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高齢おひとりさま「サポート事業」指針だけで十分か

渡辺精一・経済プレミア編集部
=Getty Images
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 身寄りのない高齢者に入院の身元保証や死後の手続きなどを支援する「高齢者終身サポート事業者」が増えている。サービス内容や費用体系がわかりにくく、消費者トラブルも起きており、政府は2024年6月、事業者向けガイドラインを策定した。事業運営の質を高める狙いだが、関係団体からは、さらに監督制度や法規制が必要だとする声が強い。

守るべき法規定や留意事項を整理

 独り暮らしの高齢者が増えている。20年の国勢調査によると65歳以上の単身者は671万人で5人に1人。親族がいなかったり、いても頼れる関係でなかったりする人も多い。

 入院時に身元保証人を求められても「頼れる人がいない」というケースは珍しくない。本人が亡くなった後の葬儀や遺品整理などの「死後事務」を託せる人もなく大きな不安になっている。これは「高齢おひとりさま問題」とも呼ばれる。

 近年、こうした高齢者を支援する民間サービスが登場している。弁護士法人、介護施設、葬儀社など多様な分野から参入が進んでいる。

 だが、業界団体や監督官庁もなく、サービスの内容や費用の水準もばらばらで、実態も不透明だ。一般に契約時には100万円以上の初期費用が必要だが、国民生活センターによると「内容を理解せずに高額の契約をしてしまった」「詳しい説明もなく高額の預託金を求められた」などのトラブルが起きている。本人が認知症になったり、亡くなったりすると、契約通りサービスが行われたかどうかもわかりにくい。

 総務省は、サービスの実態を把握する調査に乗りだし、23年8月に報告書を公表した。

 事業運営には問題点がみられた。契約時、不動産や金融の取引では必須である「重要事項説…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。