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2008-04-20 01:02 | カテゴリ:ゲーム
今より時を遡る事、約14年前の1994年。ゲーム業界は通称「次世代機戦争」という時代に突入しておりまして、ソニーのプレイステーション、セガのセガサターン、任天堂のニンテンドウ64を筆頭に各社が凌ぎを削っていたものです。
初代プレイステーションCM集.flv_000010667
CM せがた三四郎 05 年末・年始だ!.mpg_000011845
今までにプレイしたゲームと費やした金額を計算してみたpart5.flv_000030400

そんな3強ハード以外にも、3DO・プレイディア・PC-FX・バーチャルボーイ・アタリジャガー・ピピンアットマーク・FM-TOWNSマーティーなどの今となっては黒歴史モノの不遇ハードがありました。
懐かしいテレビゲームのCM集!!.flv_000841080
「ファミ通WAVE DVD」より「徹底検証!!ATARI JAGUAR」後編.flv_000262791

そこで今回は、わたくしが当時購入してエラい目にあった3DO・PC-FXに焦点を絞って思い出話をつらつらと垂れ流したいと思います。

■3DO
3DOとは、かつて存在したアメリカのコンピュータゲーム開発企業。又は、同社の提唱したマルチメディア端末規格。

日本では、1994年3月に松下電器から3DO REALがスプライトや動画再生能力を持つ32bitゲーム機の先駆けとして登場、三洋電機からも3DO TRYが発売された。3DO REAL (FZ-1) 松下電器 1994年3月20日発売 54,800円(発表時は79,800円だったが値下げされた)

wikiより抜粋

現代においてプレステ3本体が高い高いと非難されますが、10年前はどこのメーカーも5万円近辺がハードの値段の相場だったんですよね。

まあそれはいいとして、この3DOの特色は「海外発祥のハード」という事もあり、肝心のソフトがぶっちゃけひと癖もふた癖もあるガチガチの洋ゲーばかりで難易度から何からライトユーザーお断りの雰囲気がプンプンしておりました。
[3DO] カオスな洋物格ゲー ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー - プレイ動画.flv_000173281
[3DO] カオスな洋物格ゲー ウェイ・オブ・ザ・ウォリアー - プレイ動画.flv_000003041

その特異性は3DOソフト攻略本「3DOバイブル」内に於いて「日本のゲームは野球のピッチャーに例えるならば、キャッチャーが受け取れる範囲内でボールを投げて来るものだが、3DOのソフトは、例えるならばキャッチャーが構えているのに別方向から後頭部めがけて剛速球を投げつけられるようなものだ」(意訳)と評しておりました。

この解説こそが、3DOソフトの本質を如実に表していると思うのですが、いかがでしょうか。

おまけに日本国内では「情報家電」という位置付けをされた事もあり、発売されたソフトの多くは洋ゲーとデジタル紙芝居が多くを占める状態。

次世代ハードとしてのインパクトは十二分でしたが、肝心のソフトの質のおかげで天下を取れなかった感がありますね。(個人的には全体的なキーレスポンスの悪さも痛かった)万人向けのキラーソフトは「ポリスノーツ」「スーパーストリートファイターIIX」ぐらいでしょうか。ちなみに日本人向けのRPGは「ソード&ソーサリー」「ブルーフォレスト物語」ぐらいしかありません。
Blue Forest Story 3DO - Game and intro.flv_000189280


■個人的ピックアップ
■アウターワールド
ゲーム中のキャラクターの表示にポリゴンを使用したおかげで、それまでのスプライト表現では成しえなかったリアルで臨場感溢れる動作が話題となりました。
「アウターワールド」 3DO版 (3_3).flv_000545211
「アウターワールド」 3DO版 (3_3).flv_000625063

ゲーム中の謎を解く方法が基本的にノーヒントというスパルタンな内容ゆえ、難易度は激ムズそのもの。ゲームセンターCXで有野課長がサクサク解いてましたが、こんなもんノーヒントで解けるか。
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スーファミ版もいい出来でしたが、3DO版はそれを凌駕する素晴らしい出来栄え。(ジェネシス版は音周りがうんこ。処理速度はいいんですが)わたくし、実はこのソフトの為に3DOを買いました。

