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2014年高尾わくわくビレッジお泊り保育 私的雑感 

今年のお泊り保育は、3年目の「高尾わくわくビレッジ」で行いました。ここは、YMCAのノウハウと、京王電鉄のマネージメントで運営されている、宿泊施設なのだけれども、キャンプリーダーのようなスタッフが揃えているところが、普通の宿泊施設のみのところとは異なるところだと思っています。野外でのキャンプファイアーや、専門的大人のためのフィールドアスレチック講習会なども手がけているのですが、我が園のここでの大きな目的は、園でもノウハウがあるキャンプ活動ではなく、『園ではできない工房体験』『小学生のプレ体験としての教室使用』『梅子先生プロデュースのクッキーづくり』という、ここでしかできない体験をお泊り保育の中に盛り込むということです。

なぜに、これだけの事を通常のメニューの他に盛り込むかというと、めまぐるしい間に、あっという間に終わってしまった!というホームシックを感じる隙間を与えないというテクニックでもあります。

私は、26年の幼稚園勤務年数のうち、25回のお泊り保育を経験しています。(講師だった平成2年のみ不参加)妊婦だった2回も行っていて、授乳期は上の子はがんばったのですが、下の子の時には、以前に乳線炎になってしまった経験がある事から、就寝後に、帰宅で日帰りをさせていただきました。年に一度、お泊まり保育をするということは、年に一度のかかせない責任だと思っています。

最初の頃は、入間グリーンロッヂという国民宿舎で、入間川での川あそびが主な目的でした。グリーンロッヂ閉鎖とともに、次には、国民宿舎なのだけれども、第3セクター運営の「鳩の巣荘」に2年だけ行きました。ここは、規模が小さいので予約がとり辛く、その次の年から、かなり長い期間を「藤野芸術の家」にお世話になりました。ここでも、川遊びを続けていました。温泉地でもあるので、川なのに、途中で温泉になる不思議な感覚があり、自然と一体となる事ができました。ここは、幼児の利用がほとんどなく、お泊り保育として利用するのは、あまり例がないという事で、食事の事など、綿密な打ち合わせを多々し、いろんな実験もしました。ちょうど、最初の年が、主任の由美子先生の初年度だったので、昼食を野外バーベキューにしてみて、先生たちも肉を焼いたりと大変だし、こどもたちも腹が一杯になりすぎて、ゴロゴロしてしまい、川どころでなくなってしまったので、次の年からは、野外に大鍋を運んでもらって、フォンドボーカレーを食堂につくってもらいました。何故、フォンドボーかというと、シェフが、「幼児がどれくらいの辛さが食べられるのか検討もつかない」と言うので、相談の結果、シェフの提案で、カレー粉少なめの洋風の出汁がきいたカレーを提供していただいていました。まり先生の人生の中のカレーでの一番は、いまでもこの味で、忘れられませんが、特別にお願いしていたので、途中から、入札によりレストラン業者がかわって、味はかわり、そして、野外ではなく、食堂で昼食を食べる事になりました。宿泊はメゾネット形式、音のでる引出しや廊下など、遠いのですが、おとぎの国を実感できるところでした。

しかし、震災後に考えが一変するような事が多々あり、藤野だと、八王子と藤野の間の山を越えなければならず、万が一、もう一度震災が起こった場合、園児を引率して帰還するのは危険と考えて、東京都の中で納めるという事で、八王子の「高尾わくわく」に変えたのです。

最初は、かなり抵抗がありました。というのも、「高尾わくわく」は、多い時には、3、4組の幼稚園が同時にお泊り保育をしているし、他の園と重なっていない時期は、9月にならないとないと言われました。私がひとつ、譲れないのは、他園との相利用だけは、避けたいという事があります。本園は少人数という事もあって、支援を必要としている園児がいる学年が多いからです。頭の中のマッピングが苦手という子が多いのも特徴で、今までの施設でも、迷子未遂事件がおもいもがけないところでありました。単独行動は、ない筈なのに、ふらりと消えてしまう子がいるときに、他の団体にまぎれて発見がおくれるという事が私は嫌なのです。

