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新入社員が知っておきたい「金利のある世界」とは?

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
 
 

 今回は前回に続き、新入社員のみなさんに知っておいてほしいマネーリテラシーについてお話しします。まずは「金利」についてです。

 日本は長く続いたゼロ金利の世界から、ようやく金利のある世界へ移り始めています。しかし、いまだに預貯金の金利はゼロ%台ですし、金利と言われてもぴんとこない人が多いでしょう。そこで皆さんに身近な例で考えてみます。

 皆さんはクレジットカードの「リボ払い(リボルビング払い)」を使ったことはありますか?

 例えば、クレジットカード加入時に「リボ払い1万円支払いコース」を選んでいれば、10万円の買い物をしても、月々の支払いは1万円で済みます。残りの9万円はカード会社に借金をしている状況ですが、限度額までは買い物を続けられます。

 借金が増えても、毎月の返済額はそれほど大きくは変わりません(支払い方式によっては段階的に増えるものもあります)。リボ払いにしておいて、支払いが楽で助かったと思うでしょうか。

「借金が雪だるま式に増える」とは

 私が持っているカードのリボ払いの年率は14.4%です。おそらく他も同じくらいでしょう。

 年14.4%の金利で借金すると、5年間で元の借入金は約2倍になります。電卓で「1.144」の5乗を計算してみてください。「1.9594316…」 と、約2倍になるのがわかります。

 これはまさに「借金が雪だるま式に増えていく」ということです。元本だけではなく、その利子にも利子がつくことを「複利」といいますが、「複利の負の威力」といえるでしょう。

 一方、複利はお金を増やす時に大きな効果があります。最初の元本のみに利子がつくことを「単利」といいますが、100万円を利率5%で40年運用する場合、単利だと300万円にしかなりませんが、複利だと約704万円に増えます。その差の約403万円が「複利の効果」ということです。

複利の計算「72の法則」

 この複利の計算は…

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。