ』なんて言ってるの。それで、一生懸命働くの」
「正直庄作は、ちょっとバカなんだけど、スゴイ良いヤツで。でも、イケメンの奴らが、スゴイ嫌な奴らなの。たとえば、田んぼを耕すのを手伝って、全面耕して。それで、『お給料下さい』って言いにいくと、『お前の先祖に、ウチは米を三合貸している。その米を貸して、かなり経ってる。利子を考えたら、お前がそんな金をくれなんてことを言える立場じゃない』って言われるわけ。そうしたら、『ウチは貧乏だったから、親が借りてたと思う。だから、ごめんなさい。お金をくれなんて言って、ホント、ごめんなさい』って言って(笑)」
「それで、次の日に柴刈りで、スゴイ量の柴を拾ってくるワケ。働き者だから。それで、山を下りてきたときに、柴刈りに来た別の女性とすれ違うワケ。そうしたら、女の人が『それ、アタシのじゃない?前に、それは私が次の時に拾いに来ようと思って、置いてきたヤツだから。全部ね』なんて言って。そしたら、正直庄作は全然困った顔をしないで、『ゴメン!知らなかったから』なんて言うの。もう、ちょっと泣きそうでしょ?」
「その女の人は、綺麗なの。柴を持って来て、その女性とすれ違ったら、前のくだりで庄屋さんにヒドイ目に遭ってるから、その女性と恋に落ちると思うじゃん。そうしたら、『悪いと思う心があるんなら、ウチの前に置いておいて』なんて言うの」
さらに、以下のように語っていた。
「それで次に、鮎を釣ってたら、別のイケメンが『ちょっと待ってって。それ、俺んじゃん』って川で言うわけ。そしたら、またゴメンって言ってあげちゃうの。それで、その帰り道でお地蔵様の前で、『今まで、嫁が欲しいとか、寂しいとか言ってすみませんでした。僕みたいな、駄目な人間が、そんな高望みをして、お地蔵様の前でこんな話をして、お地蔵様は、さぞ辛かったろう。本当にごめんなさい』って言うの(笑)拝んですみませんって。凄くない?(笑)」
「ただ、ちょっと待って下さい。お地蔵様にそのことを言ったら、お地蔵様の裏から、狐が出てくるんです。それで、女の人が出てくるんなら分かるじゃん。女の人が出て来て、最終的に狐だったっていうストーリーは分かるじゃん。でも、狐が出てくる。それで、狐が女性に化けて、最終的に、狐のお嫁さんをもらうことになるの」
「いろんな狐が、狐の嫁入りをやって、庄作がお婿さんになるの。なんか分かんないんだけど、これはどういうことなんだろうか、と俺は考えて」
「たとえば、『俺は全然世の中でモテないから、もうアニメでいいや。ゲームでいいや』っていうのは、スゴイ分かるじゃん。そんな世の中の、自分の憧れてた人や、幸せそうな人も、嫌な人だった。それで、自分はモテるわけもないから、そっち側に目覚めて、それはそれで生きていくんだ…そういう話?って思って」
「そんな話ねぇだろって思うじゃん。そうしたらね、狐の嫁入りが終わったところで、実は庄作、道端でグーグー寝てるんです。それで、道を通りかかったイケメンたちのカップルに、『バカじゃないの?』って言われるの。それで、寝言で『狐の嫁さんもらった…』って言ってて、それで『うわっ、気持ちワルい』みたいな」
「それで、俺の中で『おいおい、時間が無いぞ』って(笑)大逆転がねぇぞって思ったら、『そうやってよりバカにされるようになりましたが、前ほどはイヤじゃなくなりました、とさ』だって。こんな悲しい話ありなん?(笑)」
「これをさ、ちびっ子は観て、どうすれば良いの?…俺はこれを観て、ラブプラスに繋がると思った。最終的に、そういうことだと。現実の恋愛とか、人間関係とかが、スッゴイ嫌になったときに、自分の空想の中で、満足な結果が得られたら良いやって話だと思うんだけどね。こんなの、こんな前から肯定されてんだって思って。ちゃんと。なんか、凄いなって」
「実際、熱海に行ったとき、熱海にフィギアと旅行に来てる人がいて。それで、『一緒に写真撮ってください』って言ってくる人がいて。『ニュースでやってたけど、実際にやってるんだ』って言うと、『えぇ、恥ずかしいんですけどね』って言われて。それが土曜日で、今日、この話を観て。なんか分かんないけど、凄いぞ、この話って」
「その感じの人たちが、この話を観たら、『こういう感じも、アリはアリなんだな』って思うんじゃないかなって思ったのが一つ。それにしても、スゲェ話だなって思って。『正直庄作の婿入り』って話に震えましたよ」と語っていた。
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