管理人のsandmanです。
最近の記事はすべてマインドフルネストレーニングに関するものでしたので、たまには気分を変えて別のことについて書いてみたいと思います。
ADHDの方、とくに活動性の低いのび太タイプの方に共通している特徴の一つは…
「部屋が汚い、散らかっている」
だと思います。
これには色々な原因が考えられるのですが、SCTを伴ったADHD(のび太タイプ)の部屋が汚い原因の大きなものとしては
「慢性的なおっくう感」
ために動き出せないといったものがあると思います。
おっくう感はのび太型症状、SCTの最たる症状です(そしてうつ症状によってこのおっくう感はさらに強くなります)。
これがSCTの活動性の低さにつながっていると言えます。
そして、活動性の低さは間違いなくSCTの方々のQOLを下げていると言えるでしょう。
だって私の場合、普通の人の半分も活動できませんでしたから。
でも、活動性が低い原因を、「めんどくさがりだから」と一言で片づけてしまうのも問題があるでしょう。
心理学や脳科学の知見を参照し、もう少し問題を細かく見る必要がありそうです。
というわけで、今回はSCTの活動性の低さとどう付き合っていけばいいのか?
この点について書いてみたいと思います。
汚い部屋、それはSCT+ADHDの人の日常でしょう。
おもちゃ箱をひっくり返したように散らかしっぱなしの凄惨たる部屋を見ても…
片づけるという選択肢が起きない…だってそれはめんどくさいから。
先延ばし、先延ばし…
という感じではないでしょうか。
で、あまりにも部屋が汚くなってきたか、
もしくは、友達が部屋に遊びに来るか…
そういったきっかけがあって、何とか一気に片づける。
しかし、いったんはきれいになった部屋も、習慣的にそうじ・片づけをしないから、徐々に汚くなっていく
以下エンドレスループ。
そんな経験はないでしょうか。
というか私はそれが日常でした。
そうじってめんどくさいですよね。
いや、SCTを持っている人は、掃除に限らず、なにか自分にとって大切な用事でない日常の雑事は、それを始めるのがひじょーーーー、におっくうではないでしょうか。
そうじ、片づけ、洗濯、自炊、届いた書類の封を開けること、郵便局に行って手紙を出すこと・・・・
「うっ、めんどくさい…後でいいや」
と、後回しにできることは、いつでも後回しにして・・・
全然行動しない。
そして、締切ギリギリ、せっぱつまってきたらやっと焦りだす、といったことが日常ではないですか?
私はそうでした(今も少しそうです)
ある意味仕方のない行動だと思います。のび太型の方々は、行動の始発を阻害する「おっくう感」が、普通の人にくらべてあまりにも強すぎて、延々と先延ばししてしまうのです。
まわりの人からしたらただの怠けにしか見えませんが、この「おっくう感」、実は、本人にとってはかなり苦痛です。
先延ばしはそこから逃れるという意味で、ある種仕方のない行動なのです。行動するとそのとてつもない苦痛と向き合うことになるのですから。
しかしながら、ここに、SCTの人々が「行動ができない」悪循環があります。
なぜなら最近の脳科学研究では、
やる気は、行動の結果生じるということが明らかになっているからです。
これは、人間の行動についてとりあつかった従来の心理学でも言われています。
しかしながら、のび太型の人たちの考えはこうです。
「やる気がないから行動できない」
「やる気がないから後でやろう」
でも、逆なのです。
脳科学的に言えば、やる気が出ないのは行動しないからなのです。
行動すればやる気がでるかもしれないのです。
よくよく思い返してみてください。
おっくうだけど、めんどくさいけど、なんとか思い立って、部屋をいっきに片づけた結果…
気分は晴れ晴れとして、頭はすっきりとして、活力がわいてきてはいませんでしたか?
