リベリには中国人の血が流れている―――!?

 フランス代表MFフランク・リベリ(バイエルン・ミュンヘン)が、ドイツでは“カイザー(皇帝)・フランク”の称号で呼ばれているのは有名。これはかつてバイエルンで活躍したフランツ・ベッケンバウアーがオーストリア皇帝フランツ1世になぞらえて“カイザー・フランツ”と呼ばれたことの流れだ。

 ところがリベリは、同じ皇帝でも、実は中国・明朝の創始者である洪武帝(朱元璋、1328―1398)の血を引いている、という仰天するようなニュースが中国共産党の機関紙である「人民日報」で報じられたという。フランスのレキップ紙が伝えた。

 レキップ紙によると、人民日報の説は、リベリ本人がドイツ紙とのインタビューで「自分にはもしかしたら中国人の血が流れているかも知れない」と語ったことのみに依拠しているらしい。インタビューでは、リベリの従兄弟が、自分たちの家系が中国の僧につながっていることを発見した、というエピソードが語られている。その人物のプロフィールが朱元璋に似ているという。

 この話に飛びついた人民日報が、専門家たちに見解を求めたところ、「リベリの頬や顎の形は、ヨーロッパ人にはまれ」、「皇帝は外国に逃れた可能性があり、その行き先はヨーロッパ、フランスであったかも知れない」、「リベリが明朝皇帝の子孫であることは不可能ではない」などとの答えを得た。

 レキップ紙はもちろんこの説を真に受けてはおらず(「箸でつまむような話」と表現している)、あくまでフランスのヒーローが世界的に注目を浴びているひとつのエピソードとして紹介し、「あとは7月に南アで世界制覇を」と“皇帝”に声援をおくって結んでいる。