■アローン・イン・ザ・ダーク
当時としては画期的なポリゴンを用いたアクションアドベンチャーゲーム。導入部の「ただ洋館の中に向かって歩いているだけで感じる静かな恐怖と狂気」の演出は特筆モノ。稚拙なグラフィックがゲームの不気味さの演出に一役買っているさまは、appleIIで発売されたアドベンチャーゲームの草分け「ミステリーハウス」と被っていて興味深いですね。
Alone in the Dark (1992) Opening.flv_000069736
Alone in the Dark (1992) Opening.flv_000078712
Alone in the Dark (1992) Opening.flv_000141174
Alone in the Dark (1992) Opening.flv_000191057

クトゥルフ神話をモチーフとしたストーリー、欧米人の生活様式に基いた謎解きは難解でしょうが、一度はプレイしてみてはいかがでしょうか。処理速度の遅さには泣くと思いますが。

■ショートワープ・他WARP社作品
限定1万本のショートゲーム集。購入特典はコンドーム1個。いやマジで。今だとフリーゲームでいくらでも遊べそうなミニゲーム集ですが、深刻なソフト日照りだった3DOユーザーにとっては当時のWARP社と飯野賢治氏は神様のような存在だったんですよ。
【3DO】ハイパーコマンチック.flv_000010544
【3DO】ハイパーコマンチック.flv_000026859

「Dの食卓」も当時はインタラクティブ・ムービーとしてのインパクトは十分でした。
Dの食卓 Part 1 of 4.flv_000219986
Dの食卓 Part 1 of 4.flv_000640039


「エネミー・ゼロ」「Dの食卓2」の出来は…忘れてやって下さい。

■PC-FX 
PC-FXとは、日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)がハドソンと共同開発したPCエンジンの後継機。1994年12月23日に定価49,800円で発売された。
新グラフィックチップ・HuC6273の開発が難航しPC-FX製品化のタイムスケジュールに間に合わないという事態となった。

そこでこのチップの代わりに前世代のPCエンジン用グラフィックチップ(HuC6270)を2個搭載し、これにMPEGデコーダ(HuC6272)を追加することで強力な動画再生機能を付与するという、はなはだアンバランスな構成となった。その結果、本機のグラフィック機能、特に画面モードとビデオメモリへのアクセス方法には様々な制約が存在することとなり、グラフィックメモリマッピングが極めて変則的であるため3Dゲームのみならず、2Dシューティング/アクション/対戦格闘ゲーム等の移植も困難になってしまった。
wikiより抜粋

次世代機戦争に於いてNECホームエレクトロニクスがやっちゃった件を車で例えるならば、「スポーツカーブームの真っ只中、各社が新型のスポーツカーを発表しているのにNEC-HEは開発中の高性能エンジンが納期に間に合わなかったので、苦肉の策として原付バイクを二台並列で合体させたものをスポーツカーとして売り出したみたいなものでしょうか。

グラフィック能力はスーファミ程度・音源はPCエンジンという時代遅れのハードに動画再生機能をくっ付けただけ、おまけにPCエンジンとの互換性は一切無しという出オチ芸人のようなハードスペックは発売された瞬間から負けハード確定でしたが、真に特筆すべきはギャルゲー・アニメゲーだらけの狂ったラインナップでしょう。
PC-FX アニメフリークFX Vol.6 Disc2 ファーストKissストーリー & BigBlueの休日.flv_000029763

とは言うものの、成人向けのレーティングがあった為、家庭用ハードで唯一ベッドシーンを再現した「同級生2」の為に物好きな方は本体ごと買ってみてはいかがでしょうか。フルボイスを謳っている割にベッドシーンだけ音声カットしてるけどな。

■個人的ピックアップ
■チームイノセント
本ゲームの店頭デモで一目惚れしてPC-FX本体と同時購入した作品。
★PC-FX アドベンチャー チームイノセント 1_5.flv_000154350
★PC-FX アドベンチャー チームイノセント 1_5.flv_000167850

