財務省のサイトにある「わが国の財政について」の動画の6個目は「この国のかたちを考える」です。3分13秒です。これまでのまとめですね。受益と負担のバランスを3つのグラフを使って説明しています。OECD加盟30カ国の比較です。
1個目のグラフは歳出総額(対国内総生産比)ですが、驚いたことに日本は歳出が少ない方の部類に入っていました。ものすごく少ないというほどでもありませんが、かといって中間というほどでもないです。これは意外でした。少子高齢化で社会保障費は増え続けていると聞くし、前回の動画でも公共投資は多いと知ったばかりですし。歳出が多いとばかり思っていました。
そして2個目のグラフは、租税負担率(対国民所得比)を比較したものでしたが、これも下から4番目とかなり低い部類です。税金の負担率が低いなんて、なんだか納得できないような気もしますが、消費税だってようやく8%になったばかりですし、その割に減税も多いですから、思っているほど税金を取られていないんでしょうね。他の国と比較したら…の話しですけど。
最後3個目のグラフは各国の財政収支で、日本は他の先進国に比べても悪い状況です。これまでのグラフを踏まえて、日本の財政赤字は、歳出が大きいからではなく、租税負担が小さいことから財政収支が悪くなっている、との説明でした。なんだかこれを聞くと、だから国民の皆さんに増税をお願いしますよ…と思ったのですが、実際の所どうなんでしょう。
日本は中福祉低負担の国と言われるが、中福祉中負担にするか、低福祉低負担にするか選択を迫られている。このように締められていましたが、この動画は2007年のものですし、その後の流れを考えると中福祉中負担の方を選んだということになりますね。
財務省のサイトにある「わが国の財政について」の動画の5個目は「地方財政制度の見直し」です。8分31秒です。これまでの動画は比較的興味を持って見ていたのですが、この地方制度の動画は今ひとつ興味を持てませんでした…私はどちらかと言えば、地方よりも国の方に興味があるということでしょうか。
国と地方の債務残高や税収について比較しているのですが、地方よりも国の方が財務体質は弱いんですね。最初に国と地方の債務残高と税収の比率を比べていましたが、国は税収の15.3倍の借金が溜まっているのに対し、地方は3.5倍と国の方がかなり財務的に厳しいとのこと。数字で見ても違いがわかりますし、グラフで見るともっと違いが分かりました。
バブル時に増えた歳出を元に戻している状態に近いようですが、地方の歳出は削減中なので、案外地方財政は悪くない状態なんですね。というよりも、バブル時が異常だっただけなのかもしれませんが。とはいえ、地方によって事情は違ってくると思いますけど。
公共投資のことにも触れていましたが、10年来公共投資のGDP比はバブル期よりも下がっているが、それでも他の先進国に比べて多い状態です。さらに日本の公共投資は新規投資が多いとのこと。何かしらの新しい公共投資が日本全国で生み出されているわけですね。社会保障費や文教費のGDP比率に比べて、公共投資のGDP比率は大きいというのですから、日本は思った以上に公共投資が多いようです…
財務省のサイトにある「わが国の財政について」の動画の4個目は「社会保障制度の見直し」です。7分50秒です。この動画が2007年に作成されたものだと知って、情報も古いし、このまま続けるのもどうしようか迷ったのですが、基本的な部分は変わらないだろうということで続けることにします。結局のところ、状況が改善されているわけではないですから。
社会保障費は年金、医療、介護から成り立っていますが、高齢化にともなって大幅に伸びています。自然増によって毎年1兆円ずつ増えるわけですから、それ以上の収入がないと賄うことができないですね。この時は「高齢化」だけ取り上げていますが、今では「少子高齢化」対策ですよね。少子化に対する費用も増えています。
どうして社会保障費は増えていくのか。それは、高齢人口増加率(3〜4%)が、経済成長率(1〜2%)を上回っていることで、人口動態により、受益と負担のアンバランスが拡大しているからです。これを是正するためには、受給単価を下げるか、税の負担率を上げるか、保険料率を上げるか、この3つのいずれかを行う必要があります。
今の年金の受給開始年齢は65歳ですが、私が年金をもらう頃はよくても70歳でしょうか。75歳になっているかもしれないですね。厚生労働省の調査によると、2013年の日本の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳です。女性は過去最高を更新し、男性は初めて80歳を超えたとのこと。65歳で年金をもらうとなると、女性の場合20年以上年金生活。結構長いですね。
社会保障費は年金、医療、介護から成り立っていますが、高齢化にともなって大幅に伸びています。自然増によって毎年1兆円ずつ増えるわけですから、それ以上の収入がないと賄うことができないですね。この時は「高齢化」だけ取り上げていますが、今では「少子高齢化」対策ですよね。少子化に対する費用も増えています。
どうして社会保障費は増えていくのか。それは、高齢人口増加率(3〜4%)が、経済成長率(1〜2%)を上回っていることで、人口動態により、受益と負担のアンバランスが拡大しているからです。これを是正するためには、受給単価を下げるか、税の負担率を上げるか、保険料率を上げるか、この3つのいずれかを行う必要があります。
