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前回はCygwinをインストールしましたので、今回はCygwin上で動作するクロス開発ツールの構築を行います。クロス開発ツールというのは、H8/3069Fマイコンで動作するプログラムを、Windows上(実際はCygwin上)で、コンパイル・アセンブル・リンクするためのツール群です。

まずは、必要なファイルをRing Serverからダウンロードします。慣れないとちょっと使いにくいかもしれませんが、ページの真ん中より少し上あたりに、「毎日更新! ソフトウェア ライブラリ」と書かれたところがあると思います。そこからソフトウェアライブラリのページに入れます。

そして、「GNUツール群」からライブラリ一覧に入り、GNUを選べば、Index of /archives/GNUにGNUツール群のディレクトリ一覧が現れます。その中から、binutilsを選んでください。たくさんファイルが並んでいますが、binutils-2.16.1.tar.gzです。拡張子がtar.bz2のものも同じですが、圧縮方法が異なります。今回はtar.gzの方をダウンロードしたものとして解説します。

ダウンロードしたファイルは、"~/src"ディレクトリに格納するものとします。ここで、"~/src"というのはCygwinにおけるディレクトリの指定方法です。~(チルダ)はホームディレクトリの意味で、Cygwinを"C:\cygwin"にインストールした場合、"C:\cygwin\home\<アカウント名>"がホームディレクトリになります。また、bashを立ち上げたとき、最初に移動する先がホームディレクトリです。

"~/src"ディレクトリを生成するには、Windowsのエクスプローラで行っても構いませんが、bash上で次のように入力することでも生成できます。

mkdir src

binutils-2.16.1.tar.gzを"~/src"に格納したら、今度は、圧縮されたファイルを展開します。bashのコマンドラインから、次のコマンドを入力してください。

cd ~/src
tar zxvf binutils-2.16.1.tar.gz

これで圧縮ファイルが展開され、binutils-2.16.1ディレクトリが現れるはずです。

このbinutilsというのは、アセンブラやリンカのほか、色々な開発ツールが含まれたパッケージです。コンパイラを構築する前に、必ずbinutilsを構築する必要があります。
それでは、これからbinutilsの構築を開始します。

まず、構築結果として生成されるファイルを格納するためのディレクトリを作成します。ここでは、"~/build/binutils"とします。次のコマンドを入力してください。

cd ~
mkdir build
cd build
mkdir binutils

ディレクトリができたら、そのディレクトリに移動し、構築を開始します。まずはconfigureからです。configureは、構築のための色々な設定を行います。例えば、どんなターゲット用のツールを生成するのかとか、生成後のツールはどこにインストールするのかなどです。次のコマンドを入力してください。

cd binutils
../../src/binutils-2.16.1/configure --target=h8300-hms --prefix=/usr/local/h8300-hms

ここでは、ターゲットとして"h8300-hms"を指定し、構築されたツールを"/usr/local/h8300-hms"というディレクトリにインストールするように設定しました。configureには少し時間がかかります。configureが完了したら、今度はmakeの番です。次のコマンドを入力してください。

make

makeもしばらく時間がかかります。気長に待ってください。makeが完了すれば、構築されたツールを、先ほど設定した"/usr/local/h8300-hms"にインストールします。次のコマンドでインストールが始まります。

make install

これで、途中でエラーが発生しない限り、binutilsのインストールは完了です。ただし、このままではツールにパスが通っていませんので、パスを設定しておきましょう。次のコマンドでパスの設定が行えます。

export PATH=$PATH:/usr/local/h8300-hms/bin

Windowsのパス設定とは微妙に異なるので注意してください。特に、パスの区切りには ;(セミコロン)ではなく、:(コロン)を使いますので要注意です。これで、次のコマンドを入力すれば、リンカのバージョンが表示されると思います。

h8300-hms-ld -v

ここで、

GNU ld version 2.16.1

と表示されれば、正しくパスが通っています。

ところで、このままではbashを立ち上げるたびに、毎回パスの設定を行わなければなりません。そこで、"/etc/profile"(Windowsでのファイル名は"C:\cygwin\etc\profile")をエディタで開いて、その中の適当なところに先ほどの設定コマンドを書いてしまいましょう。パスの設定を行っている箇所がどこかにあると思いますので、その直後にでも追加するとよいでしょう。
2006/01/22 23:47|開発環境TB:1CM:0

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こないだの話です!日記の書き方ってこんな感じで良いんですか?どう思うぅ?あたしだけかしらネ…
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