その後、掃除以外の別の作業にも精がでたのではないでしょうか。
そうなのです。
行動の結果、達成感、喜びが生じ、次の行動への「やる気」がわいてくるのです。
やる気とははじめからあるものではなく、行動の結果生じるものです。
もう少し具体的に見るために、以下のチャートを用意しました↓
やるべきことがある→めんどくさい、おっくうに感じる→後でいいや→行動しない→やる気がでない→ほかのやるべきことがでててくる→うわっめんどくさい…→まあいいや→行動しない→やる気が出ない→・・・・
このループを見てみてください。
これではいつまでたってもやる気は出ません。活動性はどんどん低くなるという悪循環に陥っています。
反対に、良い循環をチャートにすると以下のようになります。
やらなければいけないこと→めんどくさい→とりあえずやってみる→達成感、活力UP→やるべきこと→こっちもやってみよう→達成感、活力UP→・・・・
こんな感じですね。
もう一度言います。
やる気ははじめからあるものではない。
行動によって生み出されるもの。
この点がSCTの人が自身の生来の活動性の低さに対処しようとするうえで、非常に、非常に重要です。
でも、そうはいっても・・・・
難しいのが、上のチャートでいえば「とりあえずやってみる」のところではないでしょうか。
そりゃそうです。この部分ができないから悪循環に陥っているのですから。
でも逆に言えば、この部分さえ何とかすれば、のび太型の人でも良循環に入っていくことは可能なのです。
ではどうすればいいのか。
次回は、この「とりあえずやってみる」の部分をどうやってみるのか?ということについて考えてみたいと思います。
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ランキングサイトから飛んできました。
まさに私のことだ〜と思いながら読ませていただきました。
掃除のほか、仕事や課題などもみんな後回しにしてしまいます。やり始めればすごく楽しいのに…!
ブックマークさせていただきました。
次回、楽しみにしています^^
ぺこさん、初めまして!コメントありがとうございます。
自身の体験をもとに書いていますので、共感していただくとうれしく思います(^^)
そうなんですよね!やり始めると楽しいんですよね。次回はそのどうやってやり始めるか、を書いてみたいと思います。
今後とも当ブログをよろしくお願いします。
わかりやすかったです。参考にします。
私は掃除を始める時面倒臭くて動けないので
まず寝た状態で体の周辺を片付けます(笑)。
そしてごまかしごまかし範囲を広げていきます。
行動がやる気を起こすって納得です。
ありがとうございました(*^^*)
コメントありがとうございます。
片づける範囲をまず限定するのは良い方法ですね!
わかりやすいというお言葉をいただき大変うれしく思います(^^)今後ともよろしくお願いいたします。
私は注意障害・躁鬱状態と診断されてストラテラを服用しています。
SCTという言葉をsandmanさんのブログで初めて知り、「自分はこれだ!」と確信しました。英語の論文が自分で読めないのが悔しいです。
現在は無職ですが、障害児向けの学習塾でバイトをしながら臨床心理士を目指す予定です。sandmanさんの様な心理士になりたいです。
あてんしょんさん、初めまして。コメントありがとうございます。
当ブログの記事があてんしょんさんの自己理解につながったようでうれしく思います。
臨床心理士を目指されているのですね!同じ志をもつかたが増えることは自分にとっても非常にうれしいことです(^^)まずは大学院入試までが大変な道のりだと思いますが、頑張ってくださいね!
次回を楽しみにしています。
とりあえずやってみる
が難しい!
どうやったらいいですか?
> 次回を楽しみにしています。
返信が遅れ、大変申し訳ございません。
私生活が多忙を極め、ブログをチェックすることができていませんでした。
次回の記事はいつになるかわかりませんが、必ず書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
※70:ぴさん
興味を持っていただき、ありがとうございます!
大変恐縮ですが、私生活が多忙を極め、ブログを書くことができなくなっていました。
お待たせして申し訳ありません。
まとまった時間ができた際に必ず書きたいと思いますので、しばしお待ちくださいませ。
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