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パナマ文書の舞台で暗躍する弁護士たちの「理屈」

清水憲司・経済部
パナマ文書が流出し、問題の震源になった法律事務所「モサック・フォンセカ」の看板=パナマ市で2016年4月、清水憲司撮影
パナマ文書が流出し、問題の震源になった法律事務所「モサック・フォンセカ」の看板=パナマ市で2016年4月、清水憲司撮影

 世界の富裕層らによる課税逃れの実態を明らかにした「パナマ文書」。首都パナマ市は太平洋と大西洋をつなぐ交通の要衝だが、中米の金融センターとしての地位も固め、中心街の高層ビルには金融機関や法律事務所が軒を連ねる。政治・経済で弁護士が強い影響力を持つパナマを歩いた。

 4月下旬のパナマ市。気温は30度を超え、湿った海風のせいか汗が噴き出す。

 「あなたの情報は、我々のコンフィデンシャル(秘密)ファイルに収められます。捜査が行われない限り、情報はパナマ法によって守られます」。「パナマ文書」の震源地となった法律事務所「モサック・フォンセカ」から徒歩10分ほどのところにある別の法律事務所の弁護士はこう説明した。

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経済部

毎日新聞のファミリービジネス・メディア「リファラバ」編集長。前橋支局、経済部、ワシントン支局など。「日本経済再生のカギはファミリービジネスにあり」と考え、リファラバを立ち上げ。