情報BOX:G20各国首脳の発言

情報BOX:G20各国首脳の発言
9月6日、20カ国・地域(G20)首脳会議がロシアのサンクトペテルブルクで2日間の日程で開催された。写真はロシアのプーチン大統領とオバマ米大統領(右)ら。サンクトペテルブルクで同日撮影(2013年 ロイター/Sergei Karpukhin)
[サンクトペテルブルク 6日 ロイター] - ロシアのサンクトペテルブルクで5─6日の2日間の日程で開催された20カ国・地域(G20)首脳会議での、各国首脳、政府高官の主な発言は以下の通り。
◎ロシアのプーチン大統領
各国の中期的財政健全化戦略を確認するとともに、経済成長を支援する政策を推進していく必要があるとの見解で一致することができた。
世界の経済情勢は5年前に比べ改善したようにみられる。経済成長は回復しつつあるが、依然として極めて大きなリスクが存在する。
そのため、ロシアはG20議長国の任期が始まって以来、とりわけ投資促進や効果的な規制の導入、市場の信頼感改善によって、成長を刺激し、新規雇用の創出に取り組んできた。
(シリアが軍事介入を受けた場合には)支援する。現在もシリアを支援しており、武器提供や経済的に協力している。困難な状況に置かれているシリア市民に支援を提供するため、今後は人道支援でも一層協力したい。
相手の主張に耳を傾け、論拠は理解しながらも、見解は一致しない。私はオバマ氏の主張に同意せず、オバマ氏も私の意見に同意しない。ただ、相手の意見を聞き、分析しようと努力はしている。
◎オバマ米大統領
アサド政権の化学兵器攻撃が米国の差し迫った、かつ直接的な脅威と率直に主張することができなかったため、議会の承認を求めた。米国、もしくは同盟国にとり直接的な脅威であったなら、議会の承認を求めずに行動していた。
私は戦争を始めるためではなく、止めるために選ばれた。就任以降の4年半、国際的責務を遂行し米国民の安全を確保する上で、軍事力への依存度低下に注力してきた。だがわれわれが重視することを守るため、時に困難な選択をしなければならないことも認識している。今回の(シリア)問題はその1つだ。
多くの首脳が、アサド政権が化学兵器攻撃を行ったとするわれわれの見方を支持している。
(シリアへの軍事介入をめぐる)この問題について国連安保理は機能していない。化学兵器使用の禁止規則を本気で維持したいなら、国際的な対応が必要だ。これは安保理を通じてはできない。
◎中国の習近平国家主席
シリア危機に対しては、政治的な解決のみが正しい対処法となる。軍事介入は問題の根本的な解決にはつながらない。
行動を起こす前に関係各国が再考することを期待している。
◎潘基文国連事務総長
1日失うごとに罪のない多数の市民の命が奪われている。
◎国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事
必要に応じ、緩和的な金融政策を維持することが適切だ。
非標準的な金融政策から脱却する際、出口戦略が秩序立ち、明確なコミュニケーションを伴って行われることを確実にする必要があると、G20が認識したことに満足している。
(緩和縮小に伴う)影響の波及を効果的に管理するため、先進国と新興市場国はともに国内の問題に対処していく必要がある。これらの影響が世界経済に著しい影響を及ぼす可能性を踏まえ、IMFは引き続き、こうした分野における問題に取り組んでいく。
資産の再調整や価格の見直し、通貨の一部再評価などが起きていることに疑問の余地はない。こうした動きは、1)非標準的な金融政策やそれら政策の縮小に伴うすべての影響を考慮する必要がある、2)すべて国が潜在的な危機を想定し、防止に向けた措置を講じる必要がある、という2つの課題を示している。われわれは現在こうした危機下にはない。危機を回避することを望んでいるし、各国が必要な措置を講じれば、回避可能であると考える。
◎欧州委員会のバローゾ委員長
今回のG20では、欧州はもはや注目の的ではない。それどころか、われわれの努力を心から評価する言葉をかけてもらっている。成果が出始めているとの認識が広がっている。
油断してはならない。失業率はまだ高い。欧州でも、その他の地域でも極めて重要なのは、この回復を長期的に持続可能なものにするようあらゆる努力をすることだ。
*発言を追加して再送します。

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