私が2002年に作ったホームページ、「棒銀ドンタコス」から紹介する記事の二つ目。
「ボギーン・マンセー宣言」です。訳すと「棒銀・万歳宣言」です。私は棒銀推しだったので。
ガンダムと将棋の両方を知ってないと、わけがわからないと思います(^^;
では、どうぞ↓



ボギーン・マンセー宣言
棋道戦士ガソダム 逆襲のボウギニスト

この囲い、船囲いは、玉1枚と金2枚をつなぎ合わせて建造された、極めて不安定な囲いである。それも、序盤で速攻で仕掛ける急戦派のために、急遽建造されたものだからだ。
しかも、多くのプロがアマチュアに対して教えたことはここまでで、入れ物さえ教えれば良しとして、彼等はイビアナに引きこもり、我々に、急戦の棋譜を解放する事はなかったのである。

私の師、加藤一二三が去年のA級順位戦の最終戦、A級の残留を三浦弘行に要求したとき、師一二三は、振り飛車穴熊でボコボコにされた。
そしてその持久戦派一党は最強を語り、急戦派に撲滅戦争を仕掛けたのである!
その結果は、諸君らが知っているとおり、師一二三の降級に終わった。それはいい!
しかしその結果、持久戦派は増長し、将棋の内容は腐敗し、藤井システムのような反穴熊運動を生み、金銀4枚で固める囲いは現代将棋の象徴ともなった。

これがミレ二アムを生んだ歴史である!

ここに至って、私は人類が今後、絶対に持久戦を指し続けないようにするべきだと確信したのである!
それが、銀を2六に上げる作戦の真の目的である!
これによって、持久戦の源である四間飛車を指し続ける人々を粛正する!

諸君!
自らの道を開くため、急戦派のための将棋を手に入れるために、あと一息、諸君らの力を私に貸していただきたい!
そして私は、師一二三のもとに召されるであろう!


参考:スウィート・ウォーター宣言
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

このコロニー、スウィート・ウォーターは、密閉型とオ-プン型をつなぎ合わせて建造された、極めて不安定な物である。それも、過去の宇宙戦争で生まれた難民のために、急遽建造されたものだからだ。
しかも、地球連邦政府が難民に対して行なった政策はここまでで、入れ物さえ造れば良しとして、彼等は地球に引きこもり、我々に、地球を解放する事はなかったのである。

私の父、ジオン・ダイクンが宇宙移民者、すなわちスペースノイドの自治権を地球に要求したとき、父ジオンは、ザビ家に暗殺された。
そして、そのザビ家一党はジオン公国をかたり、地球に独立戦争を仕掛けたのである!
その結果は、諸君らが知っているとおり、ザビ家の敗北に終わった。それはいい!
しかしその結果、地球連邦政府は増長し、連邦軍の内部は腐敗し、ティターンズのような反連邦政府運動を生み、ザビ家の残党をかたるハマーンの跳梁ともなった。

これが難民を生んだ歴史である!

ここに至って、私は人類が今後、絶対に戦争を繰り返さない様にすべきだと確信したのである!
それが、アクシズを地球に落とす作戦の真の目的である!
これによって、地球圏の戦争の源である地球に居続ける人々を粛正する!

諸君!
自らの道を開くため、難民のための政治を手に入れるために、あと一息、諸君らの力を私に貸していただきたい!
そして私は、父ジオンのもとに召されるであろう!
おととい、「クリオネ定跡」なるものを紹介したとき、昔作ったホームページの話が出ました。
以下に紹介する文章は、私が2002年に作ったホームページ、「棒銀ドンタコス」からの抜粋です。
このホームページは私の体調不良のため、3か月ほどで放置、その後閉鎖となってしまいました。
その中から、読む価値があるかもしれない内容を二つ、紹介したいです。(二つ目はあさってに更新)
一つ目は「定跡革命、クリオネ定跡」と題されたもの。当時から私は変なところに情熱を燃やしていました(^^;
長文になっています。では、どうぞ。↓



先手:人
後手:人

▲7六歩 △3四歩 ▲6八銀 △8八角成

まで4手で後手の勝ち

まずは、この棋譜を柿木で取り込んでみてください。
将棋を指したことのある人なら、どなたでも身に覚えのある形だと思います。
4手目△8八角成、と指された瞬間の、あの背筋に電流が流れるような衝撃を、思い出されたでしょうか。思わず「アッ」と叫んでしまった、あの瞬間を。今をときめく、あの羽生四冠ですら、この「アッ」をたどってきたはずなのです。

ところが、なんたる落ち度か、この4手はあまりにも有名な序盤の変化でありながら、今まで名前がついていませんでした。
現在の将棋の形が誕生して約500年、この4手は指され続けてきたはずなのに、なぜか名前がついていませんでした。
いったいなぜでしょう?
それは、この4手目の△8八角成、とされた瞬間の衝撃に見合うだけの名前が、500年間、発見されなかったためと推測されます。

もちろん僕も、将棋を指し始めた小学生の頃に「アッ」、を体験しました。
この変化は何という名前の変化だろう、とその時、将棋の定跡本を読んで調べて見ましたが、名前がわかるどころか、変化を書いてある本すら一冊も出会えませんでした。美濃囲いや矢倉囲いを説明している本は山ほどあるのに。

そして、この4手の変化に何か名前がほしいなあ、と実はその当時、僕は思っていたのです。
しかし、小学生の当時の僕の貧困なボキャブラリーと知識では、この△8八角成の衝撃に見合うだけの名前はどうしても見つけられなかったのです。
そしてそのままダラダラと指し続けているうちに、少々将棋を覚えて強くなり、ここ数年は、この4手の変化に出会う機会もなくなってしまいました。
そしてその結果、この4手の変化に、何か名前が必要だなあ、何とつければいいんだろう、と考えること自体を、ここ10年以上もそもそもすっかり忘れてしまっていたのです。

根源的なことを考えることの放棄。これは人間という生物にとって、もっとも危険なことではないでしょうか。
僕も日々、自分なりに気をつけて人生を送っていたはずなのですが、やはり、年齢の増加という惰性には勝てなかったのです。
この4手の変化に何か名前が必要だ、ということを考えること自体を無意識の内に放棄しまっていたとは、何たる大失着であることか。

なぜ、ヒトという哺乳類が、今の地球での地位を築けたのか。それは、他の動物より、物事を多く考えたからでしょう。
そして、物事を考えるときには、まず名前が必要です。新しく生まれてきた赤ん坊は、色々な物の名前をひとつずつ覚えて成長していきます。つまり、「物に名前をつけること」が、今の人類の地位を築いた最初の第一歩だったのです。

ところがなんと、こと将棋に関しては、将棋を覚えて、誰もが一番初めに出会う、この4手の変化に名前がついていなかったのです。これはゆゆしき問題です。

現在、日本の将棋人口は1000万人と言われています。しかし、将棋のルールは覚えても、その次のステップになかなか進めない、特に「定跡」となると、もう聞いただけであきらめる、こういう人が現実にはほとんどではないでしょうか。
この将棋界の大問題を、一気に解決する方法があったのです。
そうです。 ▲7六歩 △3四歩 ▲6八銀 △8八角成
この4手の変化に、何か定跡として名前をつける、これです。名前をつけることにより、ヒトは確実に将棋に対して成長するはずなのです。

