周りを湖に囲まれたた岬の上の無人駅、そして両側に伸びる赤い鉄橋。広告や雑誌などでこの不思議な光景を見たことがある人もいるかもしれません。
この場所は静岡県にある大井川鐵道井川線の「奥大井湖上駅」。私がこの駅に足を運んだのは今からかれこれ5年前の2019年、新緑が美しい5月のゴールデンウィークのことでした。
奥大井湖上駅 - Wikipedia
- 日帰りドライブで静岡県の奥大井湖上駅へ
- 駅の対岸から「奥大井湖上駅」を眺める
- 追記:湖上駅駐車場から奥大井湖上駅へ
- 電車に乗って「奥大井湖上駅」へ
- アプト式鉄道と巨大な「長島ダム」を楽しむ
- 追記:スリル満点のミステリートンネル
- おまけ:帰りには「魚河岸丸天」で静岡の海の幸を堪能!
- こちらもどうぞ
日帰りドライブで静岡県の奥大井湖上駅へ
奥大井湖上駅があるのは静岡県の南アルプスの麓に続く榛原郡川根本町。車なら私が住む府中から片道3時間半程度と、首都圏からの日帰りドライブも可能なエリアです。
当時はまだ一眼レフを手にする前のことでしたが、RICOHの高級コンデジのハシリでもあるGX200で撮った写真が残っていました。レタッチしてみたら案外使えそうな写真だったので、当時のことを思い出しながらブログ記事にまとめてみました。
東名高速の静岡ICを下りて下道を走ること約1時間半(今だと新東名の静岡スマートの方が近いです)。ご覧の通りの山奥なのでワインディングロード(途中センターラインなしの箇所も含む)のドライブにはなりますが、秘境駅と呼ばれる割には比較的お手軽に(?)行ける場所にあります。温泉地、観光地としても有名な寸又峡へ向かうのとほぼ同じコースで、県道77号線の途中で寸又峡方面、大井川沿いの県道388号が分岐します。
ちなみに、大井川鐵道経由で奥大井湖上駅まで行くと、静岡駅から3時間以上かかるようですので、日帰りだとかなり慌ただしくなってしまいそうですね。
駅の対岸から「奥大井湖上駅」を眺める
さて、まずは記事冒頭にもある有名なアングルからの奥大井湖上駅が見たい場合。長島ダムを過ぎて接岨湖を右手に見ながら県道388号をしばらく走ったトンネル手前の側道を右折すると、湖の対岸から駅を望む展望ポイントに行くことができます。
かなり細い側道の途中となり、短時間眺める程度ならば車数台を停められる位のスペースはありますが、すぐ近くにある無料の「湖上駅駐車場」に車を止めていくのが確実です。
私たちが行ったのは新緑が鮮やかな5月のGWでしたが、紅葉の時期もまた美しい景色が楽しめそうな撮影スポットですね。
駅を見るだけならばいつでもOKですが、列車が駅に停まるところや橋を渡るところを見たいならば、事前に時刻表を調べておくといいでしょう。
大井川鐵道井川線は上り・下りそれぞれ1時間に1本程度しかないので、タイミングを逃すとなかなか列車を見ることはできません。
また、徒歩で鉄橋を渡って駅まで行くこともできます。展望スポットのあるトンネルを越えたすぐ先を右折すると無料の湖上駅駐車場があるので、そこから10分程度山に入って遊歩道を歩くことで、接岨湖にかかる鉄橋「レインボーブリッジ」へと出ることができます。
追記:湖上駅駐車場から奥大井湖上駅へ
追記:2017年に奥大井湖上駅を訪れた際、湖上駅駐車場に車を停めて、徒歩で奥大井湖上駅へと渡りました。駐車所から駅へ渡る鉄橋まで10分もかかりません(展望台へも同じ位の時間で出ることができます)。
湖上駅駐車場と奥大井湖上駅、遊歩道の位置関係などは下記の絵地図なども参考にしてください。一部、未舗装路を歩くことになるので、最低でもスニーカー程度は履いておくのがオススメです。
電車に乗って「奥大井湖上駅」へ
我々は電車で奥大井湖上駅に降り立ってみたかったこともあり、写真を撮ってから一旦大井川鐵道井川線の「長島ダム駅」まで戻り、駅前の駐車場に車を停めて電車に乗りました(1つ手前の「ひらんだ駅」も、無人駅ですが車で行くことができます。こちらは、恐らくカヤックなどのエントリーポイントになっているのかな?)
