NICUのお正月。。。

新年、あけましておめでとうございます。
このブログを通じてこども医療センターNICUに
心寄せてくださる皆様には今年も引き続き見守っていただければ
幸いです。

2010年の大晦日ら元日のNICUの様子が上記の動画に残っています。
自分、10年先への危機感、悲観的なコメントを最後の方で述べています。

この時から、同じ場所で建て替えた15年先の未来の正月が今です。

15年前だったら、年末年始の休日体制で生まれたら
診療が困難に思える重症な赤ちゃん達の入院もたくさんありました。

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「あけましておめでとう」と伝え合いながら
満杯状態のNICUを日々、交代でリレー形式で勤務を続けています。
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昔と変わらぬ志や想いがある担当医の先生達の頑張り、
そして、担当医任せにせず交代交代で勤務者が変わっても
チームとして診療している様子に自分は感動していました。

それぞれの頑張りを讃えたい気持ちで胸いっぱいでした。

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15年前の自分にきっと心強い後輩と沢山出会えるから
大丈夫だよと伝えたい気持ちになりました。

昨年後半は集中治療のチーム医療が進化しているのを実感しています。
課題を共有してグループワークなどを繰り返したことの効果にも思えます。

循環管理については世界で一番細かく診療しているNICUチームになりつつある
とも思えています。新しい年もみんなで後遺症少なく救命を目指す
NICUの集中治療のチーム医療をみんなで考えていけたらと思えます。

15年前とは病棟の雰囲気は変わりつつあると実感します。

また、昨年はフィンランドのファミリーセンタードケアを
志願者が自腹で見学に行ってきてくれました。
Nピアノも医療界では反響は少なめで理解されがたい今かもしれませんが
患者家族の皆様の反響は大きく、

こういうことを大切にしていけたらと
思えます。退院後の成長発達や生活支援を見据えた新生児チーム医療を
NICUと新生児病棟の連携で皆で取り組んでいけたらと思えます。

自分は後輩世代の頑張りに心励まされながら
臨床研究所も兼務しているので、研究開発に時間を費やしていました。
集中して取り組める時間を日々大切にしたいと思えました。

昨年は新生児科から過去・現在のスタッフ9人で
以下の9本の医学論文を国際誌に公開しました。

1. Shimokaze T, Toyoshima K, Saito T, Katsumata K, Kemmotsu T, Ishikawa H, et al. Death of children with Down syndrome by gestational age and cause. Pediatr Res. 2024;95(5):1325-30.


2. Kimura S, Toyoshima K, Shimokaze T, Katsumata K, Saito T, Hoshino R. Respiratory function testing for guiding ventilator mode conversion in congenital diaphragmatic hernia. Pediatr Pulmonol. 2024;59(3):609-16.


3. Toyoshima K, Aoki H, Noguchi T, Saito N, Shimizu T, Kemmotsu T, et al. Biventricular function in preterm infants with patent ductus arteriosus ligation: A three-dimensional echocardiographic study. Pediatr Res. 2024;96(3):773-84.


4.  Tomotaki S, Isayama T, Kobayashi T, Masutani S, Kawasaki H, Nakayama A, et al. Proactive Diagnosis and Tailor-Made Treatment of Patent Ductus Arteriosus in Very Preterm Infants with Routine Echocardiography in Japan: A post hoc Analysis of the PLASE Study. Neonatology. 2024;121(4):503-11.


5. Lin T, Shibasaki J, Yamamoto K, Shimokaze T, Toyoshima K. Indocyanine green lymphography in the congenital chylothorax and chylous ascites. J Neonatal Perinatal Med. 2024;17(2):247-54.


6. Saito T, Shimokaze T, Niizuma M, Suzuki M, Toyoshima M, Toyoshima K. The effects of telepresence with real-time video and audio communication on parent-infant interaction and staff experience in neonatal intensive care unit. PEC Innov. 2024;5:100315.


7. Saito J, Shibasaki J, Yamamoto K, Fujita M, Toyoshima K. Predictive value of serum interleukin-6 for neonatal encephalopathy outcomes. J Neonatal Perinatal Med. 2024.


8. Aoki H, Toyoshima K, Miyagi M, Lin T, Hawaka H, Shimokaze T, et al. Feasibility of Three-Dimensional Echocardiographic Analysis in Newborns by Novice Observers. Pediatr Cardiol. 2024.


9.Kemmotsu T, Shimokaze T, Morita Y, Saito T, Toyoshima K. Changes in liver shear wave elastography of preterm infants during hospitalization. Am J Perinatol. 2024.