ギズモ日記に、特別企画として「ウチの母vsウチの妹」の棋譜を発表して以来、僕はこの一週間、小学生以来ふたたびこの4手のネーミングを考えるという、大問題に挑戦していました。しかし、やはり僕の頭の中でこの作業は難航しました。
新しく名前をひとつ思いついてはダメ出しをし、また思いついてはため息をつく、一週間、この繰り返しでした。
例をあげてみます。
厨房定跡・・・この▲6八銀は厨房どころのさわぎではない。
ドキュン定跡・・・なんかダメ。
逝って良し定跡・・・そのままで全然ダメ。
うぎゃあ定跡・・・下品。
初心者定跡・・・論外。

そんな悶々とした僕の脳みそに、神の発言とも言うべき救いの手が差し伸べられました。
掲示板でのマプさんの書き込みです。
ここにそのまま引用します。

リンクしました。 投稿者:マプ  投稿日: 5月 3日(金)00時51分22秒
マプのつめとぎ部屋の管理人のマプです。リンクのお誘い有難うございます。
こちらのHPからもリンクしましたので、よろしくお願いします。
特別企画は良かったです。
「▲7六歩△3四歩▲6八銀」まさに蜘蛛が教わりもしないのに見事な巣を作るように、
私達人類がクリオネだった時代から脳髄にインストールされている
真の定跡といって過言ではないでしょう。

ところが、あろうことか、神の救いの手とも言えるこのカキコに、
僕はこんなレスを返しただけで終わってしまっていたのです。
どうぞ僕を笑ってやってください。

マプさん、どうもですー。投稿者:ギズモ@(o_ _)oドンタコスッ 投稿日:5月 5日(日)00時01分53秒
クリオネって、たしか微生物でしたっけ。
その文体、好きだなあ。
マプさんのHPのリンクにも笑わせてもらいましたw
今からリンクに追加しますね。


・・・あやうく、これで話が終わってしまうところだったのです。
一週間悩んだ答え、いや、10年以上僕の頭の片隅にあったこの問題、いやもっと、500年の長きにわたり全ての日本人がたどりつけなかったそのネーミングの答えが、今まさにすぐ目の前のカキコにあるというのに。
僕は神の救いの手を目の当たりにしておきながら、あやうく自らこれを無視してしまうところだったのです。

今日、もう一度、再びボーッとしながらマプさんのレスを読み返したときに僕の目に入った単語に、それはありました。

特別企画は良かったです。
「▲7六歩△3四歩▲6八銀」まさに蜘蛛が教わりもしないのに見事な巣を作るように、
私達人類が
クリオネだった時代から脳髄にインストールされている
真の定跡といって過言ではないでしょう。


そこで僕はまず、グーグルでクリオネを検索しました。
そこで僕の目に飛び込んできたもの、この感動は一生忘れないでしょう。

クリオネってな~に?
https://www.kunimone-clione.com/clione

クリオネ定跡、誕生の瞬間です。

もう一度書きますが、これがクリオネ定跡の全貌です。
▲7六歩 △3四歩 ▲6八銀 △8八角成
まで4手で後手の勝ち

クリオネ定跡、これ以上のネーミングは、もはや考えられません。
マプさんのカキコと、僕の思考の集積で、このページまでたどりついたのです。
いや、母と妹の協力も忘れてはなりませんね。
「人」という漢字が1と1を支えあってできている、という金八先生の教えに、今の僕なら素直にうなずけます。

今まで、<定跡>というと、難しく固いイメージがありました。
この、<定跡>は難しく固い、という壁をクリオネ定跡は打ち破ってくれるものなのです。
初心者の人に、「一番最初に覚えたらいい定跡は何ですか?」と聞かれたら、これからは迷わずこう答えられます。
「それはもちろん、クリオネ定跡です」
山田定跡、木村定跡などの定跡は、理解できない人も多いでしょう。
かく言う僕も、うろ覚えといった状態です。
しかし、このクリオネ定跡なら、駒の動かし方のわかる人なら全員が理解できるはずです。

先手:人
後手:人

▲7六歩 △3四歩 ▲6八銀 △8八角成

まで4手で後手の勝ち

このクリオネ定跡がわからない、という人には、もはや将棋を教えようがないでしょう。

△8五飛車、を最初に指したのは中座五段です。
居玉のままで居飛車穴熊に対して急戦を仕掛けたのは、藤井九段です。
しかし、このクリオネ定跡を最初指したのは誰か、もはや歴史が古すぎて確認のしようもありません。
マプさんによれば、私達人類がクリオネだった時代から脳髄にインストールされているとのことです。
つまりは、クリオネという生物でもこの定跡は知っているのかも知れません。

いつか人類が、<万能生物翻訳機>を発明した暁には、僕はクリオネと一局指してみたいです。
今はまだ無理ですけど、千年後の僕達の子孫なら、あるいは可能かもしれません。
会社から帰ってきて、ビールを飲みながら、
「さあーて、今日は連敗から脱出するためにクリオネと一局指すか」
こんなおじさんが世界各地にいる、というのがあたりまえの時代がいつかくるかもしれません。

少し話が飛躍しました。もとにもどします。
「特許」という概念などとは無縁の将棋ですので、どんどんこのクリオネ定跡を広めましょう。
いや、この言い方は正しくなかったです。
広めずとも、今日、今のこの瞬間も24などのネットや、町の将棋道場のどこかでクリオネ定跡は指されているはずなのです。
なお、ウチの母vsウチの妹の棋譜
▲7六歩 △3四歩 ▲6八銀 △4二銀
これは相クリオネであることは、僕が言うまでもありません。
藤井システムがいつか指されなくなっても、中座飛車が将来廃れても、このクリオネ定跡だけは、将棋というものが現在のルールで存在するかぎりいつまでも永遠に指し続けられることでしょう。

いつか将棋が世界に普及したとき、外国人どうしが
▲7六歩 △3四歩 ▲6八銀 △8八角成
Oh!! No!! It's the most famous Clione jouseki!! Hahahaha. I resign. Mouikkyoku!!
OK! Sure! Come on!

こんな光景が目に浮かぶようではありませんか。
Yamada jouseki Kimura jouseki と言っても、Yamada、Kimuraでまず外国の人はとまどうことでしょう。
What is Yamada ? What is Kimura?
それが、<Clione>なら、すでに世界の標準語なわけです。
クリオネ定跡=Clione jouseki
外国語が苦手でも、将棋盤をはさんで4手指し、Oh!Clione!とひとこと言っただけで、
いきなり異文化交流ができるのです。
つまりはClioneが世界の平和に貢献する、こうなるのはもはや時間の問題なのです。

クリオネ定跡というネーミングが発見された、今日という日は、単に将棋界の記念日だけでなく、日本の文化史に新たな一ページを開いた記念すべき日です。
5月5日は「子供の日」でなく、「クリオネの日」として、毎年祝福されていくことでしょう。
2~3年後には、「鯉のぼり」でなく「クリオネのぼり」が日本中で見かけられることでしょう。

最後になりましたが、クリオネの研究をしておられる
株式会社オホーツク流氷科学研究所さん、これを機会に当HPと相互リンクしてもらえたら、と切に願います。

ここまで強調したら、すでにクリオネ定跡はあなたの脳髄にしっかりインストールされたことでしょう。
クリオネ定跡と人類の未来に、幸多からんことを祈って。 2002年 5月5日 ギズモ
将棋の定跡は難しい。そう断言できます。24の有段者の私ですら、正しく完璧に覚えた定跡なんて、あまりないです。途中までは覚えてるんだけど、というものならいっぱいありますが。