アレルギーの食の対応にしても、他園とかぶることで、ミスのリスクが大きくなることでしょう。そして、空いている時期ならば、身障者用のお風呂を貸し切る事ができるということで、夏休みを挟んだ9月に実施をさせていただいています。他の園は、お風呂は複数園が一緒なのでも、大丈夫なのでしょうか?一般のお客様と、ラリホー状態の裸の園児の集団が混じる事も、恐縮してしまいます。

そんなわけで、他園が絶対にお泊り保育なんかしない9月に、毎年くる幼稚園として、スタッフの方も皆、覚えてくださいます。(ピューロランドもきっと、1年で一番空いている正月あけにやってくる幼稚園として覚えてくれていますね。)

こんなところは、プライベートでも旅の手配が趣味という私ならではの、こだわりです。

団体行動なんだから、我慢しなさい!

というのは、私自身が団体行動が苦手なので、

「最後まで揃うまで待つ」という連帯責任的な行動はせずに、少人数なのですが、歯磨きの洗面台が混まないように、少しずつ先生と固まりになって、ロケットブースターを切り離すように、全体を運営していっています。

導線も最小限の行程を考えるので、3階の多目的室に行って、そのまま部屋に戻らずに、1階フロントに行って~、等、各部屋を拠点として考えずに、こどもの負担を軽くしています。私はいつもこれだけ、気をつけて、考えてシュミレーションしている職業病がでてしまい、娘の付き合いで、大学のオープンキャンパスに行くと、キャンパスツアーで、この導線を見事に無視した若い大学生の体力を基準に、4階から地下1階まで行って、2階に行く~、みたいな行程に、つっこみを入れたくなります。

お伝えしたいのは、こどもたちには、「合理的な道筋をいつも考えている先生の姿」を見せたいと思っているのです。私が考えたアイディアを、他の先生方にその場で相談し、いつも私たちは、ちょっとした意思疎通を絶えず行っています。それぞれが出したアイディアの中で、一番導線が少ない、合理的な方法を採用しているのが、うちの幼稚園のスタイルです。「上司がいったら、そのとおり」は、ありません。

こどもたちは、よく大人をみているので、うちの子たちが、他の園のお子様よりもディスカッションが上手なのは、いつもそれをみているからかもしれませんね。

「高尾わくわくビレッジ」で、優秀なスタッフをご紹介しますね。

「タイダイ染め」のスペシャリスト、村上さんです。

初年度は、「タイダイ染め」は、はじめてだったので、通常のプログラム通りに、「トルネード」「スクエア」という手法で、他の皆さんと同じように、いかにも「タイダイ」という感じのものにしていただきました。

2年目が昨年で、「組み体操で、アフリカンをするので、アフリカっぽくしたいのですが・・・。」と、夏休み帰還中の電話連絡でのやりとりの中で、お伝えしたところ、

村上さんは、言っちゃったんですね。

「面白そうですね。実現可能か考えてみますね。」

って。

まり先生に、そんな事言っちゃったら、もう、同じ種類の人間だと思っちゃいますよね。

他の園の方がみているといけないので、詳細はさけますが、とにかく、アフリカンっぽくしていただいて、お見事!な腕前でした。

こうゆうやりとりは、夏休み中なので、携帯を使わせていただいているので、

だいだい、出先とか、ショッピングモールあたりで、突如、ママが仕事モードになって、ベンチを探して座って、電話に集中すると、産んだこどもたちが、慌てて、私の鞄から、自動的にメモとペンを出して、スタンバイしてくれます。バス会社、フロント、レストランとそれぞれなので、しょっちゅういきなりオフィスです。

