Thousand Enemies / Girls Dead Monster
Thousand Enemies (2010/05/12) Girls Dead Monster 商品詳細を見る |
Thousand Enemies が届いたので感想を。
この記事はもともとは Girls Dead Monster のボーカルの交代による変化について書いたのですが,下書き状態のままでアップするのを忘れていました……
Thousand Enemies が届いたのでまずはその感想を。
Thousand Enemiesはイントロでのギターリフが大好きで5話放送後からWalkmanに入れてずっと聞いていました。
試聴版ならではのシンプルな曲構成が好きだったのですが,全体的にR&B色が強くなっているのが印象的です。
Alchemyで見せていたようにエッジの効いた切れ味のあるギターの音がガルデモの特徴だと思っていたのですがそれは岩沢の特徴だったのか。
中心的な存在だった岩沢がいなくなることによってひさ子のカラーが強くなるのかと思ったのですが,ユイの影響のような感じがします。
全体的にギターが泣くようになっているのですが,Higest Life では歌詞にクラプトンが登場するように,クラプトンのような泣きの音色が特徴的です。
ユイは岩沢の大ファンだと言っていたので岩沢路線を継承するのかと思っていたのですが,使用しているギターもギブソンSGでクラプトンがクリームの頃によく使っていたギターです。(でもカラーリングからすると,AC/DCのアンガス・ヤングなのかな)
Angus Young/Gibson SG
アンガスといえばギターリフなのですが,ユイはひさ子のことを殺人的なギターリフと評していたように,リフはひさ子でユイ自身は泣きのスタイルなのかなと思います。(5話でThousand Enemiesのイントロのリフを弾いていたのはユイでしたが)
次のシングルはどのような路線になるのでしょうか。
■ 今日もやられやく 『Angel Beats!』劇中歌など収録したアルバムが出るそうです
アルバムも出るようなので楽しみです。
ここからは以前に書いていた記事です。
岩沢とユイの歌詞に見られる違いです。
歌詞は相互リンク様の「ひそかにささやかにアニメを応援している日記」のひそかさんの記事を参照させていただいています。
■ ひそかにささやかにアニメを応援している日記
1話で登場した Crow Song ですが,岩沢の歌に対する気持ちが込められています。
■ Angel Beats!ガルデモ 「Crow Song」 歌詞 感想など | ひそかにささやかにアニメを応援している日記
歌詞に出てくる「背後にはシャッターの壁」,「青空が最高の舞台」にあるようにストリートで弾いていたときの思いが込められています。
「家を出て,上京して,そして音楽で生きてゆくんだ」
3話で岩沢が語っていたように,歌には希望が込められていました。
「闇に閉ざされたステージで,今希望の詩歌うよ」
と歌われているように,今いる絶望的な状況の中から救い出し,希望の光となっているのが歌であるという岩沢の気持ちが表れています。
しかし,3話で明らかになったように,その夢は倒れることによって叶わなくなります。
■ Angel Beats!ガルデモ 「Alchemy」 歌詞 感想など | ひそかにささやかにアニメを応援している日記
6話で直井がここにいる人たちが生前の記憶で苦しんでいると語っていたように,この世界での今の気持ちが Alchemy に表れています。
Alchemy:錬金術,秘法。
「無限に生きたい,無限に生きられたら」
ガルデモの一員として歌い続けることができるこの世界にとどまり続けたいという願いが表れていますが,その一方で歌うことは生前の辛い記憶を思い出させるものとなっています。
「でもいろんなものがあたしを追い込んでゆく」,「歩いてきた道振り返るとイヤなことばっかりでもううんざりだよ」
「ずっと起きてられる薬は置いていませんか?」
この言葉には岩沢が悪夢に苦しめられていたことを伺わせます。眠ることによって倒れて病院で眠り込んでいたときのことを思い出してしまうのでしょうか。
そこには Crow Song に見られたような希望の光は見られません。
そして,3話で岩沢が消えることのきっかけになった My Song
■ Angel Beats!ガルデモ 「My Song」 歌詞 感想など | ひそかにささやかにアニメを応援している日記
「苛立ちをどこにぶつけるか探している間に終わる日」
と冒頭にあるように,やはり生前の記憶が苦しめているのか,ここでの生活に希望や喜びを見いだせていない岩沢の気持ちが表れています。
「これがわたしの人生なんだ。こうして歌い続けていくことが。それが生まれた意味なんだ」
「わたしが救われたように誰かを救っていくんだ」
「やっと……やっと見つけた……」
3話放送時の感想では,「人生の答えを見つける,生き方に納得することによっても消える……」と書いていて,自分が本当に好きな歌,歌いたいものを歌えたので消滅したと思っていたのですが,自分が音楽によって救われたように,音楽が誰かを救うことができる。そのことに気づいて音楽というものを理解-今まで自分が何のために生きてきて歌ってきたのを理解して満足して消えた-この世界に留まる理由がなくなったので消えたように今は感じます。
「叶えたい夢や届かない夢があること,それ自体が夢になり希望になり人は生きていける」
歌う意味を探していた岩沢ですが,自分が消えても音楽は残り,誰かが引き継いでゆく,音楽は永遠に生き続ける-そのことに気づいての消滅のように感じました。
追記:もう一つ感じたことは,「泣いている君こそ正しいよ,人間らしいよ」の部分です。
ここで初めて「君」という言葉が出てきますが,これは過去の自分のことを指しているのではないでしょうか。
病気で倒れ,挫折した自分と向き合いそれを受け入れる。