初心者向けの定跡を、私は提案したいです。それが以下。
初手から、▲7六歩△3四歩▲6八銀△8八角成まで。たった4手です。形勢は後手勝勢。

図は、先手が3手目▲6八銀と指したところ。


この3手目▲6八銀というのは、実際、起こりうる手です。
矢倉の定跡が、▲7六歩△8四歩▲6八銀・・・と続くのですが、先手がそれと勘違いし、後手の2手目が△3四歩なのに3手目に▲6八銀と上がってしまった場合に、この定跡は起こりえます。誰もが一度は通る道、と言っても過言ではないです。

この△8八角成までの4手の定跡を、「クリオネ定跡」と私は名づけました。クリオネという動物は、海に泳ぐ小さなイカみたいな生物です。普段はかわいらしく泳いでいるのですが、肉食で、捕食するときには狂暴な風体になることが知られています。
相手が▲6八銀を指した瞬間、4手目△8八角成とする際、人はクリオネのごとき狂暴性を現しバクッと先手の角を食べてしまう、というところから名づけました。

余談ですが、20年ほど前、私はこの提案を、自分の作ったホームページで書いたのですが、当時の私の体調が悪化した結果、ホームページの更新が終わってしまいましたorz 相互リンクなどをしてもらったのに、関係者の方には申し訳ないことをしました。m(__)m

別に、クリオネでなくても、他の適当な名前でも私はいいのです。この4手、△8八角成までの手順に、何か名前をつける。そして、将棋を始めたばかりの人に、手順を覚えてもらって、「ああ、これが将棋の定跡というものか。たしかにこれは後手勝勢だ」と理解してもらえば、それでいいのです。何しろ、将棋は、他の定跡が難しすぎるのですから。

なお、クリオネ定跡には、別の変化もあります。初手から▲7六歩△3四歩▲7八銀△8八角成。これもクリオネ定跡です。
3手目▲7八銀も、悪手で、△8八角成までで後手勝勢です。

将棋の定跡の中で、最も簡明な手順。それがクリオネ定跡なのです。クリオネ定跡が理解できないならば、他の手順を学んでも無駄と言い切れます。初心者は、まずはこの定跡から学ぶべきです。初心者には「一つ定跡を学んで理解した」という自信が大事だと私は思います。以上です。
私がすごいと思った戦法を、3つに絞って紹介します。

・藤井システム
これはもうおなじみでしょう。居飛穴が猛威を振るった20世紀の世紀末、振り飛車党は死滅したかに思われた。しかし救世主が現れた・・・。そんな動画がありました。その救世主こそ、藤井システムだったのです。まさか居玉で穴熊退治ができるとは、誰が想像したでしょうか。その前段階として、天守閣美濃を攻略したことも、とても大きいです。
ただ、藤井猛プロは、「藤井システムは僕だけが投げることができた変化球」と、どこかのインタビューで言ってました。使いこなすのが難しかったんですね。その後、藤井猛プロも、角交換振り飛車を採用するようになり、今、居飛穴vs藤井システムを観ることはほとんどないですね。でも藤井システムのような画期的な指し方が存在するだけで、私は将棋にロマンを感じることができます。

・アヒル戦法
これは私は、20年以上前、24のレート戦で、2級くらいの人に指されました。そのときは、こちらが誘いに乗らず、私が勝ったように記憶してます。しかし、私はアヒル戦法の、あまりの斬新、そして個性的な狙いに、深く感動しました。そのアヒル使いの2級の人とは、チャットを通して友達になることができました。とても楽しい思い出です。アヒルこそ、キングオブ奇襲でしょう。
いったんアヒル側の誘いに乗ってしまえば、どんな高段者も、もう勝つことが難しくなります。アヒル囲いの陣形は隙がないのです。
初心者がやる作戦で、「無敵囲い」というのがあります。▲5八飛として、左右の銀を▲4八銀+▲6八銀として玉を守る、というそれだけの作戦です。それを進化させたのがアヒル戦法といえます。
普通の戦法に飽きた、という人は、ぜひアヒルを調べてみることをおススメします。実際に出会うことはなくても、将棋の幅広さに気づくことができるはずです。・・・ただ、人によっては「無茶苦茶な戦法だ、バカにしてんじゃねえ」とブチ切れる可能性もあります(笑)

・居合い抜き袖飛車
ナンバー1は、これ。戦法は飛車の位置で決まります。右から順に、居飛車、袖飛車、右四間飛車、中飛車、四間飛車、三間飛車、向かい飛車。よく考えてみてください。この中で、ロクに研究されてないものがあります。それが袖飛車です。袖飛車こそ、将棋界に残された、新大陸なのです。袖飛車の関連書籍を探してみても、ほとんど出てません。
その袖飛車の中でも、私が研究したのが居合い抜き袖飛車。角道を開けるタイミングを後回しにするというもの。これにより、序盤からの大乱戦を避け、序盤が簡明になります。多くの場合、自分が意図した局面に誘導することができます。
・大乱戦を避け
・相手からの奇襲攻撃を避け
・こちらからの攻めは強烈
こんな何拍子もそろった作戦は、他にないでしょう。居合い抜き袖飛車を指す前は、私は棒銀を自分なりに研究していました。でも、棒銀って、銀が遊ぶリスクを抱えているわりに、見返りが少ないなあ、と感じていました。リードしたとしても、2~3筋を制圧しただけ、ということもしょっちゅうです。そもそも棒銀にできる展開ではないことが多いです。
そこへ出てきたのが居合い抜き袖飛車。私の友人Nが指してきて、そのときは私の完敗。私は「なんて素晴らしい戦法なんだ」と感動しました。それ以来、もう居合い抜き袖飛車一本です(^^;
将棋を指す人に、「居飛車党?振り飛車党?」という質問は、よくあります。私は言いたい。「私は袖飛車党です!」と。

以上、私がすごいと思った戦法、3選でした。
NHK杯のベスト16に、藤井聡太の登場。対するは澤田。澤田って強いのか?
33才、竜王戦3組で順位戦B1だそうだ。B1だったら強いんじゃね?
解説は大石だった。

先手聡太で、いつもの居飛車。対抗形になった。聡太は居飛穴に組む。
澤田は四間飛車で、囲いが変則的な金無双。桂を玉頭に跳ねている。

で、この対局なんですけど・・・ 聡太がじわじわとリードを広げる。持ち時間も、澤田はまだ中盤というところで残り0回になってしまった。
聡太だけ2筋を破り竜ができてしまった。そして竜を自陣に引き上げ、先手の聡太、盤石の構え。
だって後手に何の主張点もないんだもん。その後も、聡太はAIの指摘してる手をバンバン指して、どんどん差が広がる一方。
聡太、右銀と右金の使い方がうまかった。玉のいる左に銀と金を使いたいと思うのが普通なのに、右側に離れていくことを恐れない指し回し。

大差がつき、105手で聡太の圧勝。これは一手違いとは言わないでしょう。記念に思い出王手をしたところで、澤田は投了した。

あ、あの~、これ、なんでこうなっちゃってるわけ・・・?
一方的だった。正直、聡太が角を落として指しても、聡太が勝つんじゃないかと思った。
澤田もB1の棋士なのに、この差は何なのか。         

先日の銀河戦の広瀬は、聡太の強さを引き出していた。広瀬はA級棋士。やはりAとB1では差があるということか。

聡太は「勝ちを意識した局面は?」、と訊かれて、最後のところを言っていた。
私がもし先手を持って指していたなら、竜が作れた時点で勝ちを意識してます(^^; 
聡太はノーミスで、藤井曲線を描いた典型的な一局と言える。