それで、

「今年は、サンバなんですよ。私、浅草サンバカーニバルにも出ちゃったので、サンバっぽいデザインを考えたんです。」

と、大きな水玉模様のイメージをお伝えして、数日後、染色の配合を考えてくださって、

「こうこうこうだったら可能」みたいなやりとりがあって、

今年の場合は、朝、到着してからもいろいろ変更をして、最終的には、先生方も一緒に現場で、試行錯誤をしながら、その都度、村上さんは、実験をしてくれて、今年もどこにもないような素晴らしいタイダイ染めができました。

もう、私、売っているタイダイ染めをみても、

これがどんな行程を経て、トルネード、スクエア、スポイト、筆など、どうやってつくったか、わかるような気がします。作品をみていただけたら、わかると思いますが、とにかく情熱を感じる作風になりました。もちろんこどもたちも大満足です。

時系列的に、振り返ると、

朝、8:45に出発、10時に着、集合写真後、すぐに工房で、11:30までノンストップで、こどもたちは、染めたものを自分で洗ったりと、幼稚園園児としてはかなり手順を全部やりました。うちの子たちは、説明を聞く力があるので、わりと何でも、幼稚園レベルでない事ができてしまいますね。これは、自慢です。

お腹がペコペコな状態で、昼食。ミートソース(アレルギーの子は、米粉パスタ、ソース持込み)がメインです。ここは、大学のカフェテリアのように、片付けの際に食器を分別しておいて、水で流す機械にかけてから、プールの中に入れるという方式をとらなければいけません。

カフェテリア方式での、最先端は、立川のイケアでしょうね。

「チャーリーとチョコレート工場」のように、ベルトコンベアに、ただトレーをのせるだけで、場所もとらないし、混乱もありません。

それぞれが片付ける方式では、片付けプレイスが長蛇の列になったりしがちです。隣の大学生の管弦楽団の皆さんは、超難関大学なのに、おとなしく列になって並んでまで、食器をそれぞれ分別片付けをしています。

「うちの幼稚園では、園児たちにもちゃんと言います。

「食べ終わったけど、空くまで待つよ。」

良い子たちは、言われたとおりに、わくわくと、

目を皿のようにして、片付けプレイスの込み具合を見守ってくれます。

その間に、紙ゴミは、テーブルに集積できます。

小学校入学までに、一番教えたいことは、

「前の人がやっている事を見て、真似て、そのようにやってみる力」をつける事だと思っています。給食当番でも何でも、説明を聞いてわからなくても、前の人と同じようにやっていれば、それでわかる事がたくさんあります。

見て、理解する力がない人に限っていうのです。

「聞いてない」

まるで、説明してくれない先生が悪いみたいに言いますけれど、

要領の良い子は、簡単な事ならお手本さえあればできるものです

うちの子たちは、それぞれ、自分できちんと片付けられました。

これは、幼稚園生としては、すごい事なんじゃないかな、と思います。

「仕事をやらされて可哀想」と思う親御もいらっしゃるかと思いますが、こどもたちのお世話をするだけではなく、自律、教育が目的なのが、現在の「幼稚園」なので、

是非、ここで学んだ事で、

「見て覚える」応用をしてもらいたいと願っています。

昼ご飯の後は、ゆっくりと、屋外施設を見学で、「わくわく」が取り組んでいるエコ教育の風力、太陽発電やビオトーブをみてまわり、大きなプレイロッドで遊びました。

ここでは、一般のお客様も一緒に利用をしていました。

ターザンロープの順番を、よその親子さんも、うちの子たちも一緒に並んでいました。

よその子さんは、ちょうど真ん中くらいだったでしょうか?

