中国では若年失業の高止まりや不動産不況長期化が消費者の不安を高めている。早期の解決は難しそうだ。
中国経済は内需がさえず、停滞感の強い状況が続いている。図1に示したGDP(国内総生産)成長率の内訳をみると、純輸出寄与度が拡大する一方、消費の伸びは5四半期連続で鈍化している。2024年10月こそ小売売上高が前年同月比4・8%増と年初以来の高い伸びを見せたものの、11月には再び同3.0%増に失速してしまった。耐久消費財買い替え促進策の効果や「双十一(11月11日〈独身の日〉)」セール期間中のEコマース(電子商取引)各社の販促活動が消費を下支えしているが、勢いは依然として弱い。
足元は堅調な外需が低調な消費を補う形で4%台後半の成長率が維持されているが、米国のトランプ新政権の対中関税などが逆風となり外需依存の成長を続けるのは難しい。中国経済が持続的に成長するには消費の低迷脱却が不可欠といえる。
中国の消費が低迷している要因は二つ考えられる。一つ目は、消費者の先行き不安の高まりであ…
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