本局は物足りなかったが、まだベスト16だ。次は康光と渡辺明の勝者とベスト8で当たる。これは楽しみにしよう。
居合い抜き袖飛車(以下、袖飛車)の序盤で、また大きな進歩がありました。▲居飛車vs△袖飛車で、居飛車側の「天破の構え」に、私はこの半年間、ずーっと悩まされてきました。もう一度、「天破の構え」を載せます。図1がそれ。

図1 19手目▲6七銀まで 先手居飛車の「天破の構え」 


図1以降は、先手が玉を左に囲っていけば、先手はすごく堅く囲うことができます。図1は水匠5で+200ほどなのですが、もっと差がついているように私は感じます。後手の袖飛車側としては、もう策はない、と私は考え、相手が先手で▲2六歩~▲2五歩のときは、もう袖飛車はあきらめ、普通の居飛車で戦うしかない、という結論を出しました。それが11月12日の記事です。

ところが!友人Nが、またまたやってくれました!天破の構えに対する対抗手段を考えてくれたのです!それが図2。

図2 16手目△2三歩まで 天破の構えに対する、袖飛車側の対抗手段


図2のポイントは、袖飛車側は△7四歩を指さずに保留していることです。これにより、▲4六角が9一の香取りになっていません。だから△2三歩で、局面が収まり後手は受けることができています。この△7四歩保留、これこそ友人Nが思いついた工夫。袖飛車なのに△7四歩を保留。まさにコロンブスの卵です。
図2以降の展開としては、後手は6二の銀を、中央にどんどん進めていき、飛車は場合により△5二飛と振り直します。図2は水匠5で+230ほどで先手やや良しなのですが、局面が手広いです。後手は銀を△5三銀から出していって△5五歩と仕掛けていけばいいので、むしろ先手より後手のほうが手がわかりやすいです。充分互角に戦える範囲だと私は感じます。

図2は袖飛車側が後手でしたが、袖飛車側が先手でも、もちろん今回の考え方は使えます。初手は▲3六歩ではなく、▲3八飛とすればいいのです。ポイントは▲3六歩保留です。余った1手は、▲4八銀とでも指しておきましょう。

今回の図2に至るまでで、△7四歩を保留するので、居飛車側からの棒銀に対応できるのか、とか、色々また問題はあります。でも袖飛車側が最善を指せば全て互角の範囲で戦える、という水匠5先生のお墨付きです。必ず互角に持っていく手順があります。

私個人としては、今回の友人Nの功績は大発見です。これで、どんな場合でも、袖飛車で戦うことができるのですから。ただ、唯一と言っていいか、相手が嬉野流だったら、袖飛車にする意味はないだろうな、と思ってます。

では、今回の発見をkifu2形式で一手一手、まとめておきましょう。


先手:居飛車の天破の構え
後手:居合い抜き袖飛車

▲2六歩
*相手が居飛車にしてきました。
△3二金
*とりあえず、角の頭を守っておきます。
▲2五歩
*相手は歩を伸ばしてきます。
△7二飛
*もう袖飛車を明示しちゃいます。
*この手を見て、先手は「相手は袖飛車。相手からの8筋からの攻撃はない」と判断します。
▲7八銀
*そこで、銀を上がることになります。これは先手が「天破の構え」に組むときに必要な手です。
△6二銀
*銀を上がって、様子を見ます。
▲5六歩
*先に▲7九角もあるところ。
△3四歩
*ここは△5四歩よりも△3四歩がいいです。もし次、▲2四歩から飛車で3四の横歩を取られても、互角です。その場合は力戦になります。
▲7九角
*相手は「天破の構え」を目指しているので、角を引いてくるのが自然です。
△5四歩
*ここで後手は2筋は放置。
▲2四歩
*先手は2筋を交換にいきます。
△同 歩 ▲同 角
*これが王手。
△4一玉
*ちゃんと玉を逃げましょう。
▲4六角
*今までは、この▲4六角が「天破の構え」の自慢の一手でした。しかし、後手は△7四歩を保留しているので、それほど怖くありません。
△2三歩
*しっかり2筋を受けておきます。以下、後手は△5三銀~△4四銀(△6四銀もありうる)~△5五歩と攻めていけるので、後手も主張がある局面です。今回の研究は以上です。
11月のレーティング戦は、14勝9敗でした。

開始日時:2024/11/30
棋戦:R対局 早指し2(猶予1分)
先手:二段の人
後手:GizumoのセカンドHN

▲7六歩
*相手の先手。相手が初手▲7六歩だと助かる。▲2六歩だと、やや困る。
△7二飛
*私はもちろん袖飛車。初手が▲7六歩なので、7筋を争点にできる。
▲9六歩
*早々の端歩。
△7四歩
*9筋は無視する。
▲2六歩
*相手は居飛車のようだ。
△6二銀
*すぐに△7五歩もあった。しかし相手が▲9六歩としているので、この△6二銀を指しても、相手が原始棒銀で来ても受けが間に合うと見た。
▲2五歩 △3二金 ▲2四歩
*この歩交換は、もう予定どおり。
△同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛
*▲2五飛と引くのも有力。
△7五歩
*△7三銀~△6四銀~△7五歩は怖い。その間に棒銀で来られたら、2筋を破られそう。激指もそう言っている。
▲同 歩 △同 飛
*だから飛車で歩交換した。
▲6六角
*この角は、なかなかの作戦。
*ここは迷いどころだった。△7四飛か、△7二飛か。
△7二飛
*△7四飛だと▲7五歩がいつでも当たるので、△7二飛とした。しかし△7四飛も有力だったと激指。
▲7八銀
*以下、駒組みが続く。
△7三銀 ▲9五歩
*この端歩は、やってるときは気づかなかったのだけど、角のラインで▲9四歩を狙っていたのだね。
△6四銀 ▲7七銀 △7四飛
*この手は迷ったが、他に何をやっていいか分からなかった。最初から△7四飛と引くべきだったか。
▲8六銀
*この手はなかなかで、後手の飛車にプレッシャーをかけている。
*後手は△7三桂としたいが、▲9四歩の筋があるし、いかにも飛車が詰みそうだ。
△6五銀
*こう銀が出てみたが、激指の評判はあまり良くない。
*次の手、先手は▲5五角と出て、△7三桂には▲7五歩がピッタリで先手優勢だった。ゆえに▲5五角には△6四歩だが、そこで▲8五銀以下、先手が有利だった。
▲8八角
*しかし、本譜は引いてくれたので、後手、助かった。
△7六銀
*私の棋風からして、こう銀で攻めたいところ。
▲7八金
*形勢は+150ほどで互角。
△7三桂 ▲5八金
*しかし、銀・桂が攻めに使えて、とにかく局面が落ち着いたので、私はまずまずの序盤と思って指している。
△7二金 ▲7五歩 △5四飛
*ここらへん、先手の手は難しい。後手はもう特に指したい手もない。△5二玉くらいか。
▲2六飛
*機敏な手。銀取り。
△6五銀 ▲7七桂
*銀は死んだが、桂でヒモが付いているので、まあいいかと私は思っている。
*ただ、形勢は+340ほどで、ちょっと先手がいいと激指。
△3四歩 ▲6八玉
*しかし、たった2手進めると、形勢、+30ほどまで互角になっている。双方、当然の手に見えるが。激指先生、あてにならない(^^;
*ただ、▲6八玉よりは▲4八銀が良かったようだ。
△4四角
*ここで私は、2枚目の桂を使いに行く。
▲3六飛 △3三桂
*これで2枚の桂で攻める態勢ができた。これで負けたら、もうしょうがないと思って指している。
▲1六歩
*この手が甘かった。なにはともあれ、▲4八銀だった。
*それなら先手が有望だった。
△7六歩
*これで戦闘開始。
▲6五桂 △8八角成
*角交換を忘れずに。
▲同 金 △6五桂
*形勢は-150程度。
*次の先手の手が敗着となった。
▲7六飛
*これが敗着。▲6六銀と打って、手堅く受けていれば互角だった。
△4五桂
*桂のダブル跳ね。袖飛車では、ときどきある展開だ。
*これで形勢、-1250ほどで、すでに後手優勢。
▲4六銀
*銀打ちが一手遅れた。
△5七桂左成
*当然、特攻する。
▲同 銀 △同桂成 ▲同 金 △5九角
*厳しい。取れば詰む。
▲5八玉 △6九銀
*ここで相手が時間切れ。総考慮時間は、相手が10分半、こちらが6分半だった。もうここからは後手の攻めが続き、後手玉は安泰なので、逆転はない。先手は▲1六歩が甘かった。
まで58手で時間切れにより後手の勝ち
第32期銀河戦
決勝トーナメント 2回戦 第1局
藤井聡太竜王・名人 vs 広瀬章人九段
解説:池永天志六段
聞き手:脇田菜々子女流初段