うちの子のひとりが、皆が並んでいるのに気付かずに、列の先頭にさっと行って、いまにも次にやってしまいそうになったのを止めました。

幼稚園教諭の基本ですが、

こんな時もなるべく禁止語ではなく、自分で気付かせるように言葉を促します。

「ちょっと待って、何をしようとしているの?」

「ターザンロープ」

「他のみんなも、ターザンロープやろうとしているよ。みんながどうしているのか、観察してごらん。」

もちろん、その子は目でツーと、こどもの並んでいる線を追って、最後尾に並びました。

最後尾というのがわかるのは、だいたい年中から、年長の真ん中くらいまでかかる、実に難しい課題です。大人でもわからない人がいますものね。最後尾なんて、簡単そうなものがわからないのに、横は入るする時には、文句を言わなそうなやさしい人の前にわりこむ。文句を言わなそうな人を見極める方が難しいと思うけどな。年長だと、割り込むと、「なんだよ!」と言われます。言われて、理解する子もいるけれど、傷つくだけでわからない子もいるので、解決にはなりません。

それで、時間はかかりますが、考えさせて、次から活かしてもらえるように保育者は声をかけるのです。

「横入りダメだよ」

は、禁止語です。

ダメな自分を皆にスピーカーアナウンスしてしまい自己評価を下げてしまいます。

「みんなはどうしているのかな?」

と、考えさせれば、まわりの人も、わかってよかったね。となるのです。

遊びの打ち切りも、「あと10分でおわるので、遊びの計画をたてて」から、「あと3分だから、まだ遊んでいなかったところにいっておいで」とステップを踏んで、「集合カウントダウン」をすれば、間違いなく、集まる事が遊びとなり、競争となります。

「まだ、これやりたい!」

「あそびたい」

という意見はでませんでしたが、

「明日も遊べる?」

と、聞かれたので、

「雨じゃなければね。」

と応えると、

「もっともだ」

と、頷く少年がいました。

君は賢いのう。

と、顔をほころびました。

午後の約束は、1時に教室という部屋です。ここは、元高校だったので、そのまま「教室」の雰囲気を残して利用できる部屋が一部屋だけ残っています。後は、大人向けのオフィス椅子、机に変えられて研修室となっているので、教室利用をわざわざしたいという人むけの部屋なのでしょう。ここでは、「木のペンダント」を作りますが、スタッフさんが説明をしてくれるついでに、「先生っぽくおねがいします」と無茶ぶりリクエストをすると、ここのスタッフさんは、たいていやってくれます。今回も面白かった。金八先生のようでした。ビデオでみてくださいね。

さて、教室は、説明だけうけて、一端退場して、今度は調理室にいきます。実は、調理室で、梅子先生がプロデュースするクッキーづくりをするというミッションがあり、これも目玉なのです。本園は、園庭の鶏小屋にいる鶏の卵で誕生会には、手作りでケーキも提供しています。オリジナル園ソングの歌詞にもなっているくらいです。なので、手作りお菓子体験。本園ならではの、企画です。粉なども、梅子先生がセレクトなので、絶対おいしいはずです。しかも、焼きたてクッキーを「おやつ」として食べます。それで、クッキーを焼いている間の時間に、「木のペンダント」という無駄のないスケジュールを組んでいます。

調理室も、高校の施設のままなので、調理実習という感じでスムースに作業できます。手を洗うところがたくさんあるので、こどもたちも、順番に生地をこねたりした都度に手を洗う事ができます。アレルギーのお子様も一緒の空間で、別の鉄板、器具を使用して、お家から持ってきたアレルギー対応のお菓子を製作しますが、一緒の空間にいるので、その子のためにも、まめに手を洗わせています。触れてしまってもいけないからです。

無事にクッキーも焼くだけになったので、私が焼くのをまかされ、皆は、教室で木のペンダントをつくりにいきました。「お泊り保育特集号」冊子の中に、レシピがのりますので、ぜひ、ご家庭でもつくってみてください。混ぜて、焼くだけです。胡桃は、今年は、前日に梅子先生が煎ってくれたものでした。

そして、このクッキーをひとり3個くばってのおやつタイム。焼きたてなので、ほくほく温かくて美味しいです。クッキーが温かいって、美味しいですよね。皆、感動していました。それだけでは足りないので、園から用意したおやつも配布しました。残った場合は、家用に持ち帰り可能ですが、一端集めます。以前、夜中にこっそり食べた子がいたので、管理が難しいからです。上に兄がいる子などは、家に持って帰るととられてしまうので、必死にその場で食べ切るようです。ほとんどの子が食べ切ってしまいます。

