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銀行口座とスマホ決済の垣根低く?個人間送金が変わる

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

変わりゆく「決済」(1)

 送金や支払いなどの「資金決済」は従来、銀行が中心だったが、スマートフォン決済など資金移動業者の参入で変革が進む。銀行や信用金庫などの金融機関しか参加できなかった資金決済システムを資金移動業者に開放することが2022年9月に決まり、10月11日には、スマホを使って無料で少額送金ができる銀行主導のサービスが動きだす。何がどう変わるのだろうか。

公取委が指摘「全銀システム」の問題とは

 現金の手渡しによらずにお金をやりとりすることを「為替取引」といい、そのうち銀行口座を通じて他人に送金することを「振り込み」という。企業間の取引や給与の支払いには振り込みが利用される。

 国内の為替取引は1973年に稼働した「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」が担う。銀行など預金を取り扱う金融機関のほぼすべてが参加し、1営業日平均約12.2兆円の取引を行っている。

 一方、ITの進歩で、近年、ITを活用した金融サービス「フィンテック」が注目され、銀行の独壇場だった決済分野への参入を広く認める流れがある。

 09年成立の資金決済法は、銀行以外でも資金移動業者として登録すれば為替取引ができるようになった。「PayPay(ペイペイ)」「LINEペイ」など現在85社ある。

 資金移動業者の代表的サービスがスマホ決済だ。利用者はスマホ決済の口座を銀行口座などとひも付け、お金をチャージ(入金)して支払いや送金に使う。19年の消費税増税でキャッシュレスポイント還元が実施されたことなどを契機にスマホ決済は普及している。

 こうしたなか、いまだに銀行中心の全銀システムの閉鎖性が浮き彫りになっ…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。