中央区立常盤小学校(日本橋本石町4)が12月16日、6年生を対象に日本橋にかかわりのある歴史上の人物について学ぶ特別授業を行った。
同小学校は、明治政府が小学校令を制定する13年前の1873(明治6)年に日本橋の旦那衆が子弟教育の場として設立した「幼童学所」が前身。これまで、日本橋の街づくりにかかわる多くの卒業生を輩出してきた。
2019年11月には卒業生や地元企業などの協力により新館内に資料館「日本橋歴史アーカイブス」を設立。動画や資料、ミニチュアモデルなどで江戸から続く日本橋の歴史を伝え、週末に一般に公開している。
同校は2014(平成26)年に中央区の国際教育推進パイロット校として指定を受けた。これまで「伝統文化教育」や「英語教育」、「国際理解教育」の3つの領域に力を入れてきており、毎年日本橋で働く外国人就労者を対象に児童たちが英語で街ガイドをするなど独自の教育で話題を集めてきた。
今回は「伝統文化教育」の一環で、同アーカイブスをプロデュースした「N STUDIO,Inc.」(大伝馬町)社長の新野圭二郎さんが講師を務めた。6年生児童約40人が、徳川家康や三井高利、蔦屋重三郎、平賀源内などそれぞれ興味を持つ日本橋の偉人について質問した。
新野さんは「45分の授業の間に、矢継ぎ早に19人の偉人について質問を受け、子どもたちの日本橋への興味の深さが強く伝わった」と話す。「自分が今生活している同じ日本橋の地を、歴史上の人物が時間を超えて闊歩(かっぽ)していたことを想像するとワクワクしてくる。そんな楽しみを子どもたちにも知ってほしい」と話す。
「日本橋の歴史を学ぶことは、江戸まで続いた日本の歴史の『伝統』を学ぶことにつながる。260年以上平和な時代が続いた世界でも例のない江戸文化の中心地が日本橋ともいえる。子どもたちには、そのことに自覚と誇りをもって国際人として育っていってほしい」とも。