米国小児科学会・欧州小児科学会の公式雑誌である
ネイチャー社のPediatric Reseachにも2本の論文が受理されました。
1年だけの偶然で終わらないように今年も10本の論文提案ができる
ようにみんなで目指せたらとも思えています。

20年前の自分は神奈川こどもで診療しながら、
東京女子医大の循環器小児科で動物実験などの基礎研究に取り組んでいました。
めちゃくちゃNICUは忙しかったけど、その忙しさの中でも
よりよい医療をみつけたいと考えて門間先生と一緒に基礎研究を続け、
毎年、Pediatric Reseachに投稿し、アジアPediatric Reseachの
YIA賞を2年連続でいただきました。30歳以上離れた門間先生と
一緒に取り組んだ日々から気づかせてもらったことが確かにあると
今になって思えます。

そして、昔の自分を自分自身で越えていくつもりで取り組みたいし、
門間先生を中心とした当時の研究チームを神奈川こどもの後輩世代との
チームで超えていけたらと思えています。

日本人は患者さんを細やかに診療している新生児医療だと思えています。
その細かく診ている診療が、研究の細部にこだわり過ぎて、臨床研究を
うまくできない、結果に結び付けられない(提案できない)気がしていました。

でも、細部にこだわる日本人が研究論文などを書けるようになれば
きっと世界の新生児医療に問いかけられる医療がある気がしています。
東アジアの医療文化から世界中の赤ちゃん達の診療をよりよくする
ヒントを提案できるNICUや新生児病棟を目指していけたらと思えます。

自分自身も今、
2本の論文を投稿して査読を待っているところですが
3本目を目指しての医学論文に取り組む年末年始でした。

診療の忙しい中で心身が疲弊しないためにも
診療の合間で未来への希望を信じて研究開発をしていきたい
想いを後輩世代に伝え、一緒に頑張っていけたらと思えます。

こども医療センターだけでなく、
新生児医療のガイドラインチーム、
横隔膜ヘルニア研究チーム、
PLASE研究チーム、
周産期循環管理研究会、
新生児内分泌研究会、
ディベロップメンタルケア研究会、
胎児治療の研究チーム
NICUフォローアップ体制の研究開発チーム
INTACT研究チームなど多施設の研究チームとしての
活動も自分なりに続けていけたらと考えていますので
メンバーの皆様、よろしくお願いいたします。

また、昨年から新生児成育医学会の理事に選出していただきました。
医局などに属していない自分に投票してくださった皆様に感謝です。
担当は学会の診療委員長とフォローアップ認定制度委員会の副委員長
になりました。神奈川こどもや様々な研究チームの皆様と取り組んできた
ことを学会活動の中でも日本中の赤ちゃんやご家族の診療体制が今よりも
よりよくなっていくためにできることを考えていきます。こちらも引き続き
よろしくお願いいたします。

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横浜の最古の寺の弘明寺、初詣の場所でもあります。
大変たくさんの人たちが参拝にきていますね。
誰もが新しい1年がいい年であることを願い合う希望が
街に溢れている気がします。

弘明寺は外国料理のお店も多く、これらのみせは
正月から普通通りに営業ですね。

日本のお店は人通りと相反して
休業するお店が増えてきた気がしますが、
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その中でも、正月からいつも通り、そして正月を祝い合う
雰囲気ののとやんさんに正月気分をいただきました。

今年もこのブログから応援してくださる多くの皆様、それぞれに
とって心地よい正月であることを願っていますし、それぞれの今年が
よりよい1年になることを願っています。


MMカンファレンス ポスター2024
から事前登録いただければ幸いです。



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リニューアルオープンから
4年間にご寄付くださった948件の皆様に
向けて感謝を込めて収録した

下記の4周年報告会、是非多くのスタッフ、応援して
くださる皆様にご覧いただければ嬉しいです。



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コメント欄、ニックネームだけでコメント登録可能ですので
ブログ記事へのご感想などもお寄せいただければありがたく感じます。

ブログの感想など自分や担当医にお伝えくだされば
お写真撮影に伺いますので登場してもいいかなと思える
入院中の皆様にはお声がけくだされば幸いです。


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7-11月に104件のNICU指定寄附とメッセージに心励まされて。。。

新生児科指定寄付は定期的にご報告させてもらって
上記のようにご報告してきました。

「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。

こちらは故郷納税のように税控除の対象になります。
1000円からご寄付可能です。

「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、
ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。
(指定寄付でないと寄付があったことも存じ上げることができないので
是非、指定寄付をお願いしたいです)


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神奈川県立こども医療センター出生前診断カンファレンス 胎児診断に基づく集中治療と家族支援



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Posted byNICUサポートプロジェクト

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