今の年金の受給開始年齢は65歳ですが、私が年金をもらう頃はよくても70歳でしょうか。75歳になっているかもしれないですね。厚生労働省の調査によると、2013年の日本の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳です。女性は過去最高を更新し、男性は初めて80歳を超えたとのこと。65歳で年金をもらうとなると、女性の場合20年以上年金生活。結構長いですね。
財務省のサイトにある「わが国の財政について」の動画の3個目は「財政健全化への取組み」です。11分19秒です。この動画の中で「今は2007年ですけども」と話しているので、今から7年も前の動画でした。こういった動画があるのはありがたいことですが、7年も前となると今と状況はかなり違っています。基本的な問題は変わっていないでしょうが、ちょっと古さを感じてしまいました。毎年では大変でしょうけれど、どうせなら定期的に更新してほしいなぁと思います。
財政健全化の目標として、
1)2011年までにプライマリーバランスを黒字化
2)2010年代の半ばまでに債務残高GDP比の安定的引き下げ
と出ていましたが、これは完全にできていませんね。2011年は東日本大震災もありましたし、この後さらに状況は悪化したということですね。
今のところ、プライマリーバランスの黒字化は2020年度が目標になっているようですが、目標ですらこんな感じで延び延びになっているわけですから、実現となると一体いつになるんだろうと思いますね。イヤなことは先送りですし。
この映像が2007年ということは、リーマンショックもまだ起きていない状況でした…リーマンショックと東日本大震災でさらに状況が悪化するわけですから、まだこの時はマシだったということです。そう考えると、財政健全化への取組みを先延ばしにすればするほど、問題は大きくなる一方ですね。そして新たな問題を抱えることになる…ちょっと怖くなってきました。
財政健全化の目標として、
1)2011年までにプライマリーバランスを黒字化
2)2010年代の半ばまでに債務残高GDP比の安定的引き下げ
と出ていましたが、これは完全にできていませんね。2011年は東日本大震災もありましたし、この後さらに状況は悪化したということですね。
今のところ、プライマリーバランスの黒字化は2020年度が目標になっているようですが、目標ですらこんな感じで延び延びになっているわけですから、実現となると一体いつになるんだろうと思いますね。イヤなことは先送りですし。
この映像が2007年ということは、リーマンショックもまだ起きていない状況でした…リーマンショックと東日本大震災でさらに状況が悪化するわけですから、まだこの時はマシだったということです。そう考えると、財政健全化への取組みを先延ばしにすればするほど、問題は大きくなる一方ですね。そして新たな問題を抱えることになる…ちょっと怖くなってきました。
財務省のサイトにある「わが国の財政について」の動画の2個目は「財政赤字の問題点」です。4分50秒と短いです。1個目の動画と同じ方が解説しているので、最後までこの方が解説されるのでしょうか。おそらく資料もこの方が作られたんでしょうね。「世界一の〜」「すさまじい〜」などの言葉が耳につきまとうのは、わざとなんでしょうか…。国民に、これだけ今の日本は危機的な状況にあるんですよとお知らせしているのでしょうね。
さて、日本の借金残高の話題になると必ずと言って出てくるのが、日本人の金融資産で国債を買っているから大丈夫だということですね。1,500兆円もの金融資産があるから大丈夫だと考える楽観論です。家計金融資産と長期債務残高のグラフを見ると、 バブル期は4分の1、平成9年は3分の1、現在は2分の1を家計金融資産から借りています。どんどん借りる割合が増えています。
その国債ですが、20年で国債残高は5倍になっているのに、国債の利払い費は概ね横ばいです。デフレの進行に伴って金利が低下しているので、利払い費は横ばいのままで済んでいます。しかしデフレを脱却して金利が1%上昇したら、利払い費が5兆円増大…そう考えると、怖いですね。
財政赤字が増えることを放っておくと、将来世代への負担の先送りになると同時に、金利が上昇した場合、財政だけでなく企業や家計にも悪影響を与えることになります。今まで金利についてそれほど考えたことはなかったのですが、経済に大きな影響を与えるものですね。
さて、日本の借金残高の話題になると必ずと言って出てくるのが、日本人の金融資産で国債を買っているから大丈夫だということですね。1,500兆円もの金融資産があるから大丈夫だと考える楽観論です。家計金融資産と長期債務残高のグラフを見ると、 バブル期は4分の1、平成9年は3分の1、現在は2分の1を家計金融資産から借りています。どんどん借りる割合が増えています。
その国債ですが、20年で国債残高は5倍になっているのに、国債の利払い費は概ね横ばいです。デフレの進行に伴って金利が低下しているので、利払い費は横ばいのままで済んでいます。しかしデフレを脱却して金利が1%上昇したら、利払い費が5兆円増大…そう考えると、怖いですね。
財政赤字が増えることを放っておくと、将来世代への負担の先送りになると同時に、金利が上昇した場合、財政だけでなく企業や家計にも悪影響を与えることになります。今まで金利についてそれほど考えたことはなかったのですが、経済に大きな影響を与えるものですね。