
・パラリンピアンのエリー・シモンズ「 日本はイギリスと違って、障害者の生活を楽にしてくれる」
・大都市を除けばまだ厳しい。自分は障害者ではないけど、ベビーカーでどこかに行こうとした時にその難しさが少し分かった。ほとんどの公立学校が身体障害を持つ生徒に対応できるかどうか疑問だ。例えば、授業に行くために階段を上り下りする必要がある。車椅子を必要とする子どもはどこに通うんだろう。
・日本で障害を持つ姉と育った。90~2000年代に神奈川県(横浜ではない)の公立小中学校に通っていて、その学校には車椅子用のリフトがあった。それで姉や他の子どもたちを2階や3階のホームルームまで移動させていた。当然、理想的ではなく、学校にリフトが2台しかなかったから生徒を階段で運ぶのに時間がかかった。でも、ほとんどの授業はホームルームで行われたので、そこまで悪くはなかった。ただ、姉は授業に遅れることが多かったね。これが日本全体のケースとは言えないけど、地域の行政はできる限り地元の学校を支援している印象がある。対応の規模や速さが課題だと思う。
・2025年だけど、自分が働いている小学校(町で一番大きい)は、いまだに車椅子でのアクセスが全くできない。
・↑その学校に車椅子を必要とする生徒がいる場合は、本当にひどい状況だと思う。この話が議論の助けになるかは分からないけど、自分の家族は運が良かったと言える。
・↑その通り。自分が住んでいた駅では、片側から地下に降りる必要があった。でもエレベーターがなかったんだ。
・↑自分が通っていた公立中学校では、車椅子を使う生徒が来ることが分かっていたから、その生徒が来る1年前に大規模な改修を行った。エレベーター、障害者用トイレ、スロープを追加したんだ。だから、よっぽど小さな学校じゃない限り、多くの学校は同じことをするんじゃないかと思う。自分の学校は小さな都市にある普通の公立学校だった。
・点字ブロックは日本で発明されたものだ。初めて見たときは素晴らしいアイデアだと思った。いつも完璧に設置されているわけではないかもしれないが、その功績は認めるべきだと思う。
・↑スケートをする友達がいて、点字ブロックを見ると怒っていた。彼は「地元の行政が歩道でスケートを防ごうとしている」と思い込んでいたからだ。でも、その点字ブロックが視覚障害者のためだと教えたら、それを「クールだ」と思って気に入ったようで、その上でオーリーをするのを楽しんでいた。
・日本はかなり良いけど、これは間違いなく「日本を訪れた人」の視点であって、「日本に住んでいる人」の視点ではない。長く住んでいれば、一方向にしか行けないエスカレーターが階段に繋がっているとか、駅外の店舗が所有しているエスカレーターがその店舗の営業時間外には停止しているとか、そういうことに気づくだろう。移動が不自由な人にとって課題はまだたくさん残っていると思う。
・車椅子を使う人や背が低い人などに対応したボタンやインターフェースは、日本が比較的得意としていることだと思う。大都市以外や古い民間の建物でも同様だ。さらに、日本の電車がプラットフォームと完全に揃っていない場合でも、小人症の人や階段を上るのが苦手な人にとっては、安全に乗り降りできるくらいには揃っている。他の国では荷物を持っている普通の大人でも苦労するような危険な隙間や段差があることが多いが、日本ではそれが少ない。この記事に出てくる彼女の視点は、単なる「日本を訪れた人」の視点ではなく、彼女の特定の障害においては日本が他国よりも対応できているということだと思う。
・車椅子の人が電車に乗るときには行き先を聞かれ、その駅に連絡が入って、どの車両に乗っているかが伝えられる。そして到着時に駅員が電車とプラットフォームの間にスロープを設置してくれる。
・でもそれが必要なのは、日本(正確にはほとんどの国も同じだけど)が駅や電車をアップグレードするのが遅れていて、車椅子の人が職員の助けなしに自由に乗り降りできるような状態になっていないからだ。都市部では駅員のサポートがうまく機能しているけど、それでも改善の余地が多い。特に地方では問題が深刻だ。アップグレードされたプラットフォームや電車が少ないこと、無人駅が多いことが二重の問題となり、事前に計画して助けを手配する必要がある。
・彼女が点字や点字ブロックについて言及したのは視覚障害者としてではなく、一般的なアクセシビリティについて話していると思った。点字は日本語で書かれているから、彼女には役に立たないのではないかと思った。
・日本人はイギリス人よりも身長がかなり低いから、いろんな物が最初から低い位置にあるのが普通だ。小人症に配慮した設計があるとしたら、それは良いことだと思う。点字や点字ブロックも良いものだね。ただ、自分が見る限りでは、スロープやエレベーター、手すり、座席などがない場所がまだまだ多い。それに気づいていなかったから、特定の障害を持つ人が日本を障害者に優しいと感じるかもしれないというのは意外だった。
・たしかに、エレベーターの低い位置に車椅子のシンボルマークがついているのを見かけるね。
