香港の映画俳優、周潤発(チョウ・ユンファ)さんの写真展が12月18日、尖沙咀のショッピングモール「海港城(Harbour City)」で始まった。モールの吹き抜けになったアトリウムである「海運大廈展覽大堂(Ocean Terminal Main Concourse)」で「香港・晨(Hong Kong・Morning)」と題し、ユンファさんが撮影した写真を展示するチャリティー企画となっている。
「卓越した演技力」にファンも多く、国民的スターでありながらも、香港の山をハイキングしたり、街角ではローカルな飲食店にいるところを頻繁に目撃され、気軽に撮影に応じたりするなど庶民派の素顔を持っていることで度々話題になるユンファさん。写真愛好家の一面も持っていることから、今回の企画が実現した。彼の観察眼を、写真を通して垣間みられる貴重な展示会と話題だ。
展覧会は「香(Fragrance)」「港(Harbour)」「晨(Morning)」の3つのセクションに分けられ、それぞれ、花、ストリート、自撮りを中心に撮影した作品を展示。ほかにも、光の当たり具合とレンズを調整し、雰囲気と景色が変化していくビクトリアハーバーの様子など全30点を展示している。
「香」は、モクレン、赤く芽吹くキンポウゲ、黄色いヒナギクなど、油絵のような色合いが特徴的。ユンファさんは「モクレンを自宅で育てている」と言い、毎年3月に花を咲かせる時、美しさを表現するため至近距離で撮影するが、「絞りの開放度合いを工夫して撮影している」という。
「港」は、特に中環(Central)の人と街を撮影したセクション。2023年から毎朝、中環でエクササイズに励むことを日課にしているが、その時に、一緒に撮影したものが多いという。朝日が昇っても高層ビルの影響で中環の街の中はまだ薄暗かったり、その中を配達員が忙しく仕事をしていたり、足早に歩く通勤者、清掃員が頑張っていたりするところなどを撮影している。
ユニークなのが「晨」のセクション。街のどこかでガラス越しに景色を撮影するユンファさんだが、ガラスの反射を利用して、うっすらと自分を作品の中に溶け込ませる手法を取っていることに注目が集まる。
海港城では同展のために限定版のカタログを制作した。来場者は主催者から指定された写真を撮影し、フェイスブック、インスタグラムなどのSNSでシェアすると、先着順でカタログを無料で受け取ることできる。
展覧会で展示された写真は2,800香港ドル~2万8,000香港ドルで販売し、収益は印刷代など必要経費を除き「予慧妍雅集(Wai Yin Association)」と「香港拯救?狗協會(HK Saving Cat and Dog Association)」に寄付する。海港城でも「無題(Untitled)」と名付けられたビクトリアハーバーの写真を30万香港ドルで購入し、チャリティーに貢献している。
展示時間は10時~22時。入場無料。来年1月2日まで。