私は楽しみに待っていた一戦。
先手広瀬で、角換わりに。また相腰掛銀かと思われたが、聡太は右玉を選択した。
互いに手損して手待ちの序盤。広瀬は穴熊に潜る。千日手もあるかと思われたが、聡太が積極的に動き、打開した。
そこから、ねじりあいが続くことになる。互角の中盤の押し合い。評価値が50%でずっと推移して、レベルが高い。

そして、ようやく聡太リードが見えてきた。広瀬が駒損なのだ。聡太、金香の丸得くらいしている。評価値も確かに聡太がリード。だが、広瀬の玉はまだ手付かず、聡太は延々、受けを余儀なくされる。聡太、評価値では70%くらいでリードしているのだが、広瀬の穴熊が異様に堅く、もし何か技を食らってしまったら、一気に逆転して聡太が負けになる。穴熊独特の食いつきが成功するかという展開。

広瀬の攻め、聡太の受け。広瀬、懸命の粘りで、まだ勝負は分からない。
聡太、AIの評価値的には、疑問手もかなり指している。いったん聡太の勝率が90%まで上がったが、50%まで戻ったときは、私は聡太の負けを覚悟した。あ~、こりゃ、もう聡太、今回は負けだ。いっぱい疑問手を指したから、もうしょうがない・・・。
だが、広瀬も勝負手を逃す。勝率、再び聡太側に回復。聡太、どうにか難を逃れた。
最後は聡太が攻め合いに出て、160手までで聡太の勝ち。大熱戦での薄氷の勝利と言えるだろう。私はハラハラしっぱなしだった。

本局、聡太も不安定だったが、AIも不安定で、70%ほどを表示していたのに、まだ何も指してないのに50%まで戻る、とかいう現象が散見された。それだけ難しかったということだろう。(銀河戦のAIはソフトは何を使っているか、明らかにされてない)

はあ~、よく聡太、勝てた。マジこれ、1勝するだけで大変だわ・・・。穴熊の恐ろしさが存分に出ていた。広瀬側は2枚も駒損していたのに、実戦的にまだまだ大変って、クマるのって有効なんだな、と痛感した一局でもあった。

ギリギリの攻防で、観る側も気合を入れて、時間を作って観ないと、熱戦を理解できない。将棋を観るっていうのも労力を要する趣味だと思った。
聡太、なんとか勝ち上がり、準決勝進出。次戦も楽しみにしている。
私は、囲碁将棋チャンネルで、奨励会ダイジェストという番組を、しょっちゅう観ています。四段になった人がゲストで、棋譜解説をするという回を観てます。棋譜解説を見るかはその時々なのですけど、20分くらいあるインタビューを、ラジオのように聞くのが好きなのです。

晴れて四段になったゲストたちは、「苦労したけど、プロになれたので良かった」という話に、いつもなるのです。
でも、です。ここで問題が生じてきます。プロになれた人の話ばっかり聞いていると、視聴している側のバランスがおかしくなるのです。じゃあ、プロになれずに辞めていった人の話は、聞かなくていいのか?と。
奨励会は入った人の8割が辞めていく。三段までなった人も、半分は年齢制限でプロになれない。そういう世界なんですよね、将棋のプロを目指すということは。

「将棋の子」という2001年の本から、だいぶ経って2014年に発表された天野貴元さんの「オール・イン」。著者の天野さんは、16歳で三段になるも、遊びまくったのが原因で、四段になれなかった。全てを将棋に懸けていればおそらくプロになれたのでしょうけど、「オール・イン」しなかった。それを本人が赤裸々に書いてくれています。
奨励会を挫折したという意味では、瀬川さんの「泣き虫しょったんの奇跡」と、今泉さんの「介護士からプロ棋士へ」があります。でも、その2人は、結局プロになれたんです。それはそれで、良かったね、ということなんですけど、そこには敗者の悲哀からくる心の叫びはないわけです。

NHKの「ねほりんぱほりん」で、元奨励会員たちがテーマで取り上げられていましたが、奨励会員たちが集まるとカラオケで尾崎豊の「シェリー」を合唱していた、というエピソードが私の胸を打ちました。♪俺はあせりすぎたのか、むやみに何もかも捨てちまったけれど~ ♪いつになれば俺は這い上がれるだろう・・・

10年、奨励会に居たけど、プロになれなかった、という人もザラに居る世界。プロになるために10年も修行したのに、なることが許されずに、捨てられる世界。これって、どうなの?と思わずにはいられません。世の中のことが良く分かっていない、小~中学生のころからプロを目指さなければいけない、というのも、残酷さが増す要因です。

もっと、言いたいことがある現役奨励会員・元奨励会員に、発言の場があるといいと思いますが・・・。
藤井聡太というピラミッドの頂上での戦いばかり観るのもたしかに楽しいですけど、奨励会のことも、今よりもっと取り上げられる機会があればいいですね。
今回は、私が特に気に入っている、将棋マンガ3選の紹介です。

・月下の棋士 全32巻 能條純一著 (1993年~2001年)
主人公の氷室のセリフ「定跡?そんなもン、将棋にねぇよ。どの跡(みち)通ったって、最後に勝ちゃあ、それでいいんだ」
この名言から第1巻が始まります。ライバルである滝川が、狂気に囚われていくのですが、氷室は・・・。どうなったかは最後まで読んでもらいたいです。
現実の数学の話で、ポアンカレ予想という、100年間解けなかった、超難問がありました。それを2002年頃に解いた人がいるのですが、その人は、もう何もかもどうでも良くなってしまい、フィールズ賞も、賞金100万ドルの受け取りも拒否しました。
この話を思い起こさせるのが月下の棋士のストーリーです。将棋という魔力を持ったゲームに、魂を奪われてしまう危険を、月下の棋士は見事に描いています。
月下の棋士で、惜しむらくは、話が長くなってしまったことでしょうね。全20巻くらいに収めておいてくれたら、もっと読みやすかったです。
キャラで私が好きなのは、A級棋士で平気で不戦敗する光本ですね。「大蔵省がぶっつぶれようが、国がひっくり返ろうが、オレには何の興味もない!!今のオレに大事なもンは次の一手・・・次の一手よ!!」このセリフにはシビレました。