ゲームの内容は「アローン・イン・サ・ダーク」にギャルとSF要素を足して4で割ったような作品でして、レンダリングで描かれた無機質な建物内をバカ丸出しのモーションでドタドタ走り回る主人公は別の意味で必見。
★PC-FX アドベンチャー チームイノセント 2_5.flv_000105000
★PC-FX アドベンチャー チームイノセント 2_5.flv_000412250

流麗なオープニングとは裏腹に、ゲーム本編はガビガビの荒いドットとチープな内蔵音源で表現されたショボゲーでして、プレイ30分で本体購入を強烈に後悔したものでした。

■デアラングリッサーFX
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スーパーファミコン版のパワーアップ移植として、処理速度の大幅向上・ビジュアルシーンの追加・キャラクターグラフィックの全面描き直しというスーファミ版の欠点を全て克服した名移植ソフト。
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ビジュアルシーンでの「黄色のタートルネック姿」のエルウィンという世界観ブチ壊しのセンスはどうにかして欲しいところでしたが。

ソツなく丁寧に作られたソフトでしたが、セーブデータが本体のバックアップ領域のほぼ全てを占領してしまう為に、他のソフトのセーブデータを消したくなければ別売のバックアップメモリが無ければプレイ不可という豪快なオチがついてしまいました。おかげでバックアップメモリを予約して手元に届くまで、うちのPC-FXは暫くの間オープニングムービー再生機と化してしまった嫌な記憶が蘇ります。


■チップちゃんキィーック!
当時でも希少な固定画面アクションゲーム。一言で言えばバブルボブルやスノーブラザーズの練り込みを甘くして幼女とパンチラを追加したようなものと表現すればお解り頂けますでしょうか。
[PC-FX] チップちゃんキィーック!.flv_000045040


ゲームタイトルとジャケットがありえないくらいに恥ずかしい為に、店頭で予約したものを取りに行く時には相当の勇気を必要としたものでした。とりあえず、このジャケットはいくら何でも反則だと思います。
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これが全年齢対応のソフトとはとても考えられませんね。ちなみに音楽担当は何と崎元仁氏。
[PC-FX] チップちゃんキィーック!.flv_000055040
[PC-FX] チップちゃんキィーック!.flv_000088120
[PC-FX] チップちゃんキィーック!.flv_000110000
[PC-FX] チップちゃんキィーック!.flv_000105040

そして何よりオープニングムービーで乱舞する幼女の大股開き+パンチラのヤバさは必見。今じゃ間違いなく発売出来ませんね

■ファーストKiss☆物語
地雷ソフトだらけだったPC-FXの最終リリース作品。非常に丁寧に作られた恋愛シミュレーションゲームでして、今でも根強いファンの多い作品です。
ファーストKiss物語 (PC-FX版) OP1~キャラ紹介デモ~OP2.flv_000142060

ファーストKiss物語 (PC-FX版) 第二章OP.flv_000008592

一章で出会った女の子達の中から本命を選んだ後に始まる二章は、オープング曲の良さも相まって大変感情移入させられました。ちなみに真奈美イベントで流れるド音痴バージョンOPも別の意味で必聴です。
ファーストKiss物語 (PC-FX版) 第二章OP.flv_000110067
ファーストKiss物語 (PC-FX版) 第二章OP.flv_000144894

PC-FX版のみのオマケ要素として2D対戦格闘が入っているのもポイント高いです。作り込みもなかなかのものでして、連続技はおろかガードキャンセルまで出来るという優れもの。
[PC-FX] ヒューネックスファイターズ98 プレイ動画.flv_000006373
[PC-FX] ヒューネックスファイターズ98 プレイ動画.flv_000513046


これまで全く活用しなかったPC-FXの6ボタンパッドが初めて役に立ったのがハード最終作品というのも、ちょっとアレでしたが。

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さてさて、いかがだったでしょうか。メジャーハードのメジャーソフトをプレイするのも良いのですが、たまには冒険してこういった不遇ハードに手を出してみてはいかがでしょうか。
ゲーム飽食の時代に、あえてソフトの質・量共に不安のあるゲーム生活ってのも中々オツなもんですよ。

わたくし?もう二度とゴメンです。


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