のり子! Fly high 
2013/08/17 Sat. 18:21 [edit]
『のり子! Fly high』
監督・脚本・作画: 小林孝範
女子体操部が舞台の青春ものアニメ?です。以下に脚本を掲載します。
図二のり子。私立東京五輪中学校・女子体操部、2年生。
タオル子「のり子ちゃん、お疲れ~すごく綺麗だったよ」
のり子「ま、私はあなたと違って、体操部のエースだし?」
のり子(体の調子が良い……。何もかもが完璧だわ。行ける。全国大会、上位入賞が狙える……!)
コーチ「図二さん!」
コーチ「また勝手なことをして。私の補助のない所で大きな技をやったら、危ないでしょう?何度言ったらわかるの?」
のり子「はーい。すみませんでしたー」
のり子(私の才能をひがんでるんだわ。現役時代、無名だったから)
コーチ「さ、みなさん準備運動は終わりましたか?今日の練習もまずは、基礎トレーニングからよ」
のり子(また基礎……。私にはもう必要ないのに)
のり子(あれ……)
のり子(男子の鉄棒……)
のり子(そうだ……!)
コーチ「ハイ!テンポよく!怪我に気を付けてね!」
のり子(段違い平行棒より男子の鉄棒の方が高さがあるから、難度の高い下り技がやりやすいはず……!)
ガヤ「ガヤガヤ」
コーチ「?」
のり子(チャレンジしたい!もっと高く飛びたい!)
コーチ「図二さん!」
のり子(絶対に出来る!)
のり子(私の背中には羽がある)
のり子(やった……!)
コーチ「図二さん!」
のり子「コーチ……」
のり子「コーチ、私やりました!ついに、フジマキⅢに成功しました!」
コーチ「……」
コーチ「……しくしくしく」
コーチ「うえ~ん。えぐえぐ……しくしくしく」
のり子「コ、コーチ?何で泣くんですか?」
コーチ「図二さんはどうして私の言うことを聞いてくれないの……?」
のり子「え?」
コーチ「補助のない所で大きな技をしたらいけないって何度も言ったでしょう!取り返しのつかない怪我をしたらどうするの!死んじゃうかもしれないのよ!」
のり子「!」
コーチ「大きな声を出してごめんなさい……。指導者失格ね……」
のり子「コーチ……」
コーチ「ごめんなさい……。今日の練習はここまでにさせて……」
ガヤ「ガヤガヤ」
のり子(……)
のり子「何よ!」
のり子「チャレンジするのはいいでしょ!?私は成功したのよ!少しくらい認めてくれたっていいじゃない!」
コーチ「……」
ガヤ「今日はもう終わり?」「大会も近いのに……」「コーチ、泣いてたね」
のり子(私が……)
ガヤ「あーあ、これからどうなるんだろ」「明日からどうなるのかな」「あーあ」
のり子(私が悪いみたいじゃない……)
タオル子「のり子ちゃん……。大丈夫?」
のり子「触らないで!」
タオル子「きゃ!痛い!」
のり子「もう知らない!」
タオル子「あ、待ってのり子ちゃん!」
のり子「キャ!!」
タオル子「のり子ちゃん!大丈夫!?」
のり子「んっ……」
救急車「ピーポーピーポー……」
医者「捻挫だね。全治2週間くらいだと思うよ」
のり子「はい……分かりました……」
2週間後
体育館にはいつもの風景があった
優しくて厳しいコーチ
一生懸命な部員たち
私の居場所はどこにもなかった
公園
のり子「……」
のり子「よし!」
のり子「暗く落ち込むなんて、図二のり子らしくないわ!」
のり子「体操なんて、たかがクラブ活動じゃない!あんなもの」
のり子「あんなもの……もう……」
のり子「……」
?「もうやめよう」
?「逆上がりなんて出来なくてもいいよ」
ダメ太郎「むしろ鉄棒なんて格好悪いし」
健気子「だー君……、まだ練習、始めたばっかりだよ?」
ダメ太郎「いいの!たかが鉄棒じゃないか!くだらないの!」
健気子「私に怒らないでよ~」
のり子「鉄棒を馬鹿にするな!このクソガキ!」
ダメ太郎「ほげ~~」
健気子「きゃっ」
ダメ太郎「何だよ姉ちゃん!いきなり小学生の頭を殴りつけるなんて、タンコブになったらどうするんだよ!」
のり子「ふん」
のり子「私は体操を馬鹿にする人間が許せないの!それに何さ、大して練習もしないでもう止めちまうのかい!?情けない!」
のり子「ほら、私が補助してあげるから、もう一回やってみなさい」
ダメ太郎「えー?」
ダメ太郎「俺、ぶら下がった後どうすればわからないんだよー」
のり子「そもそもぶら下がり方が悪い!あんたは基礎が分かってないね!」
健気子「だー君、頑張ってー♡」
のり子「ほら、身体の重心はもうちょっと上だよ!」
のり子(そういえば……)
のり子(体操部に入った頃は、私も何も分からなくて……)
のり子(コーチに手とり足とり教えてもらったんだっけ)
ダメ太郎「ぎゃー!落ちるー!怪我するー!」
のり子「私が支えてるから怪我しない!安心して落ちな!」
30分後……
健気子「やったぁ!だー君、格好いい!」
ダメ太郎「ぐへへへ……逆上がりくらいで、照れるじゃないか」
ダメ太郎「お姉ちゃん!鉄棒って楽しいね!」
のり子「……」
のり子「ふふ……」
のり子「そうよ!めちゃくちゃ楽しいのよ!」
次の日……
ガヤ(体育館の中から、部員たちの練習の声が漏れている)
ガヤ(体育館の中から練習の声)
のり子「ただいま……。みんな」
タオル子「わー!のり子ちゃんが帰ってきた!」
部員たち「おかえりー!」「のり子ちゃ~ん!」
部員たち「足は大丈夫?」「また一緒に頑張ろうね」「のり子ちゃんがいなくて寂しかったー」
のり子「コーチ……」
コーチ「おかえりなさい。図二さん……」
ただいま、コーチ
コーチ「さあ、みんな。練習再開よ!」
部員たち「ハイ!!」
こうして厳しい練習がまた始まった。
地道な基礎トレーニングは本当にキツイ!でも……
コーチや仲間たちが支えてくれるから、私、もう負けない!
私、今、この場所が大好き!
END
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