・ハチワンダイバー 全35巻 柴田ヨクサル著 (2006年~2014年)
疾風怒涛のごとく、真剣師たちの激熱バトルが展開されていきます。作者の柴田さんが、将棋が好きでたまらないということを表現したことが、大成功していると感じます。作者の熱量が、読者にも伝わってくるのです。
私の好きなキャラは、右角という右四間飛車に特化したキャラ。細い攻めをどうやってつなげるかは、読んでいて手に汗握ります。敵キャラで好きなのは、ネットスターズというチーム。ネットの24?の高段者を集めたチーム。こういうの、マニアな読者にはたまりません。テーマはエンタメ。難しく考える必要はないマンガです。
将棋が強くなりたい人にもおススメできます。結局、将棋で大事なのは、どれだけ深く将棋盤にダイブ(潜る)できるかということなのですから。

・リボーンの棋士 全7巻 鍋倉夫著 (2018年~2020年)
この本の連載期間は、2年しかありません。リアルタイムで本の発売を待って買っていた私には、とても助かりました。完結するのを待たされるのは私は苦手なのです。全7巻で、きっちり終わらせたことは、とても高ポイントでした。
キャラが、それぞれ個性があり、主人公は奨励会を退会しても前向きです。しかし同じ境遇でも「まだ将棋から何も得てない」と言うネガティブな脇役もいます。そもそも、奨励会を受験することすら許されなかった人もいます。アマ強豪であっても、あっさり上達に見切りをつけて将棋を止める人もでてきます。プロであっても、もう情熱をなくしているロートル棋士もいます。病気にかかり、体力的に限界な棋士もいます。そういう人間模様が実にリアリティがあり、私は引き込まれていきました。
最後の終わり方もとても良かった。短い話ですが、ぎゅっと中身が詰まっていて、心揺さぶれますので、おススメできます。

以上、私がおススメする将棋マンガ3選でした。
将棋マンガは、他にも多数出ています。3月のライオン、ひらけ駒!、将棋めし、将棋の渡辺くん、山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々、こんなレベルの低い将棋見たことがない!、投了すっか、ヤンケの香介、など・・・。将棋マンガは花盛り、とてもありがたいことだと感じます。
今回は、私が今まで読んだ棋書の中から、これは本当にすごい、と思った棋書を3つ紹介します。

・羽生の頭脳1~10 (1992年~1994年発行)
この本の登場までは、将棋の定跡本というと、「○○戦法・必勝法」のような、相手に悪手を指させて、その戦法が勝つ、という形態の本が主でした。それを羽生の頭脳は一新しました。手順ごとに、細かく、先手有利・互角・後手有利という書き方で、見事に将棋の定跡の本質を表すことに成功したのです。レイアウトもとても良い。全10巻で、対抗形と相居飛車の全貌を取り上げようという根性はすごいです。
また、羽生のような強者が、余すところなく思考を披露して、それでも勝ち進むということを体現したのは、「手の内をバラしても勝てるんだ」、という意識をプロ棋士たちの間で広めたことも、とても大きなことでした。(羽生の7冠制覇は1996年)
ただ、今は定跡が進み、参考にならない巻があります。でも、30年前の当時、どういう戦型が指されていたかを知ることができます。もう古典の部類ですね。当時はプロ棋士ですらこれを読んで勉強したという伝説の本です。

・詰将棋のハンドブックシリーズ 浦野真彦著 (2004年~)
私が詰将棋が苦手なのは、子供時代に、自分に合う詰将棋本に出合わなかったということが大きいです。昔の詰将棋本というのは、「○○九段・作品集 3手~15手」とかいうのが主でした。私は3手詰は解けましたが、7手詰となると、もう解けません。そういう作品集という形態の本は、その著者のファンが購買層なのであって、詰将棋で訓練をしたい人には向いてないのです。
小学低学年~高校生向けの数学の本のようなもので、同じ本の中で難度が変わりすぎるのですね。
そんな中、出たのが、浦野先生の「5手詰ハンドブック」でした。私は夢中になって解きました。私とって、難度がピッタリでした。そして、本の始めから終わりまで、難度の変わらない問題が並んでいるので、最後まで解き終えることができました。私は4回は通しで解いています。(私も詰将棋を解いた時期もあったのです)
惜しむべきは、もっと早くこの本を出版してほしかった。私が24に出会い、指しまくっていたのが2000年頃。5手詰ハンドブックが出たのが2004年でしたから。できるなら、私が将棋を覚えた頃に3手詰ハンドブックに出会いたかったです。
しかし、この本も羽生の頭脳と同じく、のちの業界に、多大な影響を及ぼしています。一冊を通して難度が変わらない、という形式で、他の詰将棋の本が何冊も出ていますから。
問題の質も、私の知る限り、浦野先生がナンバー1です。見た目に解きたいと思わせ、解いたあとの爽快感があります。
詰将棋の本というのは、定跡本と違って、鮮度が関係なく、長く使えます。これからも私はときどき解きたいです。

・将棋・序盤完全ガイドシリーズ 上野裕和著 (2012年・2013年・2017年)
将棋の定跡本は難しくて、何が書いてるのか、さっぱり読み進められない・・・ そんな人にも、読めるかもしれないというのが、このシリーズです。詳細な定跡は他の本にまかせ、このシリーズは、ガイドに徹しています。その戦法を指せるようにはなりませんが、TV将棋などを観て、どの戦型をやってるか、は理解できるようになります。普通の定跡本が町内地図や道路地図ならば、この本は日本地図や世界地図のようなものです。観る将向けと言えるかもしれません。
実に読みやすく、これ以上、簡明な説明はもう無理だろう、と思います。
振り飛車編と相居飛車編で終わりかと思われていたところ、相振り飛車編まで出してくれて、実にありがたいです。
このシリーズは、のちの将棋業界に、あまり影響を与えていないと思われます。独立したジャンルなのですね。それがまたすごいと思います。

以上、私がすごいと思った本、3つの紹介でした。
私の24のレーティング、二段になったのはいいんですけど、もうこれ以上は上げられないんじゃないかと。
なにせ、私は詰将棋が嫌いで、全然やってません。だから、見落としが多いのなんの。終盤になると、精度がガタ落ちです。

でも、私は満足してます。24の二段に再びなれたということで、もう満足です。
序盤の研究だけで勝ってたようなもんです。居合い抜き袖車のおかげです。

私は序盤の研究が好きで、毎日、飽きることなくできてしまいます。これはこれで才能でしょう。
ただ、もう、居合い抜き袖飛車の研究は、一段落しました。全貌は、このブログで発表済みです。

これ以上、レーティングを上げるとなると、詰将棋は必須でしょう。何しろ、私は5手詰ハンドブックすら、解くのを嫌がってしまうのですから。じゃあ、実戦をたくさん指すのか、と言われれば、それもできない。体力的な問題です。
というわけで、私の現状、もう三段を目指すのは無理。詰んでます。
私は二段になり、vs二段と数局指しましたが、やはり初段よりミスが少なく、粘り強い。初段と差を感じます。
レート1600(初段)と、1800(二段)では、やはり違うということですね。

このブログのほうなんですけど、これも何を書けばいいか分からない状態になってます(^^;
もう、大体、書きたいことは書いてしまいました。今、持ちネタとしては、藤井聡太が出たときのNHK杯と銀河戦の感想だけ。
替え歌も、もう思いつかないし、ミルクボーイネタやらなんやらも、そうそう思いつくわけないです。