生前の記憶が苦しめるものとなっていましたがそれと向き合い,そのときの自分が本当の自分であり,ステージに立って歌っている今の姿は本当の自分ではなくつかの間の夢だと認めることができるようになったのではないかとも感じました。そのことが消滅と関係しているのかもしれません。
■ Angel Beats!ガルデモ 「Thousand Enemies」 歌詞 耳コピ 修正版 | ひそかにささやかにアニメを応援している日記
その岩沢の音楽を引き継いだのがユイです。
ユイはガルデモの大ファンで岩沢の曲はすべて演奏し歌うことができます。
ガルデモとそのメンバーはユイの憧れでした。
岩沢の後任としてその憧れの舞台に立つことができるユイが Thousand Enemies につけた歌詞には,叶った夢がいつまでも続いて欲しいという願いが表れているように感じます。
「不機嫌そうな君と過ごして」と歌っているようにユイから見た岩沢の姿が歌われているのでは。岩沢さん大ファンだと言っていたし。
憧れた岩沢の姿は溶けない氷河のように永久にユイの中に残っている,岩沢の抱えていた辛い記憶はファンであるユイには見えません。見ていたのはステージ上で輝く姿,自分もそこにたどり着きたい,そこに立てば岩沢と同じ気持ちがわかるのではという願いが表れているのではないでしょうか。
2番の歌詞の方にはユイの過去が表れていると思います。
過去に何があったのか,千の敵とは何かはわかりませんが,ユイの見ているのは過去ではなく夢が叶った今にあるように思えます。
(ひさかさんも聞き取れなかった「ご飯を食べてだんだん……」の部分が「ご飯を食べて戦う支度しよ」だったとは!!歌詞カードを見て驚きました)
岩沢の歌詞には自分の気持ち,夢や今の思いが詰まっていますが,ユイの歌詞には自分ともう一人「君」がよく登場します。
「君も持っている」「君にもきっとある」
「だから進もう……いつも一緒だから」
と歌詞に聞き手を含めているのが特徴に感じます。
岩沢と同じところに立ったものとしてその気持ちを他の仲間とも共有したい,岩沢から引き継いだ音楽が伝えるものをみんなと共感したい。そういう願いが表れているのでは。
Rain Song と Higest Life にはユイの過去が関係しているような感じがします。
Rain Song は好きだった人との別れの歌みたいです。
最初はユイはゆりっぺの妹で姉との別れのことを歌っているのではと思ったのですが,2話の回想シーンには雨は出てこないし,映画とか公園が出てくるので彼氏的存在だと見受けられます。
これらの曲も作中で演奏されるのでしょうか。ユイの過去の描写にも期待です。
追記:
■ 『Angel Beats!』Thousand EnemiesのHighest Lifeの評価が凄まじく良いようです:萌えオタニュース速報
世間では Highest Life が人気なのが。
わたしは Rain Song の方が好きなのですが。
おまけ:
ギブソンSGのアンガスの画像をどこかで見たことあるなと思ったらけいおん!!2話でさわちゃんギターを売りに行ったときの映像に登場していました。さわちゃんギターはギブソンSGのヴィンテージでした。
ということで画像比較です。
最初はエリック・クラプトンでは。
次がアンガス・ヤング
これはトニー・アイオミ(ブラック・サバス)ですね。
左利き,胸の十字架が特徴です。
最後はピート・タウンゼントか。
ウインドミルのポーズに見えます。
1期の頃は画像検索してヒットしたのと同じ構図を使っているのが見受けられたのですが,2期では微妙に変えてきていますね。このあたりが京アニクオリティーか。
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気付かなかった視点だらけで、ただただ敬服です^^
さて、こちらも本日CDが届いたので今から聞きたいと思います。
Junkさんの記事を参考にしながら♪
記事に歌詞を載せてくださっていたのでリンクを貼らせていただきました。
ボーカルアルバムも昨日予約しました。
アニメ関係のCDはあまり購入しないのですが,ABはコンプすることになりそうです。
麻枝さんはLiveシーンをやりたくてABを作ったのではないのかと最近感じるぐらい音楽に力が入れられていますね。
ひそかさんの感想も楽しみにしています。
ABがどのくらい売れるのか楽しみです。
これだけ話題になっているしCDも売れているので大丈夫だとは思うのですが。
PAはtrue tearsで大ファンになってそれ以来応援しています。
これからもいい作品を作り続けて欲しいですね。
ジュンクさんの様に音楽に深い知識を持ってる方にこれほどの評価を受けると嬉しくなります、やられやくさんなどで叩かれまくりで文字通り「千の敵」を抱えてるABですがこれからも応援していきたいです。
ABはシングル好調ですね。今週もMステ6位にランクインしたみたいだし。
第3団シングルLittele BraverのPVも公開されていてこれも素晴らしい曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=zWUTi7M2g-E
車の中でも仕事中もABの曲ばかり最近は聞いています。
迷い猫の主題歌は最初は激しく叩かれていましたが最近では癖になるという意見が多いです。
原作ファンからすると内容は……で黒歴史決定になりそうなのですが。
記事を評価してくださりありがとうございます。
ABは叩こうと思えばいくらでも叩けるところがある作品なのですが(7話の放送後には本スレよりもアンチスレの方が勢いがあったぐらいでした)それを上回る魅力がある作品であると思っています。
なるほど千の敵とはネット上で叩いている奴らだったのか。
Crow Songで「うるさいことだけ言うのなら漆黒の羽にさらわれて消えてくれ」
と歌われていたようにそれを打ち消すような作品になって欲しいです。