原発推進派の人々は本当に核のごみへの責任をどう考えているのでしょうか
原発推進派の人々は本当に核のゴミをどう考えているのでしょうか。このまま原発を稼働させても、核のゴミが溜まり過ぎて、稼働出来なくなる事は解りきっている事です。またこの問題は現代の人類の技術力では永遠に解決は出来ない問題です。
米国も、莫大な保修・維持費がかかる原発に見切りをつけて、シェールガス発電にどんどん切り変える電力会社が増えて来ました。日本もやがて来る核のゴミの処理問題で原発の稼働が出来なくなる事がはっきりしていますので、この様な原発の推進より、安価なＬＮＧ・石炭粉塵・石炭ガス化発電・自然エネルギ－発電に力を入れるべきです。
（北海道新聞２月11日）
目の前にある問題を先送りせず、現世代が解決に責任を持つのは当然だ。自分が出したごみは自分で始末し、子供や孫に押しつけたりしてはならない。
では、原発から生じる放射性廃棄物のように、数万年にわたって危険なごみに責任を持つとはどういうことか。これについての政府の方針が地層処分である。地中深くにごみの処分場を建設し、最終的には埋め戻す。
地下が安全だという前提に立てば、将来世代に管理負担を負わせることはない。処分を担当する原子力発電環境整備機構のパンフレットには、「地球の力を信じて委ねる方法」といった識者の声が紹介されている。
だが、要は「埋め捨て」であり、「管理責任の放棄ではないか」との批判がつきまとってきた。昨秋、日本学術会議が地層処分を抜本的に見直し、処分技術が確立するまでの暫定的な保管を提言した。
国内では最終処分場の適地を見いだすのは困難との理由からだ。世界有数の地震国で、これまで地球まかせの楽観論が通用してきたことの方が、むしろ不思議である。処分しようのないごみの増加に歯止めをかける「総量管理」の提言も理にかなう。
もう一つ注目すべきは、学術会議が原発の使用済み核燃料をごみに含めた点だ。日本が採用する核燃料サイクル政策では、使用済み核燃料は再処理して利用可能な資源であり、再処理で分離された廃棄物をごみとしている。
だから再処理には、使用済み核燃料の直接処分に比べごみの体積を約６割減らすメリットがあるというのだ。これは一種の目くらましである。再処理して取り出したプルトニウムやウランも、残りの廃棄物も危険な毒物だ。資源とみなそうが、ごみとみなそうが、厳重な保管が必要な点に変わりはない。
結局、ごみを減らして節約したつもりの地下処分場のスペースは、そのまま地上に移るだけではないか。再処理や保管にかかる巨額のコストと危険も無視されている。そもそも核燃料サイクル自体に実現の見込みがないから、ごみの減量化も机上の空論にすぎない。
全国各地の原発敷地内にたまった使用済み核燃料は約１万４千トンで容量の７割に達した。これとは別に、再処理工場のある青森県六ケ所村に３千トンが貯蔵されている。
仮に再処理をやめると、青森県は持ち込まれた３千トンを全国に返送するという。その場合、政府の試算では、九州電力玄海原発が即時停止するのを皮切りに、全原発が２０２７年までにごみが満杯になることによって停止を余儀なくされる。
これでは、ごみ問題に一定の結論を出さない限り、計画的に原発を減らすのは難しい。民主党政権の脱原発が腰砕けになった最大の理由は、恐らくここにある。ごみ処理で行き詰まる事情は原発推進側も同じだ。破綻した核燃料サイクルは、ごみ問題を棚上げするための方便になっている。
使用済み核燃料を再処理して有効利用するという大義名分はとうに色あせ、捨て場がないから再処理を続けるというのでは本末転倒だ。学術会議が科学の立場から危険性を指摘した今、計画倒れの地層処分には見切りをつけるべきだ。一方、「暫定保管」を選択しても、場所の選定は容易ではあるまい。
だが、問題を直視して議論を始める必要がある。少なくとも、手に負えないごみはこれ以上増やさないというのが責任ある態度だろう。