ネタがないのも、しょうがないかなー、と思ってます。17年ももうブログを書いてきたわけで、行き詰まるのも、当然かと。
まあ、しばらくブログを休憩するのも悪くないかと思ってます。更新が減ると思いますが、特に私は死んだわけでもないんで、そこは心配しないでね(笑)
ここ最近の私の実戦、計21局から、統計を取ってみました。
私が先手のときが8局。私が後手のときが13局です。

私が先手の場合。私は必ず初手▲3六歩とします。相手は2手目、何をしてくるか。
2手目△3四歩・・・5局。
2手目△8四歩・・・3局。
2手目その他・・・なし。

私が後手の場合。相手は初手で何をしてくるか。
初手▲7六歩・・・9局。
初手▲2六歩・・・2局。
初手その他・・・2局。

対戦相手の強さは、1級4人、初段13人、二段4人です。
いかんせん、もっと多くの数のサンプル数が欲しかったのですが、21局しか残っていませんでした。
私の勝敗は15勝6敗でした。

統計を見ると、すぐに角道を開けてくる相手がとても多い。特に、相手が先手のときは▲7六歩が人気が高いですね。
その▲7六歩に対し、私は後手でいつも△7二飛として、7筋を争点にして戦います。
はっきり言って、初手▲7六歩は私には、ありがたいです。
もう、▲7八銀~▲7九角からの「天破の構え」には相手はしてきませんから。

袖飛車の優れたところとして、初手▲7六歩に△7二飛で、もう袖飛車側のペースになりかかっているということです。
AIの評価値的にはちょっとだけ(+150ほど)先手良しなのですが、人間どうしだと、この出だしに慣れているのは後手の袖飛車側のほう。先手は手が広く、指し手に迷います。
だから袖飛車が充分戦えます。相手の初手▲7六歩で、すでに私としてはラッキーと思って指してます。
袖飛車(居合い抜き袖飛車)は、実に恐ろしい戦法と思います。
開始日時:2024/11/18
棋戦:R対局 早指し2(猶予1分)
先手:初段の人
後手:GizumoのセカンドHN

▲7六歩
*相手の先手。これで8局連続、後手番になった(笑) 実はこの▲7六歩がすでに、私にはありがたい。
△7二飛
*後手が私。△7二飛で7筋を争点にできるから、初手▲7六歩はありがたい。
▲6八銀
*相手は矢倉か、振り飛車か。
△7四歩 ▲6六歩
*相手はまだ態度を決め手くれない。
△6二銀
*後手のこちらとしても、相手が振り飛車でも居飛車でも、どっちでも対応できるように進める。
▲6七銀
*先手はまだ振り飛車か居飛車か分からない。
△4二玉 ▲9六歩
*この端歩は、受ける必要はない。
△3二銀
*左美濃で行くことにした。
▲1六歩 △1四歩
*玉側の端歩は受けておく。
▲7八飛
*やっと先手は態度を決めてくれた。
*ここで私は、6二の銀をどうすべきか考えている。早繰り銀にするか、△6四歩~△6三銀にするか。
△3一玉
*とりあえずもう一手、囲った。
▲4八玉
*対抗形では、どちら側も居玉は避けたほうがいい。
△6四歩
*後手の私としては、早繰り銀にしても、歩越銀には歩で対抗されているので、やめておいた。
▲5六銀 △6三銀
*△6三銀型にした。ここは序盤のポイントだった。
▲3八玉 △5四銀
*これで盤面、飛車側ではこう着状態に。
▲2八玉 △3四歩
*そろそろ開けておいた。
▲3八銀 △5二金右
*この手に代えて△6五歩はまだ早いと激指。
▲5八金左
*形勢は互角。
△3三角
*手待ち。後手番だし、こっちから仕掛けなくてもいい。
▲4六歩
*まだしばらく駒組みが続く。
△2二玉 ▲3六歩 △2四歩 ▲3七桂
*このあたりは高度な指し手が続いている。
*激指ではほぼ±0の互角。
△2三銀
*この瞬間、後手はちょっと怖いが、先手からの仕掛けはないと判断。
▲4七金 △3二金 ▲2六歩
*まだ駒組み。
△1二玉
*これも激指は好手としている。お互い、低段とは思えない、完璧な序盤。
▲2七銀
*この瞬間、離れ駒ができた。なので・・・。
△6五歩
*仕掛けた。千日手になっては面白くないからだ。
*ただ、±0だったのが、+80ほど(先手がほんのちょっと有利)になっている。
▲同 歩 △8八角成
*この角交換は当然。
▲同 飛
*後手の狙いは・・・。
△2二角
*これが当然の手に見えて、激指は△7五歩を最善としている。このあたりは細かすぎて私には分からない。
▲9八飛
*この手に代えて▲7七角は、取ってもう一回△2二角だ。
△7五歩
*ここで激指は、+280ほど。しかし次の先手の手はなかなか難しい。
▲同 歩
*取ったが、他にも色々あった。本譜に代えて▲1五歩or▲2五歩or▲4五銀or▲6四角。どれも有力だった。
△同 飛 ▲7七歩 △7三桂
*本譜は、後手が駒がさばけてきた。
*この次の先手、ここも手が広かった。
▲8六角
*この角はありがたかった。どうも働きが弱いと思ったからだ。
*代えて、▲8二角or▲3八金が有力だったとのこと。
△7四飛
*先手が何をするか、様子を見た。
▲6八飛
*この手は激指の評価が悪い。代えて▲6四歩がおススメだった。
*形勢、-500ほどになった。
△7六歩
*これが厳しい。
▲7八飛
*この受けしかないのでは、先手不利。
△6五桂
*駒が使えてきた。手ごたえあり。
▲同 銀 △同 銀
*先手の8九の桂がほぼ働きがないのに対し、後手の8一の桂は銀と交換になった。
▲1五歩
*先手が持ち駒が桂と歩1枚しかないので、冷静に受けたい。
△同 歩 ▲2五歩 △同 歩 ▲1四歩
*次の手が本局の決め手と言っていい。
△2四銀打
*がっちり受ける。これで形勢、-1200ほどになり、後手の勝ち筋がはっきりした。後手はめっちゃ堅い。
▲1三桂
*これは放置でいい。
△7七歩成
*この手の他にも色々あったようだ。しかしこれも良い手とのこと。
▲同 角
*後手に厳しい手がある。
△6六銀
*これは痛い。もう後手、不敗の態勢だ。
▲2一桂成 △同 玉 ▲4五桂 △7七銀成
*後手が駒得をしていく。
▲3三桂打 △同 銀
*もう、分かりやすくするために、桂は取った。
▲7七飛 △同飛成 ▲同 桂
*ここでの駒割りは、後手の角の丸得になっている。
△6九飛 ▲3八金 △2六桂
*厳しい寄せ。とにかく盤上に攻め駒を増やすのが寄せのセオリー。
▲4一飛 △3一金
*金引きで大丈夫。
▲2六銀 △4一金
*ここで相手が投了。ほぼ完ぺきな内容。ただ、消費時間は、先手6分弱、私9分強。24のAIによると、後手は疑問手2、悪手0だった。我ながらよく指せた。
開始日時:2024/11/06
棋戦:R対局 早指し2(猶予1分)
先手:GizumoのセカンドHN
後手:二段の人

