最近デスメタルでカリスマ的存在となったインゲ・ギンズバーグ(96歳)さん。
彼女の物語はとにかくすごい。
オーストリア育ちのギンズバーグさんは第二次世界大戦前夜、ホロコーストを逃れ、スイスの難民キャンプに避難した。
戦後、彼女と夫のオットー・コルマンはハリウッドに渡り、新しく生活を始めると、ナット・キング・コール、ドリス・デイ、ディーン・マーティンら同世代の人気歌手たちに曲を提供した。
年齢を重ねながら作詞を続けるギンズバーグ夫人だったが、93歳の時、聴衆に心を届ける一番良い方法を考えた。
そう、それがデスメタルだ。
93歳でバンド設立
高齢の女性など気にも留めず、見捨てることすらある社会でどのように注目を集めることができるだろうか?
93歳の時、その方法を思いついた。デスメタルだ。
作った詞を歌うのではなく、叫ぶのだ。それはチャンスなどほとんど望めない年齢における改革の機会となった。
だから単にありえないパフォーマンスであるだけに留まらず、ギンズバーグ夫人の物語は人の注目を集める方法を発見した女性のそれなのだ。
アメリカやヨーロッパ文化では老人は無視される。
でもみんな声を聞いて欲しいのよ「インゲ・ギンズバーグ」です
一番の才能は歌じゃなくて しぶといことです
一 スイスのゴットタレントショーのオープニング画面 一
/インゲの語り
1942年 難民としてスイスに逃れました
ルガーノのスパイ村ではシークレットサービスの面倒を見ました
大切なのは若い人と一緒に色々やること
それから初めてに挑戦することです
笑うかもしれませんが 94歳になったら分かりますよ
一 ゴットタレントショでの演奏開始 一
/歌
文化をぶち壊し、 自然を滅ぼし
ゴミ溜めで喉が詰まっちまってる
善も美もなにもかも消えちまった
一 挿入インタビュー 一
/インゲの語り
インゲは今 スイスとニューヨークを行き来している
人生は孤独よ
親も家族も死んでしまった
誰も耳を貸してくれない
本当のことが聞きたくないのね
だから自分で幸せになることをやらなくちゃ
お酒って人も ”はしゃぐ”って人もいるわね
私の場合は詞を書くこと
ここに作詞するの たくさん書いたわ
どのページも詞だらけよ でも聴いてもらう人がいなかった
コンテストに参加すれば大勢がユーチューブで聴いてくれる
一 ゴットタレントショでの演奏にもどる 一
/歌
苦悩なんて忘れろ
墓場もな
飲んで食って
歌って笑うんだ
悪魔は地獄に帰っちまうだろうさ
一 挿入インタビュー 一
インゲは”America’s Got Talent”のオーディションを受ける
そのための新曲とミュージックビデオを製作中だ
「 あら これから取材なのよ」
ルシア・カルーソ 共同制作者&ピアニスト:
15年前 学校でインゲに会いましたペドロ・ダ・シルバ 共同制作者&リードギター:
彼女が夏に血とか死とかの詞を書き始めてね「こいつはデスメタルだ」って言ったんだ
そしたら「何よ それ?」って
「我が道を往け 群れ中の羊になるな」
ちゃんと書いた?
作詞はインゲ 僕らは作曲を担当する
料理は人間関係を円滑にするわ セックスと同じね
餌付けして仲間を集めるの
アタシはまだ行けない。人類に伝えることがあるんだ
祖先から学んだ知恵を
/インゲとスタッフとのやりとり
二行やり直しましょう 深呼吸して
このままやるべきって思うのは これがあなたの元気の秘訣だからよ
その通りね
元気が出て 体もしゃきっとするのよ
私 心は元気なの 体はくたびれちゃってるけど
今日は何するの? 叫ぶ!
どの曲にもメッセージがあるわ
最初のは「掛け替えのないものを壊さないで」ね
二作目はかなり重いわ
「みんな必ず死ぬ だから笑い飛ばそう」って内容
/インゲの語り
私はウィーンでユダヤ人として生まれた
パーティじゃピアノを弾ける人は大人気だったのよ
おかげで6歳から16歳まで音楽を学ばせてもらえた
それからヒトラーの迫害を4年間受けた
山に逃げて 凍え死ぬところだった
最初の夫「オットー」に出会って スイスに逃れたわ。 難民としてね
終戦後 ハリウッドに
そこでオットーと一緒に作曲を始めた
だってそれ以外何もなかったのよ
「Try Again」って知ってるかしら? ディーン・マーティンの大ヒット曲
だからもう一度やるんだ くじけないで…
しばらくしてハリウッドの生活に疲れてしまった
だって全部虚像なのよ だからそこを離れた
一 レコーディングシーン 一
/インゲの語り
ねえ 待ちくたびれたから帰るわ
あと3分で帰っちゃうわよ
羊の1日が台無しだ かわいそうに
宇宙が反響する
続けなよ
椅子ちょうだい
あれでいいの?
もうチョイだ 愛が欲しいな カメラの前では変えてみよう
鏡の自分が見えるかい?