おやつ後は、部屋にチェックイン。各部屋にわかれて、ここではじめて班行動になりますが、いろんな子が遊びにくるので、わざわざ他の部屋でトイレをしたりしています。思い出した時に、トイレをしているから、「あ、トイレがこの部屋にもあった。しておこう」みたいな頭の電球が点灯したんでしょうね。

まもなく、男のお風呂タイム。男子だけ、理事長先生と一緒に入浴です。脱衣所に、由美子先生。部屋との連絡に有里先生。私は、女子を一部屋に集めて待機です。今年は、アナ雪大会でしたね。みんな、ありのままに動きながら歌っていました。

女子の番になりました。こちらは、時間が長いです。ドライヤーで髪を乾かすところまでをやるからです。待っている男子たちは、自力でテレビをつけ、何故かゴルフ中継をみていました。途中で湯上がりの理事長先生がきて、「ゴルフわかる子いるの?」と聞いていました。なんでも、話し合いの結果、見たい番組が違うので、公平のためにゴルフにしたそうで、ルールはさておき、白いボールを皆で指差して探すという遊びをしていました。

湯上がりの男子を一部屋にまとめておくと、室温があがって、冷房がきかなくなってしまいました。この時が一番、暑かったです。

この後、先生たちも順番にひとりずつ入浴させていただきます。貸し切りの15メートルプールくらいのお風呂です。こどもたちがいる時は、大騒ぎですが、こどもがいないとガランとしています。

全員がそろったところで、夕食までのひととき、館内のキッズコーナーで、積み木あそびをしました。館内は、もう幼児はうちだけなので、貸し切りです。のびのびと創作活動にうちこめました。幼児でも、ひとりで没頭する時間が、一日の中では、必要なのかもしれませんね。

夕食は、カレーでした。ライスが花の形に抜いてあって、皆、大喜びでした。プリンもついて、豪華!ここでも、食後に片付けと、アレルギー児に触れた時のために、手洗い、口のまわりをチェックをします。口のまわりをきれいにするため歯磨きも、すぐしてしまいます。

夕食後は、お楽しみ会。多目的室という裸足でゲームができる場所を予約して、ハンカチ落とし、ジェスチャーゲーム、風船おくりをしました。ジェスチャーは、出題者もかなり良い演技をしてくれて、大丸です。園でも、リトミックの時間に、続きをやりたいです。ヒントを出そうと私が質問をすると、出題者が答えてしまうアクシデントに笑ってしまいました。

お楽しみ会の後は、夜のお散歩。虫よけスプレーをかけて出発です。雨が心配されていましたが、なんとか夜も歩けて良かったです。

ここからは、忙しいです。パジャマに着替、蒲団しきがあって、そろったら、紙芝居を全員で集まってみて、各部屋で就寝です。蒲団しきは、家でやっている子が率先してやってくれて助かりました。ハウスダストが苦手の子は、外に出すのですが、今回は、そっとやったので、大丈夫そうでした。私は、息子も喘息なので、呼吸音で、すぐわかります。感じない人には、感じないホコリの量も、感じる人にとっては、辛いものなので、人は本当にそれぞれだと思います。

今年の紙芝居は、「魔法のじゅうたん」。由美子先生が年長用に図書館で借りてきてたので、有里先生も私も結末を知らずに、食い入るようにみていました。そして、結末は、まさかの展開で、私は蒲団から落ちるほどうけてしまいました。

就寝後は、自分の部屋しかわかりませんが、今、私がこれを書いている間に、だいたい寝てしまいました。本当に疲れていたのだと思います。コトンという感じですね。

お泊り保育前期は、入間グリーンロッジで大部屋で一部屋で、当時は、2クラスで多い時は、60人以上の子たちが一部屋で寝ました。すると、必ずひとり、ふたりはホームシックで泣くので、それが伝染して、先生たちは、ほとんど寝られないので、夜中の3時に交代をする交代勤務で、寝ずの番をしていたものです。