ということで奥大井湖上駅に着きました。一見湖上に浮かぶ島の上にあるようにも見えますが、実際はS字状にうねったリザーバー「接岨湖」の馬の背にある駅で、県道側の湖岸から湖を挟んでの対岸にあたります。
奥に見える山の上から下りてくる階段が、↑で書いた県道側から歩いてこれる遊歩道です。
駅のある馬の背を挟んで湖の対岸両側に伸びるのが、レインボーブリッジと名付けられた鉄橋です。写真手前が湖の上流側になります。上流側の橋には遊歩道が設置されています。
こうして見ると馬の背の先端に駅があるのがよく分かりますね。
奥大井湖上駅にはこんな感じのコテージがあります。中で休憩したりお弁当を食べることもでき、我々のように途中下車していく乗客もいます。
結構、観光客が多いように見えますが、無人駅ですし電車が行ってしまうとすぐに辺りはひっそりとします。
下流側のレインボーブリッジ。こちらの遊歩道には入れません。
橋から湖底まで橋脚の高さは70mもあるそうですが、水位の変動のあるリザーバー(ダム湖)なので、写真によってはかなり湖面の位置が高いものも見られます。この時は、接岨湖の岸際に岩肌が見えているので、多少水位が下がっていたようですね。なかなかの高度感です。
アプト式鉄道と巨大な「長島ダム」を楽しむ
奥大井湖上駅をたっぷり楽しんだ後、井川線に乗って下流の「アプトいちしろ」駅まで下りてみました。途中接岨湖を貯える巨大ダム「長島ダム」の堅牢な姿を楽しむこともできます。(行きの県道388号からも見えるダムです)
「アプトいちしろ」〜「長島ダム」間は日本唯一の「アプト式鉄道」の区間とのこと。車輪とは別に歯車の付いた機関車が連結され、ラックレールという特殊なレール上を走ることで、急勾配の上り下りをサポートするようになっています。
アプト式 - Wikipedia
http://www.oigawa-railway.co.jp/abt_station_07abtichishiro.html
アプトいちしろ駅の直ぐ脇には発電用の大井川ダムがありますが、小さなダム湖には名前が付いてないようですが、エメラルドグリーンの美しい水を湛えた湖です。
写真に写っている市代吊橋は元々鉄道の線路が走っていた鉄の吊り橋。現在は産業遺産にも登録されています。
大井川ダムも小さなダムながら、見学してみるとなかなか味わい深いダムです。
再び「長島ダム」駅に戻りました。ここでもアプト式機関車の連結、切り離しがあります。
ロボットのような長島ダムの堤体。巨大な重力式コンクリートダムです。ダム周辺は遊歩道が整備されていますし、堤体の上を車で走ることもできます。
長島ダムTOP/国土交通省 長島ダム
さらの大井川の上流を目指せば、奥泉ダム、井川ダム、畑薙第二ダム、畑薙第一ダムと数々のダムと2つの大きなダム湖(井川湖、畑薙湖)も楽しむことができ、ダム好きには魅力的なエリアかもしれません。
この日は奥大井湖上駅が目的だったのですが、長島ダムに結構足を止められてしまいました(笑)
追記:スリル満点のミステリートンネル
後日、同じアプトいちしろ駅を訪れた際の記録です。アプトいちしろ駅から長島ダムの下流部にある、四季彩公園・キャンプ場へ向けて、かつての大井川鐵道井川線のトンネル跡が遊歩道として整備(?)されています。その名も「ミステリートンネル」。
遊歩道といってもトンネル内に照明などはなく真っ暗なので、ヘッドライトを用意していくか、アプトいちしろ駅で懐中電灯を借りることもできます。
トンネル内はひんやりとしていて、途中からは手彫りの後が生々しく残る状態になります。少し進むと外の光は全く入らなくなりますし、天井には沢山のコウモリたちや、ハイカーを驚かす仕掛けなどもあって、なかなかにスリル満点。
アプトいちしろ駅で途中下車して、長島ダム方面へ引き返す待ち時間があるようならば、こちらも合わせて楽しめると思います。
おまけ:帰りには「魚河岸丸天」で静岡の海の幸を堪能!
静岡方面へ行ったらやはり海の幸を楽しんでから帰りたいものです。夕飯は沼津港でお馴染みの魚河岸丸天へ、このときは富士店に寄ってみました。
春の静岡といったらお馴染み(由比)生のサクラエビにとろけるようなマグロたち。デジカメの倍の長さの巨大な車海老のエビフライなどなど…。うーん、写真を見返しているだけで、久々に食べに行きたくなりますね(笑)
こちらもどうぞ
こちらが当時の別ブログ記事。写真を貼ってるだけですが、まだ一眼レフも持っていなかった頃、写真展で見たロケ地をすぐ訪れてしまった情熱はなんだったのでしょうね…。