私じゃない 変な女が座ってるわ
鏡に映る自分は嫌い
私はいつも微笑むの
貧しい時もお金がある時も微笑んで来た
ホロコーストの時だってね
だって落ち込んでいると 却って他人から手荒くされるものよ
一 本番直前の楽屋裏 一
/スタッフの語りテレビで演奏するから緊張してるわ緊張しているのは インゲだよ
行きたくないって言ってるわ。
説得するんだ
深呼吸して
もう来ちゃったのよ 夢を叶えましょ
/インゲの語り
夢を?
あなたにはそれが必要なの
私に必要なのは平穏よ。
私は詩人よ 歌手じゃない
歌えるわけないわ、 詩人なんだから
ー出たくないとごねたものの、出演を決意するインゲー
電気消しても? 準備はいい?行きましょう
/スタッフ
いつものことさ
こうやって元気を与えるんだ それが彼女を生き生きさせる
一 エレベーター内で知らない人に話しかけるインゲ 一
/インゲ
テレビに出るの
私 歌手なのよ
ラッパーよ ユーチューブ観てね
インゲ・ギンズバーグっていうの
史上最高齢のラッパーよ
/スタッフ
本番は思いっきりやってくれよ 元気いっぱいにね
最初はおとぎ話みたいな感じで――
ガンガンね
温もりなんて――
まだだ
一 本番後 一
インゲはオーディションで歌詞を忘れた
/インゲ頭が真っ白になっちゃって
歌詞をど忘れよ
/インゲ
私は生きてる
それを証明するのに特別なことなんて必要ない
自分にとって天国と地獄は――
死ぬ瞬間に――
満たされて いい人生だったと思うなら 天国
もっとやれば良かったと思うなら 地獄だわ
老いは美しいことよ 自由だもの
恋人なんていないし 髪を撫でてくれるのは風だけど
花の香りも鳥のさえずりもある
旧い友達はほとんど死んだ
でも若い友達ができた
みんな昔話を喜んでくれるわ
撮影じゃ私が主役なの
リアが私を主役で撮ってくれたのよ すごいでしょ
written by hiroching / edited by parumo
この年齢でこれだけ声が出るってのもスゴイ
こういう歌詞ってやもするとお約束的なチープがあるんだけど
実体験から来てるのかと思うと重さがあるよね
近年のデスメタルってなんでもいいんかね?
※4
こういうのは、本人がデスメタルだと言えばデスメタルなんよ
個人的な嗜好を言えば、もうちょっと魔女っぽいメイクで不敵に笑うとよりデスメタルっぽく演出できると思う
※4
デスメタルってのは別にデスボイスでギャイーンってするだけのものじゃないんだぜ?
デスメタルはそもそも魂の叫びってのが基本構想にあるわけで、自分の声に魂を乗せて発する気持ちと勢いがあればそれは立派なデスメタルぞ
ニナ・ハーゲン思い出した
8枚目(動画含む)の写真、マダムの若い頃ですかね? 大した美人だ\(^o^)/
正確にはデスメタルではないなw
デスメタルは文字通り死とか悪魔とかそういったものを表現したメタルで、曲調はだいぶ暗くて重い
ただ叫んでたらデスメタルというわけではないよ。叫んでても明るい歌詞だったり、ただ浮気した彼女許さんみたいな曲もあるからな
メタルはなんでもありだからメタルではあるけどね。凄いなばあちゃん。
中にはオウムがボーカルやってるデスメタルバンドもあるくらいだからな
ゴリゴリのロックやってた人が年取ってカントリーとかに落ち着くパターンはよくあるけど逆は凄いや
夫のオットー・コルマン
90代になって新しいことを始めるってほんとスゲェわ。
こういう歳のとり方したいわ。
適切な表現かどうか自信ないけど、なんというかその、超カッケェ。
正にしぶとい!見ていて気分良いね!ホロコーストって、なんかこうネジが外れるくらいにとんでもないことだったんだろうね。
69歳のおばあちゃんがボーカルやってるGRINDMOTHERっていう
グラインドコアバンドもあるよ
※15
ネーミングセンスが最高すぎる
元気過ぎやろ。
歳とってもこれだけ元気でありたい
全然デスメタルじゃないけど、シンフォニックメタルがどうのとか
細かい事言っても通じないし、まぁお元気で何よりだよ!
THE GRINDMOTHERが68歳って事で驚いたけど、更に20歳年上
の方がいらっしゃるとはね!女性は偉大だわ…
今やメタルは年寄りの音楽と言っても過言ではない時代に突入しているけれど、ここに極まったな。60や70なんて、まだ若いってことだ。まぁ、インゲは別にメタルが好きでやってるわけじゃないけれどさ(笑)
女の人は強いよねえ
これからも丸くならず叫び続けて欲しい
このオバーチャンがウガイみたいな声出すんかと思って身構えたが
ちゃんとオバーチャンの声で安心した。
やっぱり白人は紫外線に弱いんだね
サングラスも必須だし
私もこういうオバアチャンになりたい。
デスメタルなんだから糞ったれのナチスめなんで生まれて来やがったとか歌で言ってやればいいのに実際にひどい目に合ってるんだからさ
メタルの定義に関してはかのグラミー賞ですら混乱しているように見受けられるからな
この記事を読む限りだとデスメタルがどうとかは知ってもらうための手段の一つであって、この方は生粋の詩人なんだろうなという感じがした。
ただこの結果も人との出会いによって生じたものだからと大事に、そして思い切り楽しんでもいるんだろうね!