鳩の巣荘の頃は、交代をせずに、そのまま園児と一緒に雑魚寝で、藤野と、高尾では、個室になって、本当にこどもたちはよく寝るようになりました。狭いスペースの方が、こどもには安心で、大きい部屋で寝る事の方が怖かったのだと思います。これは、被災して、避難所生活になる時の教訓でもありますね。パーテーション、絶対に必要だと思います。

こどもたちが寝れば、先生も少し寝られます。ありがたいです。

起床は、だいたい6:30を目安にしているのですが、私の部屋では、私が寝姿をビデオ撮影するために、物音がしたのでしょうね。女子がそろそろという感じで起きていたようです。各部屋、カーテンをあけて自然光での寝姿の撮影です。フラッシュをたいてしまうと、嫌な気分で目が覚めて、一度目覚めると寝られなくなる子もいるので、かなり前から夜中の撮影をやめて、早朝のみ撮影をしています。皆の自由な寝姿。鳥のくちばしのように尖った口をみると、やはり小さい子なのだなぁ、と思います。親として接する5.6歳は、まだ子供かもしれませんが、保育者として接する年長さんは、いっぱしの意見をもったひとりの人間です。でも、寝姿をみると、体の年齢がわかりますね。可愛いです。

その後、蒲団の上でのモゾモゾのまどろみタイムを満喫させて、うちの班は寝ている子も6:15に起こしました。蒲団あげは一斉にしました。こどもたちは、シーツをたった一晩だけ使っただけで、剥がして、洗う用にまとめるというのが解せないらしいのですが、自分たちの後に泊まる他のお客さんの気持ちを伝えると納得しました。ここからは、戦場です。蒲団あげ後に、洗面、朝の着替をすませたら、荷物チェックをして、もう帰れる状態に部屋を片付けます。朝食の後、歯磨きがてら、もう荷物をとりにくるだけだからです。私は、自分の班だけではなく、全体の荷物のパッキングもあるので、部屋ごとに置いていた懐中電灯や虫さされ、救急などの備品や、手ふきタオルなどを回収して、頓服など非常用の薬品などを持参した園児の預かりを返却して、リュックに入れる。バスの荷室に積むもの、車内の嘔吐用セットなど車内で使用するものに分ける作業と自分のパッキングを速攻でしました。忙しかったけれど、朝食の時間の7時までにパッキング終了。

朝食が最後の食事です。薬の服用も最後。私は、いつも食事券と薬を毎食ごとに、各食ごとにまとめています。一括して、説明をうけるところから、担当しています。

朝食中に、私はさっと食べて、会計をすませます。今回は、予約をした部屋と施設分は、前年度予約のために、消費税は5%で、人数が確定した食事の料金のみが8%という税制なので、計算が複雑です。私は数が苦手なので、大量の汗をかきました。

皆の朝食の席に戻り、ごちそうさま後、また団体の隙をみて、こどもたちが食器を自分でさげにいきます。最近は、幼児でもフードコート利用をすると思うし、ゴミはゴミ、スプーンはここ、飲み残しはココと、テキパキと分別する園児たちを、皿洗いのおばちゃんたちが、熱烈な視線で見守っています。コップを置くところでは、