▲3六歩
*私の先手。いつもの袖飛車。
△3四歩
*相手は1800点超えの強敵。
▲4八銀
*私流の、いつもの出だし。ここから相手が中飛車だと、▲4六銀型で、こちらは手堅く進めることができる。
△3二飛
*また三間だ(^^; 袖飛車あるある。袖飛車は三間飛車を誘発する。吸い込み現象というべきか。
▲3八飛 △4二銀 ▲5六歩
*こうやって、▲5七銀~▲4六銀とすれば、△3五歩の紛れがない。
△5四歩 ▲5七銀 △5三銀 ▲4六銀 △4四銀
*銀対抗になった。たしかにこれで先手からの攻めはないが、この局面になるように誘導したのは袖飛車側だ。形勢は互角でも、すでに袖飛車の術中である。
▲6八玉
*対振りの場合は、玉は囲うのが鉄則。よほどのことがない限り、対振りでは居玉で戦うことはない。
△6二玉
*相手も囲う。以下、駒組み。
▲7八玉 △7二玉 ▲9六歩
*様子を見た。
△8二玉
*あら、これは穴熊か。
▲9五歩
*穴熊でも、後手としては△9四歩と受けておく手は有力だった。なぜなら、この戦型は手詰まりになりやすいからだ。
△9二香 ▲7六歩
*そろそろ開けておいた。ここは感覚。
△9一玉
*さて、こちらは玉の囲いを何にしよう?天守閣美濃も魅力だが・・・。
▲6八銀
*結局、指しなれたエルモ囲いにすることにした。居飛穴か、左美濃か、エルモかの三択だ。どれを選んでも一局だ。
△8二銀 ▲7九金 △5一金左 ▲5九金
*さて、エルモ囲いは完成したが、ここからが困る。
△6二金左
*先手、手が出せない。もしこちらが後手なら、もう千日手でもいいかと思うような形をしている。
▲2六歩
*手のないときは2筋を突くのがセオリー。
△7一金 ▲2五歩 △7二金寄
*相手は穴熊で堅い。これは骨が折れそうだ。
▲7七角
*相手の形が完璧なので、崩れてもらいたい。
△1四歩 ▲1六歩 △1二香
*相手は手待ちしている。こっちにも、手待ちで有効手はないものか?
▲2八飛 △3三角
*うーん、どこから戦いを起こしたらいいのか?
▲3七桂
*とりあえず跳んでみた。成否は分からない。
*激指15は、ここでは-150ほど。
△5一角
*さて、何をしたらいいんでしょ(^^;
▲2九飛
*間合いを計っている。
△7四歩 ▲6六角
*まだ手待ち。
△3五歩
*おお、仕掛けてきた。とりあえず、これで千日手はなくなったので、ほっとした。戦わずして千日手で終わるのは、つまらない。
▲同 歩 △5五歩
*すぐ△3五同銀もあったと激指。
▲2四歩
*これは突いておきたい。
△同 角 ▲4五桂
*桂を捌いた。形勢は-240ほどでちょっと後手良し。
△5六歩 ▲5四歩
*この手は激指に不評。相手が美濃ならともかく、穴熊には通じない手だった。代えて、▲3九飛が良かったようだ。
△3五銀 ▲5三歩成
*せっかく垂らしたのだから、成っておいた。しかし形勢、-800ほどで後手良し。
△4六銀 ▲同 歩 △3八飛成
*なんか、相手、堅い、攻めてる、切れないになってる・・・。勝負手はないものか。
▲3九飛
*これが私なりの勝負手。
△同 龍 ▲同 角
*とりあえず竜は消した。しかし、穴熊とエルモでは、どう見ても穴熊のほうが堅い。
△4六角
*先に△3八飛が優ったと激指。
▲3一飛
*先に△3八飛なら、この手はなかった。
△2九飛
*形勢、ちょっと先手が持ち直しているが、まだ不利。なにか攻めていかないといけない。
▲9四歩
*端で何か起きないか。
△同 歩
*先手は歩が欲しい。
▲6三と
*▲6二銀もあったと激指。
△同 金 ▲9三歩
*これでなんとかならないかな?
△5七銀
*これは後手の疑問手。一気に+180ほどの互角になった。
▲9二歩成
*香をタダで取れた。大きい。
△同 玉 ▲9八香打
*なんか、勝ち目が出てきた。
△3九飛成
*こう指すしかないのでは、後手、変調。
▲9四香
*一回、王手。
△9三歩 ▲同香成 △同 桂 ▲3九飛成
*形勢、+50ほどで互角と激指。
△9四歩 ▲7七銀
*この手は、私なりに工夫した手だったのだが、激指には評判が悪い。
*激指は▲9五歩からガジガジ行けと言ってる。
△3七角打
*この後手の手も、激指には不評。また形勢互角。
▲3一飛
*これは3七の角取りで、一見、後手が困ったように見える。
△3八歩
*しかしこれがうまい手。後手が力を見せた。
▲4九龍 △6一香
*これも攻防に利きそうな手だ。
▲9四香
*しかし、私は形勢はこっちが指しやすいんじゃないかと思っていた。
*激指は+400ほど。やはりこっちがちょっと良かった。
△7三金
*ここからはこっちが攻めるターン。
*私は▲5八歩なんていう手も考えたが、それだと激指は△5九角成で紛れるそうだ。
▲9三香成
*本譜に代えて、▲5三桂不成が激指の最善だそうだ。全く見えなかった。
△同 銀 ▲8五桂
*順調に見えるが、駒を渡すのでこっちも怖い。
△8四香 ▲9三桂成 △同 玉
*ここでは+900ほどになっている。勝機があった。
▲9四歩 △同 玉 ▲9五歩
*バシバシ叩く。これを△同玉は▲6一飛成から寄る。
△9三玉
*ここで引く。先手も後手も、ここは最善を指している。私はカンでこのあたりは指していた。
▲9四銀 △8二玉
*ここでもう一押し、先手は角がほしい。
▲4六龍
*この竜切りも最善と激指。
△同角成 ▲9三角 △7二玉
*どう寄せるか?
▲7一角成
*決断の角切り。最善と激指。しかし、私はこの手を指すのにエネルギーを使ってしまった。
△同 玉
*ここまでは先手が順調に寄せている。+2300ほどで、先手勝勢まで来ている。
▲8二銀
*単に▲5三桂成、または不成が優った。この手もある手ということだが。。。。
△7二玉
*次の手、私は悪手を指してしまう。
▲7一金
*これが悪手。
*一気に形勢、+200まで接近してしまった。
△8二玉 ▲6一飛成
*ここらへん、激指が不安定になっている(^^; 難しい局面になってしまった。あああ、▲8二銀~▲7一金の罪は重い。
△9八飛
*王手来た!ここがこの将棋の最大の正念場だった。この飛車打ちに対しての正解手は一つ。それを指せるか???
▲8八香
*私は痛恨のミス。何でもっと深く読まなかったのか。盤にダイブできなかった・・・。正解は▲8八金。それなら後手から王手は続くが、先手玉は詰まず、先手勝ちだった。
△7二銀
*守られてしまった。後手玉は薄い詰めろだったのだ。
*私は第一感が▲8八金だったのだが、ついつい安全にと思い、香合いしてしまったorz 
▲2一龍
*飛車が撤退するようでは、もうダメ。
△9六角
*厳しい。
▲8六桂 △6五桂 ▲5三桂成
*今頃、成ってる・・・。遅すぎた。
△7七桂成 ▲同 桂 △8六香
*あとは指しただけ。
▲7二金 △同 金 ▲9三銀不成△同 玉 ▲8五桂打 △8四玉
*ここで私が投了。うーん、惜しかった。なぜ▲8八金が指せなかったのか。ハチワンダイバーのように、ダイブすべきところだった。悔やまれる一局だった。