お年寄りの経験や知識は貴重なものだと思うし、それを表現するギンズバーグさんや支える周囲の方々も含め尊敬してしまう。
オープニングと途中のピアノはインゲさん自身の演奏かな。カッコ良くてしびれたぜ。
ストリングスも素晴らしい。
メタルって、実はクラシック音楽の楽器と妙に相性がいいんだよな。
メタルの歌詞って結構青臭いものも多いんだけど、それを94歳のレディが歌うと、一周回って深みが出て素敵だわw
そういや数年前に、ドラキュラ伯爵役でおなじみのクリストファー・リーも90過ぎてメタルを歌っていたな。あれもカッコよかった。
93歳でここまでシャキっとしてるのがすごいし
「新しい事をしよう」と思える事そのものがすごいよ
うちの祖父母なんて80過ぎたらあとは死を待つのみみたいな顔をしてた
普段は「オシャレで都会的なポップスに憧れる気弱なおばあちゃん」だったりして
スレイヤーのエンジェルオブデスとかメガデスのホーリーウォーズとか、逆説的な戦争批判ソングだから、こういう経緯のご老人が自分の思いの詞をメタルにする、っていうのに胸が熱くなった。
音楽性的にデスメタルかはさておき、メタルはジャンルがミックスしまくってるからまあまあ良いじゃないですか。
北欧や南米のデスやメロデスが好きなので、シンフォニック要素やフォークロア要素は普通の感覚です。
確かに以前、オウム(鳥…)がボーカルの…とかもありましたね(汗)。
オウムは流石にCD買いそうにはないですが(汗)。
96歳でデス声にまでチャレンジしたら喉潰れてしまうし(アーチエネミーVoデス声で声帯痛めてVo替わってます、エモ系スクリーモ系でも声帯痛める事あるそうです)、
もうこの雰囲気とこれだけ声が出るだけで充分圧倒されます。
そして私もインゲおばあちゃんの経歴と、雰囲気にニナ・ハーゲンを彷彿とさせると思いました。
ドイツ語で?歌ってるのもあるかも。
突きつけるような歌い方も似てる印象がしました。
ここで、「デスメタルがー」とか言っている人は、youtubeで「君はオリジナル」という歌の動画を見ましょう。
ここでは、20数年前のアニメ「アイドル天使ようこそようこ」の主人公よっきゅんが、仲間たちとともに渋谷のハチ公前でゲリラライブをやり、「君はオリジナル」を熱唱します。
途中、故鈴置洋孝さんが声を当てている、よっきゅんの事務所の社長が「ロックの魂」について述べるくだりがあります。
「ロックの魂って知ってるか? テクニックじゃない叫びさ、自由や愛や友情への熱い心からの叫び」と。
この言葉を聞いて、君はオリジナルが「ロック」になるのなら、この記事のおばあちゃんの「デスメタル」もデスメタルでしょう。
あと、この記事を読んで、スーザンボイルを思い出した。今も彼女は歌を歌っているんだろうか。
ちなみに、自分は彼女のデビューアルバムを買った一人なのだけど。
※34
スーザンは癇癪を起こしたりして精神が不安定なので休業中だよ。
サイモンのレコード会社との契約は打ち切られていない
つか、このおばちゃんかっこいいね。熱いぜ
デス歌謡
お婆ちゃんが一所懸命声を出してるグラムロックだな
デスメタル成分はデトロイトメタルシティより少ないレベル
ロックに定義はない論、大いに結構だけどどんな言葉にも射程範囲はある訳で
あんまりやり過ぎるとデトロイト・メタル・シティみたいなのが出てくる
デスメタルというよりもメタルコアっぽい
実際メタルコアってポリティカルな社会派バンド多いしな
デスメタルって歌詞見れば分かるけどオカルトとかスプラッターって感じで
ポリティカルとは程遠いしやっぱりこれはメタルコアだと思うね
こういう事言うとどうせマイナスつくだろうけど
曲カッコイイね!激しさのなかにエレガントさがある。途中途中の笑い声が超クール!
内容がいいね歳とってからじゃないと到達できないこと
>デスメタルは文字通り死とか悪魔とかそういったものを表現したメタル
歌の歌詞によって音楽のジャンルって決まるの?
それじゃ歌なしの場合はどうなるの?純粋な疑問なんだけど
みんな、色々分析してるけど、ウンチクはいらない。歌は魂で聞くもんだ。俺にはこのおばあちゃんの歌が響いた…最高だ。
BABY METALでなく、GRANNY METAL(笑)。