・たまに杖をついて歩くけど、自分は障害者ではない。階段は普通に上り下りできるけど、膝が痛むときには避けたいと思う。それでも、どんな感じなのかは少し分かる気がする。エスカレーターがない駅や、隅の方に小さなエレベーターがあるけど常に行列ができていて2〜3回待たないと乗れない駅がたくさんある。東京中にはレベル間で小さな段差がある場所も多い。それが自分には問題なくても、車椅子の利用者やもっと深刻な移動の問題を抱える人にとっては大変だろうと思う。自分が初めて日本に来た29年前と比べるとかなり改善されているけど、まだまだ課題は多いと思う。
・自分も東京でも同じような状況を見た。エレベーターが全くない場所もあれば、途中に小さな階段があって完全にアクセス可能なルートがない場所もある。エリーにとっては良かったと思うけど、他の障害(移動の問題など)を持つ人にとっては、日本はイギリスより障害者に優しくない部分も多い。
・東京はパラリンピックの影響で少しは良くなったけど、地方に行ってみてほしい。
・↑それは世界中どこでも同じだと思う。最近の開発が進んでいない地域では、地方は通常アクセシビリティが良くない。
・↑地方はどこも発展が遅れている。
・短期間の旅行で、最も観光客向けで整った場所だけを見て、その国が全て整備されていると結論づけるのはよくあることだと思う。
・彼女は自分の経験を母国と比較して述べているだけだと思う。彼女の意見をシェアしてくれたことを否定的に捉える必要はない。
・否定的な意味ではなく、彼女の経験は日本の日常生活を代表しているわけではないと指摘しただけだ。
・東京でも、エレベーターがない橋しか渡れない忙しい交差点や、道路と同じ高さにならない縁石が多く、10〜20センチの段差がある場所もある。それを見て、車椅子利用者には大変だろうなと思った。また、点字がある看板は非常に少ない。
・↑その通り。日本は外国メディア向けに良いパフォーマンスを見せるけど、東京でさえ障害を持ちながら日常生活を送るのは悪夢のように感じると思う。
・完璧にはならないだろうけど、日本は他の多くの国、特にイギリスよりは良いということがポイントだと思う。
・驚きではないけど、日本の主要都市の多くは新しくてきれいだ。建物や駅が絶えず再建や改修されていて、地震規制の更新によるものもあるし、ヨーロッパの都市に比べて歴史的な建造物が少ないからだと思う。多くの国で障害者のアクセスを考慮して建築するのが標準になりつつあるけど、インフラが古い都市ではアップグレードに時間がかかるかもしれない。数年前に来た時と比べて東京はかなり変わったし、新しい駅や地下エリア、高層ビルなども増えている。大阪や梅田も全然違う感じになったよ。
・それが税金の使い方だよね。フランスで税金を払うのが「うれしい」と思ったことはない。新しくてきれいなものは、誰も望んでいない鉄製の「芸術的な彫刻」だけだった。
・イギリスから日本に来た身としては、どうしてそう思えるのか分からない。日本では全体的に標準化されていて、一部の例外を除けば、すべての公共施設が利用可能になっている。日本の公園で障害者用トイレを見たことは一度もなく、たいてい和式のトイレだけだ。
・本当に?自分が見たほとんどの公園のトイレには多目的トイレがあったけど。
・自分は6つの学校で働いていて、日々移動しながら生徒たちと一緒に公園に行くことが多い。訪れた公園はどれも基本的にコンクリートや木造の小さな小屋で、仕切りの両側に1つずつ個室があるだけだった。
・多くの駅がほとんどアクセスできない現状を見ると、それとは程遠いと思う。この国にアメリカのADA(障害者差別禁止法)みたいな法律があれば、バーやレストランの半分は閉店しないといけないだろう。この人はオリンピックのPRチームが見せたかったものを見ただけだと保証できる。もし一人で日本中を旅したら、全然違う話をしていると思う。
・正直言って、ロンドン以外は知らないけど、東京の中心部でさえ、大きな歩道橋に何百段もの階段があってエレベーターがない場合がある。移動が不自由な人には悪夢だと思うよ。
・確かに東京の中心にある大きな歩行デッキには重要な交差点用のエレベーターがあるけど、もっと直接アクセスできるように階段が改良されるべきだと思う。小さな歩道橋がもっと問題だけど、それでも多くがエレベーターを追加したり、普通の横断歩道に変更されたりしている。ロンドンで空港からホテルまで荷物を転がして行った時と、東京で荷物を転がして買ったものを売るためにいろんな店に行った時を比べると、移動に不自由があるなら東京に住みたいと思うよ。車椅子が必要な場合でもそうだと思うけど、階段が完全に無理な場合だとどちらが良いかは微妙だね。両都市ともシンガポールに比べるとかなり劣るけど。
・東京で荷物を転がして歩いたり、足をケガした状態で移動したりするのは面倒だったけど、西洋の主要都市と比べるとずっとマシだね。東京に住む人たちは、荷物を運ぶためにローリングバッグを使うことがよくあるけど、ロンドンやパリではあまり見かけない。