「いいから、いいから、ここに直接、もってきなさいって。」

と、水の出るシャワー(残飯を流す)ごしに、手を差し伸べてきます。

『こっちの方が、難易度高いじゃん』

と、心でつっこみながら、見守っていると、おばちゃんたちも出来る限りの手を伸ばし、受け取りが成功しました。

「ナイス、キャッチ~」

と、おばちゃんたち大喜びです。

「昨日から、偉いなぁ、と思っていたのよ。こうやって、こどもたちが、自分たちでねぇ。他の園にはないわよ。」

考えてみれば、大人がまとめてやった方が早いのかもしれませんね。でも、お泊まり保育のおかげで、できる事がひとつ増えたお土産という事で、ご勘弁ください。

食事後は、タイダイ染めTシャツが、まだ鮮やかなうちに記念撮影。その後、部屋にいって歯磨きをして、荷物をフロントに預けて、鍵を返却あと、シールラリーの開催です。

由美子先生、有里先生、理事長先生の3人が3ポイントとなって、チェックポイントに隠れています。じゃんけんをして先生に勝ったら金ピカシール、負けたら普通のシール、あいこだったら、勝負がつくまで何回でも勝負できます。

これは、かなり優しい幼稚園ルールですよね。負けても、もらえるのです。

でも、長い夏休みで、実社会のショッピングモールや、こどもイベントで生き抜いてきた年長さんたちは、

「そんな、うまい話しはあるわけない。」

と、懐疑的です。

「ホントに、まけてももらえるの?」

「もらえるよ。」

「負けは、変なシール?」

「ううん。普通の幼稚園のシール」

「じゃ、いいじゃん。」

「うん、いいでしょ。」

そんなやりとりに時間がかかりました。今年の年長さんは、ホントに慎重です。自分が理解するまで、質問攻めです。きっと、負けたらもっと酷い目にあうイメージなんだろうなぁ。

有里先生は、意外とみんなすぐ見つけられたようです。私は、その様子を撮影した後、すんなりと由美子先生を見つけるつもりでしたが、今年はどこにもみあたりません。いそうなところに、いないので、こどもたちに聞いてみると、まだ見つけた子はいないようです。

でも、私の推測で、由美子先生は絶対に3階以上にはいないと踏んで、1、2階を集中して捜索したところ、やっといました。

「まだ、誰も見つけてくれないんです。」

由美子先生は隠れすぎて、すでに、床に根が生えた状態のようでした。

離れて様子をみていると、みんな、近くまできて、通り過ぎているようです。

時間も限られているので、

「音が聴こえるかもしれないから、耳を澄ましてごらん」

というと、流石、阿吽のチームワークで、由美子先生が、

「ニャオ~~ン」と鳴いてくれました。

ひとりに見つかれば、次々と情報が漏れるので、みんなが殺到しました。

由美子先生は優しいので、じゃんけんにも工夫をしてヒントをくれます。

「先生は、グーを出すのが大好きです。」

察しの良いほとんどの子が、それじゃあパーを出せば勝てるという事が年長ではわかるので、みんなが勝てました。

ひとりだけ、

「じゃあ、チョキとかパーとか出せないの?」

と、本気で聞いてくる子がいたので、ちゃんとチョキもパーも出せる事を実践して見せておいたそうです。親切で、思いやりでと勝ち易くしてくれているというのは、まだ年長全体でも察する事はできないみたいです。「グーが好き」と言われれば、それはお得情報と思うのが年長レベルです。

なので、「まぁ、お気遣いすみません」といった年長には、まだ出会っていないので、発達というのは、そんな感じで進んでいくようですね。

由美子先生のところに全員がきて、こどもたちのラリーカードが満杯になっているので、全員とのラリーが終わってもまだポイントにいらっしゃる理事長先生を皆で迎えにいって、トイレを全員時間差で積み木をしながら済ませて、フロントに挨拶をして、バスに乗りました。

お迎えにきてくださった保護者の皆さんを前に、

「あと、3日くらい泊まりたかった」

と、言ってもらえたのは、今回のお泊まり保育もエンターテイメント満載で、大成功という事だと、拍手をもらった思いです。

雑感として、たくさんの文章を思いつくままに綴りました。

プリント発行をする「お泊まり保育特集号」には、抜粋を掲載いたします。

         2014年 お泊まり保育中にこどもたちを寝かしつけた後に記述した分と、解散後書いたものをあわせています。

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