京セラは11月11日、1mmの光沢反射する極小部品の距離と大きさを測定可能な小型の「AI測距カメラ」を開発したことを発表した。
現在、少子高齢化の進む日本では、労働力不足を補うためにロボットやAIの活用が期待されている。特に工場作業では、協働ロボットと人が連携した仕事をすることなども進められるようになってきているが、極小、半透明、光沢反射などの部品をロボットが認識して把持するといったことは測距カメラの精度が不足して、対応が困難とされていたという。
そこで同社は独自のカメラ構成技術、光学技術、AI技術などを融合することで、こうした課題を解決できるAI測距カメラの開発を進めてきたという。このAI測距カメラの最大のポイントは、従来のステレオカメラのレンズ間の距離(基線長)が長いため、近距離での正確な距離計測が難しいという点を解決したこと。具体的には1つのセンサの上に2つのレンズを搭載することで、センサには2つのレンズを通した対象物のデータが別々に入ることで、視点の違いによる視差を従来のステレオカメラよりも近い距離で検知できるようにし、さらに独自後世に対応した光学キャリブレーション技術と組み合わせることで、100μm単位での計測を可能にしたという(測定対象とカメラの距離0.1mの場合)。